ペーパー問題の「まちがい」に対して、どのように対処すべきか
他県では私立小の受験もスタートし、小学校受験も、いよいよ本番に突入してきました。
年長さんは、直前期の仕上げの学習のために、集中講習を企画していく時期ですが、
定期教室をはじめとして、幼稚園や保育園などでも年中さん向けのクラスもスタートしています。
授業やご自宅で、ペーパー学習を取り組んでいく中で、
「なんとなく理解しているようだけど、ペーパーの設問としては正解とは言えない。」
というような回答をすることが、あるかもしれません。
例えば、
・答えはあっているのに、赤のクーピーで○をつけるべきところを鉛筆で○をつけてしまった。
・線結びで、点と点を結ぶことができていない。
・(「○○より大きいもの」など比較課題などで、)答えが2つ以上あるのに、1つしか選べなかった。
などなど、例を挙げればキリがありません。
ペーパーに初めて取り組んでいくお子さまならまだしも、
直前期のお子さまの場合、「まちがい」となる事実に、気が気でないことも、あるかもしれません。
ですが、
学びたてのお子さまでも、直前期の学習でも、
「まちがい」に対する対応は、基本的には同じステップを踏みます。
以下、ペーパーの「まちがい」に対する対処法を、順にご紹介します。
①「どこでつまづいたか」を特定する。
前述の例であれば、
・筆記具を間違えた→指示を聞きもらし(or失念)していた
・線結びが丁寧にできなかった→丁寧さが欠けていた
・正解を選びきれていなかった→理解が不足していたor正解が2つ以上あるパターンを知らなかった
ということを想定できるでしょう。
②逆に「できていた部分」が何かを確認する。
①のつまづいた部分を特定できれば、その反対で、できていた部分を知ることができます。
上記の例であれば、
・正解がどれかは、分かっていた
・1つは正解を選ぶことができていた
などです。
明らかに設問にまちがえた時でも、
・姿勢を正して行うことができた。
・教室であれば、隣を見ないで回答することができた。
・「○」をきれいに書くことができた。
など、
お子さまの「できている」部分に着目できるようにします。
③「できていた部分」を伝えて、ほめる(認める)。
②で見つけた「できている部分」を、お子さまに伝えます。
気持ちオーバーに伝えたかな、くらいでちょうどいいかもしれません。
④さらに、「こうすれば、もっと良くなる」を伝える。
先述の例でいえば、
・「何色で○つけるって言ったか覚えてる?」「赤で○ができてたらカンペキだったね!おしい!!」
・「●までゴールできてたらバッチリだよ!」
・「答えは1つじゃなかったんだね。(こっちも答えなんだね!)」
といったふうです。
ペーパー設問の正解のためには、「あと一歩」が必要なのですが、
それでも、現時点でできている部分に、まず「マル(○)」をしてから、さらに一歩、上を目指していきます。
そうすると、お子さまは、自分の「できる」地点を確認できるだけでなく、
「さらに上を目指すには、どうしたら良いか」についても、意識をすることができます。
そうすると、「もっと、できるようになりたい。」と、どんどん意欲的に学習に取り組むことができます。
反対に、
問題に答えるたびに、
「ここができてない。」
「もっとこうしなさい。」
「なんで、そんなこともわからないの?」
などと言われてばかりだったら、どうでしょうか。
だんだんと、やる気が失われて、しまいには机に向かうことも、嫌になってしまうかもしれません。
大人でも、あれこれと間違いを指摘されたり、批判をされることは、できれば避けたいこと、と感じる人が多いかもしれません。
そういう時にこそ、「かえってメラメラとやる気が湧いてくる」とか、「間違いを指摘してくれたことに感謝できる」というのは、それまでに育まれていた「肯定的セルフイメージ」があればこそではないかと、思っています。そして、そういった自己概念を育てるのは、幼少期の両親や、先生などとの関わりによるものだと、考えています。
これは、別の話になるので、またの機会に触れられたらと思います。
ペーパー以外の学習でもそうですが、
間違いに対して、「イエス(マル)プラスワン」法で、次のステップを目指していけたらいいなと、思います。
そして、「できた!」「もっとできる!!」「もっとできるようになった!!!」のホップ・ステップ・ジャンプで、
勉強が好きで、楽しい!と言えるお子さまが、どんどん増えていくことを、願っています。