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有意義な国立小受験を実現するためのメッセージ

0)はじめに

 

お子さまと一緒に、国立小学校の受験を考えている保護者の皆様に向けて、

一般社団法人小学校受験協会、代表理事の藤田より、メッセージをまとめました。

 

受験の本番、当日までの日々を、

より充実した、有意義な毎日としていただきたいという思いを込めています。

 

ご覧いただいたお父さま・お母さまにとって、

少しでもお役に立つメッセージとなれば嬉しいです。

 

 

1)なぜ、受験に取り組むのか?

 

小学校受験を考えて、準備を進めようとした時に、

最初に、大切になることがあります。

 

それは、

「なぜ、受験に取り組むのか?」という、

ご家庭における、そもそもの受験の意義や目的を明らかにする、ということです。

 

 

今、なぜ、「小学校受験」を考えていますか?

そして、「小学校受験」を通して、お子さまや、ご家庭が、どうなることを期待しているのでしょうか?

 

 

もしかしたら、その答えは、

「国立小学校に通うことで、質の高い(先進的な)学びの機会を得ること」かもしれません。

 

あるいは、

「同じように、主体的に学習に取り組む友人を作ること」かもしれません。

 

ひょっとしたら、

「いま通っている園のお友達が、受験を考えているから」かもしれないし、

「ご家族のどなたかが、実際に小学校受験をし、国立小学校での生活を経験されているから」なのかもしれません。

 

その答えが、どのようなものであっても、

それらの「受験の目的」は、

 

わが子に「楽しい(有意義な)小学校生活」を送ってほしい、(ひいては、小学校の後の人生においても、自立したひとりの人間として、幸せな人生を歩んでいってほしい、)」

といった願いが、あるのではないでしょうか。

 

お子さまの将来のために、お父さま・お母さまが行う選択は、「わが子の幸せを願えばこそ」であるはずです。

 

 

その前提を踏まえた上で、

「なぜ、小学校受験に取り組むことが、わが子の幸せに繋がるのか」

について、

まずは、ご家族(ご夫婦)の間で、話し合っていただきたいです。

 

できることなら、

「小学校受験に取り組むことの意義・目的」を、明確な言葉にして共有しておくことができると、さらに良いでしょう。

 

なぜならば、

今後、受験の当日、会場に向かうまでに、この「受験(に向けたお勉強)の意義・目的」について立ち返り考える機会が、たびたび、出てくるからです。

 

 

受験についての目的や意義について、「ご夫婦の間で、意見を一致させなければいけない」というわけではありません。

(ご家庭の中の「多様性」が、時にお子さまの救いになることもあります)

 

ただし、もし、受験に取り組む、というのであれば、

その取り組みについて、ご家族の皆様が、何かしらの「意義」を感じていることが大切です。

 

そうすることで、ご家庭の中での「小学校受験」が、ポジティブな取り組みとして進められていくはずです。

 

 

2)国立小受験において押さえておきたい、国立小の「使命」と「特長」

 

受験の意義について考える上で、

国立小学校のことを知らなければ、受験の目的や意義も、イメージしづらいかもしれません。そこで次に、国立小学校の「目的」と、その「特長」について紹介します。

 

 

国立小学校には、公立の小学校とは異なった使命や特長を持っています。

国立小学校の使命は、大きく分けて2つあります。

 

 

国立小学校の使命の1つ目は、「研究実施校」であるという点です。

 

国立小学校(より正確には「国立大学附属小学校」)では、

10年後、20年後の公立教育に役立てるための研究が行われています。

 

国立小学校の先生がたは、それぞれの研究課題を持ち、生徒たちとの関わりを通して、その研究に取り組んでいます。

そして、その研究の成果を、全国の先生たちや教育関係者に発信していきます。

 

つまり国立小学校の先生は、いわば「先生の先生」とも言えるような活動をなさっている、とも言えるのです。

国立小学校では、将来のスタンダードとなっていく可能性がある先進的な教育を受けることができるのです。

 

 

国立小学校が「研究実施校」であることから、

授業の成果を外部に発表するための「公開授業」の機会が多く設けられます。

 

そのため校内には、多くの教育関係者が出入りをします。

 

また、担任の先生が、学期中に研究の発表で不在となる機会も、比較的、多くなります。

先生が授業をしない「自習」の機会も、公立小学校と比べると多くなる傾向にあります。

 

 

国立小学校の使命の2つ目は、「教員養成校」としての役目です。

 

大学で教育学を専攻する「先生のタマゴ」たちに向けて、

教育実習をする場としても、国立小学校が活用されています。

 

教育実習生が校内にいる期間は、(たとえば学芸大附属小では)春に約1ヶ月、秋に約1ヶ月。

年間で2ヶ月ほどが教育実習生と過ごす期間となります。

6年間で考えると、合わせて12ヶ月、つまり通算で丸1年は、「教育実習生」の期間となります。

 

教育実習生を受け入れる期間は、若い教育実習生たちのエネルギーも加わり、校内は「活気にあふれ、にぎやかになる」そうです。

6年間のうちに、様々な先生と接していくことは、国立小学校の生徒たちにとって、成長の糧となる多様な刺激を受けるとなることでしょう。

 

 

上記の「研究実施校」「教員養成校」としての使命を持つ国立小学校では、

結果として「教科書どおりのカリキュラム」とは異なる形で、学習が進んでいくこととなります。

 

そのため、単元ごとで、学習に割かれる比重に偏りが生じることも、実際に起こっています。日常の学習においては、「学校の授業」に任せっきりにせず、ご家庭での学習でカバーしていくことも、想定しておく必要があります

 

 

これらのような、国立小学校の使命や特長を踏まえた上で、実際の小学校生活をイメージしながら、小学校に上がる前の準備を進めていきましょう。

 

 

3)国立小受験と私立小受験の違い

 

国立小学校の特長についてまとめた後は、

同じ「小学校受験」をする中でも、国立小学校と、私立の小学校との違いについても触れておきましょう。

(もちろん「国立」「私立」とひとくくりにすることはできませんが、おおよその違いとして、まとめていきます)

 

まず、小学校としての性質の違いについて説明します。

 

国立小学校は、2)でまとめた通り、それぞれの先生が、それぞれのテーマで研究をしています。

そのため、「個々の先生の裁量が多い」とも言えます。

 

国立小学校の先生がたの中には、書籍を出版されている先生も多く、またTV番組に出演されている先生もいらっしゃいます。

 

それに対して、私立の小学校には、その学校の「校風」というものが存在します

先生も、生徒も、その校風にマッチすることが求められるのです。

特に宗教色が強い伝統的な小学校ほど、その傾向が強いと言えるかもしれません。

 

上記の性質の違いとも関連するかもしれませんが、

国立小学校と比べて、私立小学校の受験は、一人一人の受験者に対して、より、じっくりと試験が行われます

 

例えば、私立小学校の中では、個室での親子面接が行われる学校も多いです。

ときに保護者の方の職業や、学歴についても、検討が及びます。

 

お子さまが受ける課題についても、その結果を試験官の先生がたが持ち寄って、具体的に検証をすることもできるのが私立小の受験です。

 

 

それに対して、国立小学校の受験(正確には、受験ではなく「考査」であったり「(発育)調査」であったりします)では、

一人ひとりの生徒の様子について、試験後に厳密に検討をすることまでは、現実的ではありません。

 

例えば、過去の筑波大学附属小学校では、60分にも満たない時間の中で、30名が同時に考査を受けていました(感染症対策を考慮した2020年21年は、受験者数を減らして考査を実施)。

そして、3日間に渡る考査(生年月日によって、受験日と試験内容が異なります)が終わったら、その翌日に合否が発表されます。

同校の2次考査(本番)では、口頭試問、ペーパー課題、制作、運動課題、行動観察といった、複数の課題に取り組みます。

これらの試験内容のそれぞれを、厳密に採点し、合計点を出した上で、合否を出すということを、3日間の試験終了後の翌日までにまとめる、ということは、現実的ではないように思えます。

 

つまり、国立小学校受験における合否は、「試験会場内で」「一瞬のうちに」決まっている、という可能性も、十分にあるのです。

 

また、国立小学校については、系列の中学校への連絡進学が基本的に整っています。

ただし、中学受験に関しては、国立小学校が「受験のための小学校ではない」「中学受験についての対応は行なっていない」ということを、明言しています。

なので、国立小学校に進学した後、系列校ではない中高一貫校への受験を考えるとしたら、自主的に中学受験対策を進めていく必要がある、ということは、把握しておくと良いと思います。

 

 

4)ペーパー学習を始めるよりも前に大切にしたいこと

 

国立小学校受験では、2)でも触れた通り、研究実施校として多くの公開授業を実施するという必要性があります。

そして3)では、私立小学校の受験と比較した、国立小学校受験の性質について触れました。

 

これらの点を合わせて考えることで、国立小学校受験における「最重要力点」が見えてきます。

 

「受験対策」と考えると、大切なのは、複数の単元に渡る「ペーパー課題」だと考える方も、多くいらっしゃるでしょう。

あるいは、「かたむすび」や「ちょうむすび」がスムーズにできる製作(巧緻性)の力だとも、考えるかもしれません。

「くま歩き」がスピーディーにできる運動能力を、鍛えていかなければ、と感じる方もいらっしゃるでしょう。

 

もちろん、これらの課題について準備を進め、自信を持ってスムーズにおこなえるようになることは、受験対策を進めていく上でも大切です。

ですが、これらは、国立小学校受験における「最重要項目」ではありません

 

過去の聞き取りの調査の結果、

試験本番で

「ペーパーで満点が取れなかった」

「製作が完了する前に時間になってしまった」

「くま歩きの途中で転んでしまった」

といったいずれのケースにおいても、合格者が出ている、という事実があります。

 

しかし、本番で「おしゃべりをしていて注意を受けた」「ペーパーで隣を見ないよう注意を受けた」「待機時に注意を受けた」お子さまは、例外なく不合格となっています。

 

こうした前例から考えると、

国立小受験の合格を考えたときに、「ペーパーで高得点を取ること」よりも、「正しい姿勢を身につけ、維持することができること」の方が、重要なポイントである、といえそうです。

 

 

なぜ、ペーパーでの得点よりも、試験を受ける際の「態度面」の方が優先されるのでしょうか。

 

それは、公開授業を企画する際に、教室内の学ぶ姿勢が整っている必要があるからです。

 

もし、国立小学校の生徒たちが集中して授業に参加する基本的な姿勢や態度を身につけていないとしたら、「授業の受け方」のための授業をする必要が出てきてしまい、

研究の実施や授業の企画を妨げることとなってしまいます。

 

これらの理由から、国立小学校としても、

生活の基礎である身辺自立ができている生徒、

お話を聞くことができたり、集団生活をする上でのお約束を守ることができたりする生徒を、

選抜しているのではないか、と考えています。

 

試験を受ける態度面についての評価は、得点化できるペーパー試験などとは異なり、明確な数値にできません

いわゆる「印象点」だということになります。

 

そして、この「印象点」については、試験官の先生の主観によるところも大きい部分でもあります。

仮に、ペーパー試験の解答が0点から100点満点まであるとしたら、印象点は、プラスマイナス10000点にでもなる(くらいに影響が大きい)ともいえるでしょう。

 

まずは、印象面での減点を防ぐ、「立ち方」「座り方」の姿勢を整えることが大切です。

そして、それだけではなく、

プラスの印象点、例えば挨拶お返事お話を聞くときの視線などについても、

自然とできるようにしていくことが、大切な受験対策だということになります。

 

 

そして、これらの姿勢・態度面は、ペーパー学習を繰り返すより前に、日常生活を通して、身につけていけるものでもあります。

お子さまに、「正しい座り方」「大人の方へのご挨拶」についてお伝えすると同時に、

ご家族の皆様も、そうした「姿勢」や「挨拶」について意識的に実践するようにしてみてください。

 

お子さまは、お父さま・お母さまをはじめとする、身近な大人の姿を見ています

まずは、ご家庭の中から、意識的に挨拶をするようにしてみましょう。日常生活の中から、受験の準備は始まっているのです。

 

 

小学校受験において、お勉強の際の姿勢や挨拶、態度と並んで重要なのが、お話を聞いた内容を「理解する」ということです。

 

なぜなら、小学校受験における設問や指示が、(文章や書面ではなく)全て口頭でなされるからです。

しかも、それらの口頭での指示は、一度しかなされません

 

つまり、試験会場に入ってから退出するまで、1度しか言われない口頭での指示を、全て聞き漏らさず

その内容を記憶にとどめた上で、指示通りに行動する必要があるのです。

 

また、ペーパー試験においても、現在(2021年までの時点で)、ペーパー試験が課されている4校(筑波大学附属小学校と東京学芸大学附属大泉・小金井・世田谷小学校の3校)では、ペーパー課題の中で必ず、「お話の内容理解」の問題が出題されています

 

これらも、先述の「お話を聞くことができる」生徒を選抜するという意図によるものかもしれませんが、

いずれにせよ、「聞く力」を身につけておくことが、国立小学校受験においては重要です。

 

 

「聞く力」を身につけるための最初のステップは、「読み聞かせ」を習慣化することです。

「読み聞かせ」は、絵本を一緒に見ながら読み聞かせをするスタイルから、お子さまが本を見ないでお話を聞く、というスタイルへと順に移行していくと良いでしょう。

タイミングとしては、寝る前の読み聞かせが、習慣にしやすいようです。

 

また、「お話を聞く力」は、「話す力」とあわせて身についていきますから、

親子で、たくさんお話をすることも大切です。

その際には、お子さまが、たくさんお話をして、お母さま、お父さまは、その言葉にじっくり耳を傾ける、ということをしてみてください。

「自分のお話を聞いてもらえることが嬉しい」という経験をすることで、「他の人がお話をしているときは、お話を聞けるようにしよう」という意識が育まれていきます。

 

姿勢・態度面に関する、いわば「躾」に相当する部分

そして読み聞かせや親子での会話は、

いずれも、机に座っての「お勉強」とは別の時間で、日常的に取り組むことができます。

 

もし、国立小学校受験を考えるのであれば、(あるいは、「受験」を考えなかったとしても、就学後の学習の基礎づくりとして、)ぜひ、ご家庭の中で意識をして、取り組んでみてください。

 

 

5)どのように国立小受験に取り組むか 〜3つのタイプ〜

 

国立小学校の受験の準備に取り組んでいこうとした場合、学習方法としては、大きく分けて3つの方法があります。

 

1つめは、「ご家庭でお勉強に取り組む」という方法です。

市販されている過去問を購入して、その出題傾向を把握したら、過去に出題された単元や作業を細分化して、順番に学習を積み重ねていきます。

 

いきなり、過去問レベルの課題に取り組むのではなく、ご家庭で取り組んでいくことを想定している市販の教材を活用し、

徐々に、本番に向けてレベルアップを目指していきます。

 

2つめは、「単発の講習会や、模試などに参加する」という方法です。

ご家庭の学習と、実際の考査本番との大きな違いは、

「家族とは違う大人の先生(試験官)のペースで出題された問題に取り組む」

多くの子どもたちと一緒に(集団課題を含めた)課題に取り組む」といった点です。

 

これらは、ご家庭での学習で模倣することが困難な点です。

模試や講習会に参加することで、より本番に近い雰囲気の中でお勉強をする経験を積み、

その中で課題を見つけ出し、ご家庭での学習に活かしていくことができます。

 

3つめは、「定期的に開催されるレギュラークラスに通う」という方法です。

定期的に、お教室に通うことで、

学習のための基本の「型」を、より定期的に意識して、学習に取り組む経験をすることができるようになります。

 

また、お教室の講師の先生に、お子さまの特性や現在地、成長を理解してもらうことで、

受験の準備をご家庭の外から応援しサポートする「伴走者」を得ることもできます。

 

ご家庭での学習の方法や、状況に応じた対策の方法について、個別にアドバイスを受けることで、受験に向けた心配や迷いごとを、すぐに解決しながら、受験対策を進めていくことが可能です。

 

 

以上が、国立小受験に向けた学習の3つの方法です。

ご家庭によって、

1つめの「家庭学習」のみで準備を進める場合や、

家庭学習に加えて2つめの「模試」「講習会」や

3つめの「レギュラークラス」を活用する場合があるでしょう。

 

いずれの場合にも共通することは、「ご家庭での学習が、受験対策の『核』となる」ということです。

たとえ、模試や講習会、レギュラークラスに通わせたとしても、ご家庭での学習はしないで良い、ということではありません。

 

むしろ、国立小学校に合格してから以降も、ご家庭で学習の機会を設け、生活の中で学びを深められる環境を作っていくことは重要です。

国立小学校での学び自体が、与えられた学びではなく、子どもたちの主体的な学びの姿勢を要求しているからです。

小学校受験の準備を進めていく上で、同時にご家庭での学びの環境も整えていくことが、

(結果的に、どの小学校に進学することとなったとしても)就学後の学びのための習慣づくりとして、大切な財産となるはずです。

 

 

6)模試や講習会・お教室を最大限に活用する方法

 

家庭学習に加えて、模試や講習会、レギュラークラスのお教室に通うことが決まったら、次

この「模試や講習会・お教室を最大限に活用する方法」をご参考にしていただき、

ぜひ、お教室での学びの機会を、効果的に活用していけるようにして働きかけていってください。

 

国立小学校の受験を目指して、模試や講習会・お教室を最大限に活用するために、

ひとつのクラスでの学びを、3つのタイミングに分けて考えてみましょう。

 

お教室での学びを時系列に沿って3つに分けると、

「①お教室に行く前」「②お教室にいる時」「③お教室に行った後」に分けることができます。

 

この中で、「②お教室にいる時」については、

お教室が親子分離をする形式をとっている場合が多くあります。

より本番形式での学習を想定すると、お教室や講習会は親子分離の形式をとります。

 

そのため、お子さまの学びを最大化するために、保護者の方ができるのは、

「①お教室に行く前」と「③お教室に行った後」の2つのタイミングで、意図的に働きかけをしていくことです。

 

「①お教室に行く前」におこなうことは、大きく分けて2つです。

 

ひとつめは、「お教室の期待感を高める」ということです。

 

ちょうどそれは、待ち望んだ旅行に行く前の感覚に似たものかもしれません。

「お教室では、どんなお勉強をするのかな」

「先生はどんなことをするのかな」

といったようなことを、確認しながら、講習会を迎えます。

 

お子さまが、お教室の時間に期待感を持ち、前向きに参加すればするほど、

同じ授業の時間から、多くを学び、吸収することが可能になるでしょう。

 

 

お教室に行く前におこなう、もう一つの準備は、

「お教室で守るお約束」や「お勉強をする意味」についても触れておく、ということです。

 

例えば、

背筋を伸ばして座ることや、

先生のお話を静かに聞くこと、

ペーパーでは隣の席を見ないで考えることなどから、

「その日のテーマ」をひとつ選んで確認をするようにします。

 

お教室で守るべき「お約束」の全てを、一度に意識して守ろうとするのは非常に難しいです。

 

お教室の前に、何かひとつだけ「今日、気をつけること」を設定して、

「(例えば)今日は、先生がお話をするときは、先生の方をよく見て、静かに聞こうね。」といったようなお約束を、親子で交わしておくことが大切です。

そうすることで、お約束を守る意識が、ひとつひとつ身についていきます。

 

そして、これらのお約束を守ることや、お教室に通うことの理由として、

「素敵な小学生のお兄さん(お姉さん)になるため」にお勉強をしていっている、ということをお子さまと共有するようにできると、さらに理想的です。

そうすれば、素敵な挨拶やお返事、姿勢を整え維持することなど、慣れないうちは「少し大変」と感じるようなことに対しても、目的意識を持って取り組むことができるようになるでしょう。

 

 

次に、「③お教室に行った後」に、ぜひおこなっていただきたいことについてご紹介します。

 

お教室が終わった後におこないたいことは、

ずばり、「その日のお勉強の復習」です。

 

ここでいう「復習」というのは、「今日のお教室はどうだったの?」と、お迎えの際のお父さまやお母さまが、その日のお教室について興味を持って聞いていただくことです。

そして、それに対するお子さまの答えやお話に、丁寧に耳を傾ける、ということです。 

 

学んだ内容は、言葉にして伝えようとすることで、最も効率的に身についていきます。

また、「話す」力をつけることは、口頭試問個別課題の際に自分の考えを伝えることにもつながりますし、

「話す」ことで、その反対の「聞く」力も身についていきます。

もちろん、その日体験をしたことを、うまく言葉にできなくても、大丈夫です。学んだ内容を「伝えようとする」ことだけでも、立派な「復習」となるのです。

 

ぜひ、お教室の後は、「その日、お教室で起こった出来事」について、親子で、たくさん会話をしてみてください。

お子さまが、「あとでお教室の内容をお父さんやお母さんに伝えなきゃ。」と思っていると、

「集中して講師の先生のお話を聞こう」「お教室で起こることをよく見て覚えておこう」という意識にも繋がります。

 

お教室に行く前に「どんなことがあったか、あとで教えてね。」などとお願いしておくことも重要でしょう。

 

その日のお教室のことを、じっくりと振り返って、吸収したら、

また、次のお教室を楽しみにしながら、日々の学習に取り組んでいきます。

 

この①②③のサイクルを繰り返すことで、お教室での学びを最大限に吸収して、成長していくことが可能となります。

お教室を活用する際は、ぜひ、意識して取り組んでみてください。

 

 

7)ゴールは「国立小学校への合格」ではない

 

このように書くと、国立小学校への進学を目指し、そのためにこのアドバイスを読み進めていただいている方の中には、戸惑われる方もいらっしゃるかもしれません。

 

その場合は、あらためて、「1.なぜ、受験に取り組むのか?」という問いかけへの答えを、振り返ってみてください。

 

国立小学校受験に取り組む第一の目的や意義は、「国立小学校の受験に合格すること」ではなかったはずです。

むしろ、小学校に上がった後のことを考えればこその国立小受験であり、

あるいは、小学校受験に向かうための取り組みそのものが、価値があることだと捉えているかもしれません。

 

国立小学校の受験においては、「ご縁」の要素が大いに含まれています。

国立小学校受験の合否は、単にその小学校とのご縁があるかないか、の結果でしかなく、

お子さまの優劣を決めるものでもなければ、ましてや受験当日までに至る学びの取り組みに審判をくだすものでもありません。

 

「今の学びに価値があった」とわかるのは、

合格発表の日の、もっとずっと後のことかもしれません。

 

反対に、「やろう!」と決めたことをやりきった1日には、その日の夜にでも「マル」を与えていってほしいです。

 

国立小受験に向けた取り組みを進めていく上では、結果の承認の前には行動の承認があるようにしてほしいと、願っています。

 

 

小学校受験を通してご夫婦やご家族でお子さまの学習について共に見つめ考えを深めていくこと、

そして、ご家庭で学ぶ環境や習慣が身につくことこそが、

お子さまのその後の学習習慣や、ひいては「生き方」そのものを形成していく上で大いに役立ちます。

 

これこそが、親子で小学校受験に取り組むことの最大の価値なのではないか、とも考えています。

 

 

「小学校受験」という明確な目的があるからこそ、そこには、挑戦があり、時には悩みや葛藤も生まれるかもしれません

 

それらを乗り越えていく中でドラマがあり、成長があります

 

小学校受験というイベントを通して、親子や、ご夫婦の絆がより深まり、就学前のこの時期が、生涯を通じた思い出の時間となるならば、これほど素晴らしいことはない。

そう思っています。

 

 

小学校受験を見据えたお子さまの学びに、小学校受験協会の活動が、少しでもお役に立つことができれば、たいへん嬉しく思います。

 

小学校に上がる前の学びや成長の機会を、ご家庭で企画していただき、

有意義な小学校受験に取り組んでいただくこと、

そして、その取り組みを通して、お子さまが健やかに成長していかれることを、

心から願っております。

 

文:一般社団法人小学校受験協会 代表理事 藤田和彦

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