行動観察における私立・国立の違い(2)
行動観察における私立・国立の違いについて3回にわたりご説明しています。
2日目の今日は
行動観察課題における、私立小と国立小の違いを考えるためにも、
私立小受験と国立小受験における性質の違いについて、見ていきましょう。
1日目 行動観察における私立・国立の違い(1)はこちらから。
私立小受験と国立生受験の違いには以下のような点があります。
1.学校説明会の有無
私立小では、保護者の方が参加できる学校説明会の機会が多く設けられていることが多いです。
保護者の方向けの説明だけではなく、受験を予定している年長さんのお子さまも参加できる体験型のイベントなども多く実施されています。
これらの説明会や体験会に実際に参加することで、
その学校の校風について知り、実際の教育環境等を体感することができます。
私立小の受験をする上では、
この学校説明会などに参加をしなければ、「合格することが難しい」といった話も聞かれることがあります。
この話の真偽については、学校ごとにさまざまでしょうが、
学校側の立場で考えたときに、「説明会への参加度合い」を合否の判断基準に組み込むことは、合理的であると考えられます。
自校の教育方針などについて、一定の期間をかけて理解を深めていただいているご家庭の方が、そうでないご家庭と比べたときにも、入学後に「思っていたのと違う」となるような事態も少なくなると考えられるからです。
私立小の学校説明会は、
年長さん未満のお子さまを持つご家庭が参加できるものも開催されているため、
多いご家庭では、2年、3年とかけて、わが家の教育方針に合う学校を選んでいます。
平日に、お仕事の日程を調整して説明会に参加したり、週末に、複数校の学校説明を「ハシゴ」することも、決して珍しいことではありません。
合格のためには「説明会や体験会に参加しておく必要がある」と考えた場合、
遅くとも、年長の5月には、具体的な学校選びのための動きをとっていくことになります。
もちろん、これは「遅くとも」ということになるので、実際に私立小学校受験に取り組み始めるタイミングは、特に多くのお子さまが受験をされるような小学校であるほど、全体的に早くなるでしょう。
2.試験の中に親子面接課題がある。
私立小受験においては、「親子面接」が課される学校が多いです。
この面接では、お子さまに加えて、お母さまとお父さま(ご両親)も面接を受けることになります。
国立生受験において面接が行われているのは、
お茶の水女子大学附属小学校と
東京学芸大学附属竹早小学校の2校です。
しかも、この保護者の面接については、お父さまかお母さまのどちらか一方だけしか参加をすることができません。
つまり、私立小受験の場合、ご両親ともに受験に対する準備をすることが必要不可欠ですが、
国立小受験のみを考える場合、ご両親ともに受験を意識して日常生活を送るタイミングが、相対的に遅れるご家庭もありうる、ということになります。
3.試験前に抽選があるかどうか
国立生受験の場合、本番の受験をする前に、試験前の抽選を受けることになる学校が多くあります。
2023年度入試において、試験前の抽選が化されていた国立・都立の小学校は、
筑波大学附属小学校
お茶の水女子大学附属小学校
東京学芸大学附属竹早小学校
東京学芸大学附属大泉小学校
都立立川国際中等教育学校附属小学校
です。
学校によっては、試験前の抽選の通過率が10数%である場合もあります。
そのように考えると、「もし、抽選に通過することができなかったら」という可能性も考えた上で、対策のバランスを考える必要が出てくるとのも、
国立小の受験のみに取り組む際の1つの特徴になってきます。
私立小受験と国立小受験に関する以上の3つの違いを考えたときに、共通してくる傾向として、
「私立小受験における対策と、国立小受験だけを考えた場合の対策では、対策の期間と量に、大きな差が生じやすい」という傾向があります。
3日目(最終回)は、具体的な対策の違いについて触れていきます。
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