肯定的な学習観を育む(1)
今回は、
「肯定的な学習観を育む」というテーマで、
ご家庭でお勉強を進めていく際の、望ましい保護者の方の関わり方・スタンス
について、3回にわけて書いていきます。
「肯定的な学習観」とは、
言い換えると、
「お勉強って、楽しいなぁ!」
という感覚のことです。
お子さまが、お勉強に対して前向きに取り組むことができれば、
小学生になってからも、自然と、どんどんと学びが積み重なっていきます。
お子さまが「肯定的な学習観」を持てるようにするには、
どのようなことを心がける必要があるでしょうか。
いくつかのポイントを紹介します。
お勉強を「労働」にしない
お勉強というのは、お子さまにとってみれば、いわば「お仕事」のようなものです。
大人が、職場に行って仕事をしている代わりに、
子どもは、学校に行って勉強をするのだ、と考えることもできるかもしれません。
このように、大人の「仕事」と子どもの「勉強」を対比したときにも、
前向きな感覚で捉える方もいれば、そこに否定的なニュアンスを感じる方もいることでしょう。
それは、「勉強」と同じように、「仕事」に対しても、プラスとマイナスの「仕事観」があるからです。
大人の「仕事」についても、
これを、やらされて仕方なく取り組む「労働」という感覚で捉えていると、
毎日の仕事は「苦役」になってしまいます。
仕方なしに仕事をする。
嫌々ながら仕事をする。
このような態度で取り組む仕事に、喜びを見いだすのが難しいのと同じように、
お勉強を「苦行」と考えている中では、「楽しみながらお勉強する」という発想には、そもそもなりづらいはずです。
お子さまの「勉強観」を前向きなものとしながら、就学後の学習生活を積み重ねていくことが、
ひいては、のちに「勉強」が「仕事」に置き換わったときの「前向きな仕事観」にもつながるかもしれません。
お勉強を「苦行」にしないようにするためには、
特に「学びはじめ」にあたる幼少期、周りの大人は慎重に対応をしていくことになります。
ところが、反対に、
お子さまにとって、「お勉強」を「苦行」にすることは、いとも簡単です。
その筆頭格が、お子さまに、毎日のように
「勉強しなさい!」と言うことです。
「勉強しなさい」という言葉の裏には、
勉強とは「すべきもの」であり、「義務」である、というニュアンスが(無意識的にも)込められています。
好きだったはずのことでも、それが「義務」となると、なかなか楽しめなくなってしまうことがあります。
お子さまが、お勉強を「義務的なもの」として与えられ続ければ、
勉強に前向きに取り組むことができにくくなってくるはずです。
(この逆パターンで、「大人になってから勉強の面白さに気づいた」という事例も多いですが、それは、大人の学びが、誰かに義務付けられたものではなく、自ら学ぶことを選択することができた結果でしょう。)
大学までの受験を考えたときに、
「難関」と言われる入試を突破できた学生には、
幼少期を振り返って、親に「勉強しなさい」と言われてこなかったと感じていることが少なくありません。
このようなエピソードに驚く方もいますが、
逆に私からすると、
親に「勉強しなさい!」と言われて難関入試を突破した、というエピソードの方が、驚きに値します。
(このような「逆風」の中で合格を勝ち取ったのは、ご本人の並々ならぬ努力の賜物です。)
私たち大人が、お子さまの「お勉強」の機会を創る上で意識すべきは、
お子さまに、勉強という行為が「義務的なものではない」という事実をはっきりと認識させるということです。
言い換えるならば、「お勉強」という取り組みに対して、
義務的なニュアンスを可能な限り、排除していくことが求められます。
では、お勉強を「義務」にしないで、かつお子さまにお勉強に向かわせるには、どうすれば良いのでしょうか。
明日のブログで詳しく説明いたします。
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