多くの学習の土台となる「右」「左」の理解
本日も、幼稚園での授業でした。
年長さんの授業では、鏡映像に取り組むために、
「左右の理解」に、復習的に取り組んでいきました。
幼児期のお子さまにとって、
「右・左」を理解することは、結構な難題です。
小学校受験の中で、直接的に「右・左」を問われる問題は出てきませんが、
右左の理解ができていないと、理解をしづらいもの(四方観察や鏡映像)や、
設問や指示の中に、自然と「右」「左」が出てくるもの(選択式の問題や地図上の移動、方眼上の位置や移動など)が、
多く存在します。
ですから、左や右の理解は、できるようになっておく必要があります。
もちろん、自分自身の右手・左手の理解は、大前提になります。
また、これも、大人の感覚からすると面白いなと感じるかもしれませんが、
「向かい合った人の右手が、自分の右手とは反対側(の左側)に見える」ということを理解し出したあたりで、
思いの外、多くのお子さまが、ペーパーやホワイトボードの「右側」や「左側」も、反転して考えるようになります。
おそらくこれは、ペーパーやホワイトボードを「擬人化」して考えているからなのではないか、と思います。
ペーパーやホワイトボードには、おへそもなければ、お顔もついてないので、ペーパーの「右側」は、自分の右手の方なんだ、ということを理解していくと良いでしょう。
また、鏡映像などで、鏡に映る形を考える問題を解く時は、
鏡に映っている人や動物に対しても、「右手」「左手」といった表現は使わないように気をつけたほうが良いです。
なぜならば、鏡に映っている絵では、その「右手」は、「左手」であるかのような場所に映って見えるからです。
上記の現象を、「鏡に映ると左右が逆になる」と説明をしたくもなりますが、
この「左右が逆になる」という説明も、混乱の元です。
なぜなら、右手・左手の学習をする際の、
「向き合った人の右手・左手の場所は、自分と逆」という考え方と、「逆」という表現が混ざってしまうからです。
鏡に映る人や物の、特徴的な部分が、
鏡の「右側」か「左側」どちらに映るか、を考えてから解くようにすると、良いでしょう。
右・左の理解は、
多くの方が、年齢を重ねていく上で、徐々に理解をしていきながら大人になっていくわけですから、
仮に今、理解が曖昧だったとしても不安になることはありません。
ただし、小学校受験、ということを考えると、
左右の理解は、確実に理解しておきたいところですので、
日常生活の中で、「右」や「左」を会話の中にも織り交ぜながら、
繰り返し、繰り返し学習をしていってください。
ちなみに、わが家の本日の夕食は「焼きサンマ定食」だったのですが、
焼き魚をお皿に乗せる時は、「頭は左で尻尾が右」というのがスタンダードになっているかと思います。
これは、一説によると、
その昔、「左が右よりも上位の方向である」という文化が日本にあったことに起因しているという説があります。
(確かに、平安時代の役職も、左大臣が右大臣より偉かったなあ、などといったことが思い出されます。)
お魚の向きについての、真偽のほどは定かではないですが、
「配膳」についても、押さえておきたいルールがあります。
「お茶碗が左」「お椀が右」「おかずのお皿が奥」
という配膳の基本は、ぜひ、押さえておいてください。
学芸大附属大泉小学校でも、
以前に、生活課題の中で、配膳の仕方を確認したことがあります。
最近は、お子さまの食事を、
食事用プレート1枚に盛り付けている、というお話も耳にします。
確かに、盛り付けもお片付けも、比較的やりやすくはなるのですが、
「配膳」についても体験的に学習できるように、夕食のメニュー(や使うお皿)についても、計画をしていただけるといいと思います。
お茶碗と、お椀の用途の違い(何を入れる物なのか)や、
材質の違い(陶器と木の違いなど)についても、
あわせて確認をしながら、食事の時間も、有意義な学びにつなげてみてください。