小学校受験のペーパー課題の価値(1)
今回のブログ記事より、 幼児期の学習における「小学校受験のペーパー課題の価値」について書いていきます。
未就学のお子さまたちが、小学校受験に向けてお勉強をする、ということを聞いたときに、
「幼少期からそんな勉強をするのは、子の発育にとってかえってよくないのではないか」
と、眉をひそめる方もいます。
特に、ご自身が小学校受験に取り組んでこなかった、というお父さまやお母さまにとっては、
いざ、小学校受験に取り組もうとしたときに、ご両親(お子さまにとっては、お祖父さま・お祖母さま)と、受験期の学びの進め方について意見が食い違うことも、あるかもしれません。
もちろん、極端な受験勉強に走っている親子を見て、
小学校受験に対して、否定的な見解を持っている方も、いらっしゃることでしょう。
中には、
幼少期に、山のようなペーパー学習に取り組みすぎることによって、
本来幼少期のうちに感じておきたい様々な体験がおろそかになることを心配する方も、いるかもしれません。
ところが、
「幼少期のペーパー学習が、子どもの発育にマイナスになる」というのは、
完全なる誤解です。
(小学校受験を考えるご家庭のほうが、ペーパー学習に取り組むだけでなく、幼少期に必要な経験や体験を意図的に設定していることが多いようにも感じます。)
小学校受験に向けて、「不適切なペーパー学習の進め方」をしている場合はあるでしょうが、
年中さんや年長さんの取り組むお勉強として、小学校受験向けのペーパー学習は、むしろ就学後の学びを考えた時にも最適な教材だとも言えます。
ここから、幼少期の学びにおける、「小学校受験のペーパー学習に取り組むことの価値」について書いていきます。
小学校受験のペーパー課題の大まかな分野ごとに、
何が、幼少期の学習として価値があるのかについて説明をしていきます。
①お話の内容理解
小学校受験のペーパー課題において必ずと言っていいほど出題されている「お話の内容理解」。
この課題が出題され続けているのは、
小学校側が、この「お話の内容理解」で得点できるための力を入学する児童に求めていることの表れでもあります。
お話の内容理解に得点するために、求められる力はどのようなものでしょうか。
・長いお話を、集中して聞く集中力
・言われた内容を頭の中に留めることができる記憶力
・基本的な語彙力
・ストーリーを聞いて情景を想い浮かべる想像力
・お話に興味を持つこと。
こういった力が、お話の内容理解に問題に正解するためには必要です。
小学校受験の「お話の内容理解」の単元についての対策は、
ペーパー学習に取り組むより先に、
まずは日常的な「読み聞かせ」に取り組む習慣を作るところからスタートします。
お子さまの好きな絵本やお話を、
ご自宅で、親子で一緒に読んだり、
お母さま、お父さまが読むのを聞いてお話をイメージしたり。
こうした経験が、お話を聞く力にもつながっていきます。
お話に出てくる登場人物(動物)を覚えたり、
それぞれの登場人物(動物)の関係性を理解したりしながらお話を聞くことは、
小学校に入学した後の国語の文章読解(物語文・小説)においても、重要となってくる力です。
国語の文章読解において、
・長めの課題文を読んでも、内容が覚え切れない。(文章の後半を読んでいる頃には、序盤に書かれていたことを忘れてしまっている)
・登場人物の名前や、人物同士の関係が全くわからない。
といった状態にあるため、
文章読解の問題に答えることが全くできない小学生は実際に存在します。
そのような小学生に圧倒的に不足しているのが、
お話を読む経験であり、その前提であるお話に触れる経験です。
国語の文章読解においては、解答の「お約束(セオリー)」やテクニックを知ることも必要なので、「読書をしているだけで国語の成績が上がる」と言うわけではないですが、
読書量は、こうした解答テクニックを活用するための土台となってきます。
そして、「本を読む」というときには、ただそこにある文字を追いかけていくのではなく、
そこで描かれている物語をイメージしながら、お話に慣れ親しむことを蓄積していくことが重要です。
そうすることで、小学生になった後の「読書」の時間も、有意義なものになっていきます。
「お話を記憶したり、イメージしたりする」力は、
親子で一緒に取り組む、「お話の内容理解」の問題演習や、そのための読み聞かせの習慣の中で、培われていくものです。
受験予定校が、ペーパー課題がない、いわゆる「ノンペーパー校」のみであったとしても、
むしろ「小学校受験はしません」というご家庭であったとしても、
私が、就学前からの「読み聞かせ」を推奨しているのは、このような理由からです。
明日のブログでも引き続き、「小学校受験のペーパー学習に取り組むことの価値」について、分野ごとに書いていきます。
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