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小学校受験の言葉の問題は、なぜ「文字の数」ではなく「音の数」を答えるのか。

先週末の定期教室の第4回「まとめの学習」で、以下のような問題を出題しました。

 

問)「この中で、3つの音でできているものの絵には赤い○を、4つの音でできているものの絵には青い○をつけてください。

 

この設問に対し、このようなご質問をいただきました。

 

「このような言葉の問題で『何文字ですか?』といったような聞き方をすることはないでしょうか?」

 

確かに、こうした言葉の問題については、

大人の感覚から馴染みがあるのは「何文字ですか?」という聞き方のはずです。

 

(例えば限定しりとりでも、「3つの音しりとり」とは言わず、「3文字しりとり」の方が馴染みがあるかもしれません。)

 

お子さまたちとお勉強をしていても、

ひらがなやカタカナといった文字に触れているお子さまたちには、

「いくつの音でできていますか?」の質問に「3文字!」といった答えが返ってくることが多くあります。

 

そのようなお子さまからしても、

文字ではなく、あえて音で聞く意味が理解しづらいかもしれません。

 

 

 

少なくとも国立小受験において、現時点では、「何文字ですか?」という聞き方はありえません。

 

これには明確な理由があります。

 

国立小受験の言語課題で、「文字の数」について問われないのは、

「ひらがな・カタカナが小学校1年生で学習する内容である」とされているからです。

(今回は詳しく触れませんが、「数字」で答えを書かせないことも、同様の理由からです。)

 

受験の問題で、ひらがな・カタカナの理解を前提とする問題を出題してしまうと、

「入学に際し、学校で習うべきことを先取りさせることを要求するのか」という批判の種ともなります。

 

全国の公教育に先駆けた教育研究を行う国立小が、その生徒に先取り学習を要求する、というのは、

その存在意義にも疑問が生じてしまう

そういうレベルの問題にも発展しかねません。

 

学習指導要領が改定されるなどして、

「ひらがな・カタカナは就学前の段階でも理解させておくようにしましょう」とでもなれば

この部分は変わるかもしれません。

幼保小連携のプロジェクトが進めば、そのような流れは起こる可能性はありえます。

 

また、私立小に関しては、「先取り学習をしてきているお子さまを優先的に取ろうとしてはいけない」という規定もありませんから、

文字に関する出題がある可能性はゼロではありません。

 

 

ただ現状、言葉の問題については、「文字の数」ではなく「音の数」で出題するのが小学校受験の基本です。

 

つまり、「同頭音・同尾音」においても、「最初の文字」「最後の文字」という聞き方は現状なされません。

あくまでも「始まりの(最初の)音」「終わりの(最後の)音」です。

 

日常生活の中でお子さまにクイズを出す時でも、

大人の感覚では、「文字」で質問したくなりますが、

小学校受験は「音」であることは覚えておくと良いでしょう。

 

 

「音の数」について就学前のお子さまに聞くことは、

その後の「文字の理解」を進める上での「言葉への興味・関心」にもつながるため、

 

「それぞれの言葉(名詞)が、いくつの音でできているか?」といったような出題が、小学校受験の中でも出されてきているのです。

 

 

 

小学校受験における「言葉の問題」が

「文字」ではなく「音」についての出題である理由をご紹介しました。

 

次回、もう少しだけ、

この「音の数」について掘り下げてみます。

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