小学校受験で早生まれは不利か?月齢差の真実と国立小の実態・家庭での対策

結論から言うと、
小学校受験において「月齢差は確かに存在する」が、
国立小では学校ごとに制度や出題内容によって、その影響は大きく異なります。
特に、
・筑波大学附属小学校
・お茶の水女子大学附属小学校
では「月齢考慮」が明確に行われています。
一方で、
学芸大附属の4校では形式的な月齢考慮はありませんが、
出題内容自体が極端に不利にならない設計になっています。
つまり重要なのは、
「月齢そのもの」ではなく、
その差をどう埋めるかという家庭の戦略です。
お教室で、たびたび、月齢に関するご質問をいただくことがあります。
小学校受験協会で実施している講座のうち、
私、藤田が講師を務める講座に関しては、
全ての授業を、zoomによる保護者の方のご参観が可能な状態で実施をしています。
授業の様子をご覧いただく中で、
保護者の皆様から、こんなご質問をいただくことがあります。
Q)わが子は早生まれですが、学習の進め方について、どのようなことを意識すれば良いでしょうか。
お教室の中には、
4月生まれのお子さまから、翌年3月生まれのお子さままで、
さまざまな生まれ月のお子さまが集まり、一緒に学習を進めています。
これは、何も当教室が特別、ということではなく、
幼稚園でも、保育園でも、もちろん小学校でも、
同じ教室で活動するお子さまには、最大で1年の月齢の開きがある、ということになります。
あるいは、他の大半のお受験教室でも、同じ状況だと思います。
年中さん、年長さんの世代にとっての生まれ月の違いは、
大人のそれと比べても、「大きな差」と感じられることも多いでしょう。
(「生まれてから今日までの人生の日数の差」を単純な割合で考えてみても、満5歳のお子さまと満6歳のお子さまとでは、大人で言う30歳と36歳の差がある、ということにもなるわけです。)
そうすると、特に早生まれなど、他のお子さまと比べて月齢が少なめのお子さまからすると、
「周りのお友達ができることが、まだうまくできない」ということも、あるかもしれません。
あるいは、これまでにも、そのような経験を多くしてきているかもしれません。
お子さまが早生まれのお父さま、お母さまからすると、
「周りのお友達と比べてお勉強の理解ができずに、わが子が戸惑うことがあるのではないか。」
と心配になることもあるでしょう。
そして、その心配は、
「漠然とした心配」というよりかは、
これまでの経験や事例をもとに感じている不安感だったりします。
実際に、お教室の様子を見ていても、
わが子の理解が、どうもおぼつかない気がする。
そんな気がして、上記のようなご質問になるのではないか、と感じています。
生まれ月の違いが気になるお母さま、お父さまに心がけてほしいこと
お子さまが早生まれであろうと、なかろうと、
「他のお友だちと比べて、発育が遅れている」というふうに感じるお母さま、お父さまには、
「お友だちと比べる」ということを、いったん控えるようにしてみてほしいです。
特に、早生まれで、月齢が低いお子さまであれば、なおのことです。
生まれ月が早いお子さまと能力の差を比べることは、お子さまにとってもフェアではありません。
でも、そうはいっても、受験では一緒にテストを受けるのでは?と不安に思うかもしれません。
ところが、国立小受験に関しては、この点に関しても不安に思うことはありません。
なぜならば、
都内の国立小の中で、比較的難度の高い課題が出題されている2校
については、
お子さまの生まれ月によってグループを3つに分け、それぞれのグループで合格者を出しているからです。
(例年、「Aグループ(4〜7月生まれ)」「Bグループ(8〜11月生まれ)」「Cグループ(12〜翌3月生まれ)」の3グループに分けられています。)
これが、いわゆる「月齢考慮」というものです。
早生まれのお子さまにとっては、
筑波小とお茶の水小の受験は、早生まれのお子さまだけの中での選考となります。
同じグループで受験をする他の受験生のお子さまと、条件は同じです。
裏を返せば、反対に学芸大附属の4校には「月齢考慮」がない、ということになります。
そうすると、早生まれのお子さまは、やはり合格に不利になってしまうのか、という懸念が尽きないことでしょう。
ですが、この点に関しても、そこまで不安になることはありません。
学芸大附属の4校の中でも、
特に「過度の受験準備を憂慮」しているとのメッセージを公式に発信している竹早小と世田谷小については、
調査の内容に関しても、早生まれのお子さまがいきおい不利になるような難しい課題を出しているわけではありません。
(ですから、極端な話、4月生まれのお子さまにとっては、両校の課題は、現時点で取り組んでも無理なく取り組めるものである可能性すらあります。)
試験問題について聞く限りでは、
大泉小の課題も、日常生活における理解を前提としている部分が多く、月齢での有利不利が大きく出るほどの難易度ではなさそうです。
(学芸大附属の4校の中では、唯一、小金井小の課題が、巧緻性など継続が必要なものがあるような認識です。が、それすらも、準備を継続していれば、早生まれのお子さまが到達不可能な難度とは言えません。)
ただし、ひとつ誤解してはいけないのは、
「月齢差は完全に無視できるものではない」という点です。
実際に差が出やすいのは、
・巧緻性(ちぎる・ひもむすび・お箸の使い方など)
・言語処理(説明能力・語彙)
・集団行動(指示理解・反応速度)
この3つです。
つまり、
何も対策をしなければ、早生まれのお子さまが不利になる可能性はあります。
ここまでお読みいただき、
「では、具体的に何をどの順番でやればいいのか」
と感じられた方も多いかもしれません。
実際のところ、
月齢差の影響はお子さまごとに異なり、
・どの力が不足しているのか
・どこまで伸ばせば合格ラインに届くのか
・今、何を優先すべきか
は、個別に見極める必要があります。
この判断を誤ると、
努力しているにもかかわらず結果につながらない、
という状態に陥ることも少なくありません。
当協会の教室では、
お子さまの現在の到達度をもとに、
「何を・どの順番で・どのレベルまで」伸ばすべきかを整理し、
段階的に力を積み上げていく指導をおこなっています。
ご家庭だけで進めることに不安がある場合は、
一度、定期教室の体験レッスンにご参加ください。
では、月齢差に対してどう戦うべきか。
結論はシンプルで、
「経験量で差を埋める」ことです。
具体的には、
・日常生活で言語化の機会を増やす
・手先を使う活動(ちぎる・結ぶ・折る)を日常化する
・“考えて答える”習慣をつける
この3点を徹底することで、
月齢差による遅れは、十分に逆転可能です。
お子さまの成長は、「当社比」で考える。
たとえ、周りのお友だちとの差が気になって、不安になったとしても、
無理なく継続をしていれば、必ず、うまくできるようになっていきます。
ですから、誰かと比べて、うまくできていないように感じたとしても、
その「差」には、意識的に目をつぶるようにしてください。
そして、他者との比較ではなく、
お子さま自身の変化を、いわゆる「当社比」で考えるようにします。
お子さま自身が、
以前と比べて、できることが増えたら、
そのこと自体を、どんどん認めて、その成長の喜びを親子で共有していってほしいです。
とはいえ、「他の子と比べない」という理想はあっても、
受験である以上、完全に無視することはできません。
だからこそ重要なのは、
他人との差ではなく、
「差がどこで生まれているか」を冷静に見極めることです。
その差が月齢によるものなのか、
経験不足によるものなのかで、
打つべき手は大きく変わります。
幼少期であっても、「できる」「できない」は経験値の差に依存する。
前述の通り、
国立小受験で出題される課題については、
「受験生の月齢において充分に理解可能な問題が出されている」と考えていただいて差し支えないです。
言い換えれば、早生まれのお子さまであっても、充分に理解できる内容が出題されている、ということです。
(もちろん、例えば筑波小の課題など、それ相応の準備・練習を必要とするものはあります。)
そして、お教室で取り組むお勉強についても、
同様に、「早生まれであっても、理解していけることを想定した内容」で構成していっています。
(一部、あえて「できない」時にどうすればよいか、を意図した問題や、「分からない前提」で流している情報もあります。このあたりの目的や捉え方については、また機会をあらためてお伝えします。)
そんな中でも、
お教室のお勉強について、お子さまが理解できないことがあって戸惑ってしまうことも、あるかもしれません。
これは、反対に4月生まれのお子さまであっても、起こりうることです。
お子さまが理解できなかったこと(理解していなかったこと)がある理由は、
単純に、その内容について、これまでの人生の中で、触れてきた(意識してきた)機会が少なかったから、であることが大半でしょう。
多くの場合は、それ以上でも以下でもありません。
お子さまが理解できない原因が明確になれば、対処法も明快で、
理解がしづらかった単元や学習内容について、無理なく触れていく機会を、
日常生活の中に組み込んでいけば良いのです。
例えば、
受験直前期の10月、11月であっても、
特別な対策をしていなかったために「右と左の理解が曖昧である」という年長さんはいますが、
逆に、生まれて間もない頃から、それこそ毎日のように右と左に触れてきた子であれば
(あえて「覚えさせよう」としなくても)3歳にもなれば、右と左の概念を獲得しているのは、決して不思議なことではありません。
小学校受験のためのお勉強をしていく中で、
「理解が難しい部分」や「うまくできない部分」があった時は、
その内容について、日常生活の中で、意図的に触れていくように心がけることで、
「できない」ことが「できる」に、
「わからない」ことが「わかる」に変化していきます。
素敵な小学生になるための「小学校受験」の勉強。
と、いうことは、
お教室の中や、あるいはご自宅で、小学校受験のお勉強に取り組むことで、
「分からないこと」「うまくできないこと」を知ることができることは、
ある意味ではチャンスだ、と考えることもできます。
小学生になるまでに、理解しておけるとよいと考えられる、「言語」や「数量」や「図形」や「常識」についての知識や、
学校生活をスムーズに進めていくための「身辺自立」、
新しい学びを積み重ねていくための「授業の受け方の基礎」などを、
小学生になるまでに、しっかりと押さえておくことができるからです。
もし、小学校受験に向けたお勉強をしていなかったら、
上記のそれぞれの能力について身についていないまま、小学生になっていたかもしれません。
もちろん、「学びの基礎」ができていなくても、小学生になることはできます。
ですが、その上で学習を進めていった時に、
後から、学習を積み上げる上での課題が見つかったり、
学習内容を理解していく上で、少し苦労をすることは、もしかしたらあるかもしれません。
小学校受験に向けたお勉強は、
「小学生になった後の学びのため」にも役立つ要素が、さまざまにあります。
ぜひ、今の「苦手」を「得意」に変えるために、
ご家庭の中で、どんな時間を作っていくとよさそうかも、あわせて考えてみてください。
実際に、
「月齢差」(より正確には、「生まれてから今までの経験値の差」)と「年長秋までの受験準備の進め方」は密接に関係しています。
・どの学校を受けるべきか
・今の状態でどこまで狙えるのか
・何を優先してどのくらいの対策をすべきか
この判断を誤ると、
努力の方向性そのものがズレてしまいます。
逆に言えば、
お子さまの現状に合わせて、
適切な順序で学習を積み重ねていけば、
月齢差に関係なく力を伸ばしていくことは十分に可能です。
当協会の教室では、
お子さま一人ひとりの到達度を踏まえながら、
「今、何を優先して取り組むべきか」を明確にし、
段階的に力を伸ばしていくカリキュラムで指導をおこなっています。
ご家庭だけでの対策に限界を感じている場合や、
今の進め方が適切かを見直したい場合は、
以下のリンクから定期教室の詳細をご確認ください。