口頭試問の課題に対する克服法(1)
今回より、
「口頭試問の課題に対する克服法」
というテーマでブログを書いていきます。
小学校受験において、
口頭試問は、先生にお子さまを1対1で見ていただくことができる限られた機会です。
特に、大勢のお子さまが同時に課題に取り組む国立小受験においては、
1対1で先生とやりとりをすることができる口頭試問が、非常に重要な課題となってきます。
その口頭試問について、
「克服すべき課題点」があるというお子さまも少なくはありません。
これまで、小学校受験の指導をしてきた中で、
保護者の方からいただいた「口頭試問における課題点」や、実際に指導をしていく中で感じた課題点を順に挙げていきます。
そして、それぞれの課題点を克服するための方法について書いていきます。
口頭試問における課題点①「声が小さい」
普段、親子で過ごしている時は、むしろ「うるさい」と思うほどにたくさんお話をしているわが子。
ところが、ひとたび口頭試問の練習をしようとした途端、
別人になったのかと思うくらい、か細い声でしかお話ができなくなってしまう。
そして、お教室で先生に質問をされた時には、その傾向がますます顕著になる。
お教室や講習会に参加するたびに、
「声が小さい」といったようなフィードバックを受け取るものの、
ご家庭においてどのような対策を取れば良いのかわからない。
そんなふうに困ってしまうお母さま・お父さまからのご質問を、これまでにもたくさんいただいてきました。
大きなお声で話すこともできるのに、口頭試問においてはその良さが発揮できない。
そんな「声が小さくなってしまう原因」を考えることが、
この課題を克服する糸口となります。
声が小さくなる理由として考えられるのは、
「自分の話していることに自信が持てない」
場合です。
「この質問に、こんなふうに答えて良いのだろうか」
「こうやって答えるのは、合っているのだろうか」
などと考えながら話をすると、
声はどうしても小さくなってしまうものです。
口頭試問における回答の「正解」「不正解」を考えすぎると、
「間違えてしまう不安」から、声が小さくなってしまうものです。
これまで聞かれたことがないような質問に答える場合には、なおさらです。
もちろん、「想定問答集」のように、よく聞かれる質問については繰り返し練習をすることで、自信をつけることも可能であり、有効な対策と言えるでしょう。
しかしながら、「これまでに出題されたことがない質問」が本番で出される可能性は、完全に消すことはできません。
そのため、最終的に目指すべきは、「どのような質問がされたとしても、自信を持って答えられる」状態を作っていくことです。
口頭試問における「正解」を考えすぎるようになる原因として、
口頭試問練習のたびに、内容についてのフィードバックを受けすぎていることが考えられます。
口頭試問の練習において、お子さまの話したことについて、
「そんなこと言っちゃいけないじゃない!」
とか、
「そうじゃなくて、〇〇のように言わなきゃいけないよ。」
などといった指導をされることで、
お子さまが口頭試問における「正解」を考えるようになってしまいます。
もう少し踏み込んだ言い方をするならば、
「怒られないようにするにはどうすればいいのか」という感覚で、質問の回答を探している、とも言えるかもしれません。
自分の発言の内容について指摘を受けることを恐れながら質問に答えようとするのであれば、
声が小さくなってしまうのも、無理はありません。
この場合の対処法については、
口頭試問練習の際、お子さまが言った回答については、基本的に受け入れるというスタンスを取ることが第一です。
つまり、口頭試問の練習の際に、お子さまの発言の内容を、こまごまと指摘しないようにします。
お子さまが言った内容が、たとえつかなかったとしても、
その内容を即座に否定したり、修正したりするのではなく、
自分の考えを言葉にしようとできたことを認めるようにします。
そうすることで、お子さまは「自分の言った言葉を受けとめてもらえた」という感覚を持ち、たくさん話をするようになります。
また、口頭試問の際に声が小さいお子さまに対して「声が小さい」というフィードバックをすることは、
ほとんど意味がないどころか、むしろお子さまが「自分は声が小さくなるんだ」という認識(苦手意識)を持つことにつながりさえします。
口頭試問練習でない時でも、
お子さまが元気にお話をしているときに、
「いいお声が出ているね」
「すてきなお声でお話ししてくれてありがとう」
などと伝えることを意識してみてください。
お子さまが、自分の「声」に自信を持ち、自分の「声」を好きになることができれば、
「声が小さくなってしまうかも…」などと、不安に思うことも少なくなってくるでしょう。
次回のブログでは、口頭試問における二つ目の課題点とその克服法について書いていきます。
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