国立小受験のペーパー学習では、解答の「スタイル(型)」を理解しつつも、バランスよくお勉強を進めていきましょう。
2月も、下旬に入りました。
幼稚園や保育園、こども園でも、「年度末」を意識した活動が展開されている頃でしょうか。
徐々に、「来年度」について考えることも増えてくる時期です。
先週末の「国立小受験 専門 定期教室」でも、
新年度からの「年長クラス」に向けて、クラス希望のアンケートをお配りしました。
お教室の皆さんは、まだ年中さん、ではありますが、
指導する側の感覚としては、なんとなく「もう年長さん」という感覚も、強まってきました。
新年度に向けて、「年長さん」の意識も持ちつつ、日々の生活を送っていってください。
国立小受験に向けたペーパー学習の「スタイル」を意識しましょう。
小学校受験に向けた準備を進めてきているご家庭の皆様は、
これまでも、日々、ペーパー学習も含めたお勉強に取り組んできていることでしょう。
小学校受験のスタイルに限らず、就学前から「机に向かう」という習慣を身につけておくことは大切ですから、
今まさに小学校受験を考え出した方の中にも、
お家でお勉強はしてきている、という方はいらっしゃると思います。
ただし、
小学生での学習と、小学校受験におけるペーパー課題においては、
取り組み方において、大きく異なるところもあります。
ですから、小学校受験に向けた準備を進める場合は、
小学校受験の本番で戸惑うことのないように、
受験形式での学習にも、慣れていく必要があります。
すでにお教室でお勉強を進めている皆様にとっては、当たり前のことかもしれませんが、
あらためて、「受験におけるペーパーの形式」について確認しておきましょう。
小学校受験のペーパー課題の特徴①:文字を読んで答える問題がない
小学校受験におけるペーパー課題では、
「問題文を読んで、あとの問いに答える」という問題がありません。
これは、「ひらがな、カタカナについては小学校で学習をする」ということになっているからです。
(中学校受験で、中学数学の公式を使わないと解けない問題が出題されないように、小学校の学習内容での出題がなされない、ということでしょう。)
そのため、小学校受験におけるペーパー課題の設問は、
すべて、「音声情報」での出題となります。
設問の内容を、試験官の先生が口頭で伝えられる問題もありますが、
学校によっては、全ての問題が、録音された音声で出題される、というところもあります。
(確かに、口頭で設問を読み上げるよりも、録音された音声の方が、テストの条件はより一定に近づくでしょう。)
つまり、小学校受験においては、「読む力」の代わりに「聞く力」が求められる、ということになります。
小学校受験のペーパー課題の特徴②:設問は「1回だけ」しか読まれない
ここが、小学校受験のペーパー課題が難しいとも言える点です。
設問が文字で書かれているのであれば、問題がわからなかった時に、何度か読み返して考えることもできるでしょう。
あるいは、解答後の「みなおし」も、設問を読みながら取り組むこともできます。
ですが、
小学校受験の問題文は、一度しか読まれませんから、
その内容を、よく聞いて、正しく記憶をしないと、
たとえ答えの出し方を理解していたとしても、正解することができない、ということになります。
中高生の英語のリスニングのテストでも、
問題文が2回読まれる形式のテストも多くあります。
ですが、小学校受験では、いちど聞き逃したら、その問題の答え方がわからなくなります。
問題を聞くときの「集中力」も求められるのが小学校受験のペーパー課題です。
小学校受験のペーパー課題の特徴③:解答に「文字」や「数字」を書くこともない
これも、特徴①と同じ理由です。
文字や数字を「読む」ことを要求しないのと同様に、
文字や数字を「書く」ことも要求されません。
数の問題などは、
正解の数だけ「○(まる)」などの形を書くことで答えます。
もちろん、
そうした答えを書き込む時間も解答には必要です。
(例えば正解が「8」とわかっていても、答えの「○」を8つ書ききれなければ正解とはなりません。)
小学校受験のペーパー課題の特徴④:基本的に、設問ごとに制限時間がある
ペーパー問題は「はじめ」「はじめてください」の合図で解答をスタートし、
「やめ」「終わりです」などの合図があったら、途中でも解答をやめなければいけません。
小学生以降のテストでも、テストの開始から終了までの時間が決められていますが、
小学校受験のペーパー問題では、設問ごとに「はじめ」と「やめ」の合図があります。
つまり、解答をするための「時間配分」という感覚もなければ、
いわゆる「捨て問」という概念も存在しません。
その点、目の前の問題に集中していけば良いのですが、
そこが、かえって難しい、ということもあります。
例えば、小学生のテストでは、
「この問題は難しいから、先に次の問題に取り組んで、後でまた戻ってこよう」
という戦術が使えますが、
小学校受験においては、
いちど「やめ」となった問題には、もう戻ってくることはできません。
前の問題に、答えを書ききれなかったのが気になっていたら、
次の問題の大事なところを聞き逃してしまった。
こういうことが起こりうるのが、小学校受験のペーパー問題です。
小学校受験のペーパー課題では、一問一問、集中して問題に取り組んでいって、
うまくいかなかった問題があっても、すぐに気持ちを切り替えて、次の問題に集中する必要があります。
(ですから、「満点を取れなければいけない」という意識が強すぎると、万が一の時に大きく崩れてしまう原因にもなるのです。)
小学校受験のペーパー課題の特徴⑤:間違えた時の訂正方法が決まっている
小学生から高校生までのテストは、
基本的に、鉛筆(ないしはシャープペンシルなど)で答えを書き、
答えを間違えた時は消しゴムで消す、
ということになっています。
ところが、
小学校受験のペーパー課題においては、
消しゴムがありません。
また、筆記具についても、
クーピー(筑波大学附属小学校)
赤のサインペン(東京学芸大学附属世田谷小学校)
など、鉛筆以外のものを使用するところもあります。
消しゴムで答えを消さない代わりに、
間違えた時は、
「×(バツ)」を書いて訂正する(筑波大学附属小学校・東京学芸大学附属世田谷小学校・東京学芸大学附属小金井小学校)
「=(横二重線)」を書いて訂正する(東京学芸大学附属大泉小学校)
など、訂正方法の指示がなされます。
私立小も含めて見てみると、「//(斜め二重線)」や「ギザギザ線」など、
いくつかの訂正方法がありますので、
その時の指示に従って、訂正をする必要があります。
訂正方法についても、事前に指示が出されますので、
やはり、ここについても、その時の指示をよく聞いて、その内容を記憶して取り組むことが大切になってきます。
以上、小学校受験のペーパー課題の特徴的なところを5つご紹介しました。
このように、小学校受験のペーパー課題では、
小学生以降の学習スタイルとは、少し異なるスタイルの出題がなされるため、
そのスタイルを意識したお勉強も、受験に向けては必要になっていきます。
ただ逆に、
こうした「小学校受験形式」の学習のみに特化することは、
就学前学習のバランスを崩すことにもなりかねません。
受験形式だけのお勉強をしてきた結果として、
受験終了時点(=年長の年末)で、
・同世代の年長さんと比べても、さして読み書き能力に差がない(むしろ、場合によっては遅れが生じている)
・しかし「お勉強をたくさんしてきた」「自分はお勉強ができる」という自負はある
・自分の感覚と実際のギャップから、小学校の学習に対して「苦手意識」を持つことになる
といった場合や、
・短時間に解答をする形式のペーパー問題に多く取り組んできた
・結果として、「ちょっと考えないと答えが出ないような発展・応用系の問題」に対してすぐに思考することを放棄する
・ペーパーの「枚数」を勉強量をはかるバロメーターとして、枚数をこなすことをモチベーションとしてやってきた
・結果として、1枚に多くの計算問題が並ぶようなドリル学習についてもやりたがらなくなり、就学後の学習習慣作りに苦労をする
といった事例が挙げられます。
就学前の準備学習をしても小学校受験を位置づけていたとしたら、
これでは、何のための受験勉強だったのかわかりません。
(志望校に合格できれば、それで万事オッケー、というのであればそれでも良いのでしょうが。)
小学校受験で出題されるペーパー問題の中にも、
お子さまの考える力を伸ばしていく「良問」がたくさんあり、
これらに取り組むことは、就学後の学びにもプラスに働きます。
ですが、こうしたスタイルの違いがあることも踏まえて、
「小学校受験形式のペーパー問題」と
「就学準備になる読み・書きを含めた問題」のバランスを意識しながら、
ペーパー学習の時間を企画していくことが望ましい、と考えています。
定期教室では、
受験向けのペーパー教材と、
読み書きも含めた幼児向け学習教材の、
どちらもご提供していっていますので、
ご家庭での学習の取り組み方について、ご不明な点があれば、
ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
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