わが子に対する「声のかけ方」(2)

わが子に対する「声のかけ方」というテーマで3回にわたりご説明しています。
2日目の今日は
「この勉強をしないと、小学校受験に合格しないよ」という声かけを例にして、
恐怖モチベーションによって
わが子を動かそうとすることで生じる
リスクについて具体的に説明していきます。
1日目 わが子に対する「声のかけ方」(1)はこちらから。
大きなリスクの1つ目としては、
お子さまが、「強迫観念」から行動をするようになる点です。
「勉強をしないと、不幸なことが起こるから」
「ここで頑張らないと、失敗するから」
「負けないために、今やらないと」
すべて、「よくない未来」を思い浮かべながら行動していることがわかるでしょうか。
この心理状況でし続ける行動には「終わり」がありません。
お子さまは、人生を通して「ネガティブな未来」を回避するためだけに頑張り続けなければならなくなるかもしれません。
大きなリスクの2つ目は、
「今日、勉強しないと合格しないよ」と言ったところで、
結果として、今日の勉強が「できなかった」場合のことです。
お子さまに行動をしてもらうためにかけた言葉が、
結果的に、お子さまだけでなく、お父さま・お母さま自身にまで、
「うまくいかない」という暗示を
(それこそ繰り返し)かけ続けていくことになります。
この「望ましくない未来」を予言するような形での声かけは、
半ば「呪い」のように聞こえることがあります。
(私は、このような声かけに敏感ですが、そのようなお子さまもゼロではないはずです。)
「こうしなければ、欲しいものが手に入らない」
「こんなことをしたら、よくない未来が起こる」
といった声かけをするのは、
「よくない未来」を現実にしたいと思うから、そのように声かけをするのでしょうか。
おそらく、そんなことはないはずです。
親が子に、そのような声かけをする心理としては、
「わが子に、よくない未来を迎えてほしくないから」という思いがあってのことでしょう。
しかし、
大人の言葉を正直に受け取ってしまうようなお子さまからすると、
「ネガティブな未来」を予言されることによって、心のどこかで、「もしかしたらダメかもしれない」という感覚を抱いてしまうことになりかねません。
スポーツの世界でもそうですが、
「できる!」と100%思いきることができるからこそ、
自分のパフォーマンスを、最大限発揮することができます。
これは、発表会などのステージでの「本番」や、
受験の「本番」などにおいても同じことが言えます。
勝負事に勝つためには、
「ダメかもしれない」というような感覚を、微塵もいだかせないで、
自己の持てる力を最大限に発揮できるメンタル状況に持っていくことが重要です。
ですから、このような、「ネガティブな結果を暗示するような声かけ」は、絶対に慎まなければなりません。
特に、実のお父さまやお母さまなど、
お子さまが絶対的な信頼を置いている大人の言葉というものは、
そうでない赤の他人と比べても影響力が大きいです。
ですから、特にお父さまやお母さまにおいては、
お子さまが「望ましい未来を手に入れる」ことができるような声かけをしてあげることが重要なのです。
明日のブログでは、
「歯磨きをしないと虫歯になるよ」という言葉を例に、
前向きな未来を表現する形で伝えるには
どうすれば良いかを考えてまいりましょう。
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