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「できないと、すぐにやる気をなくす」状態を改善するために③

前回から続いています。

 

お勉強がうまくいかない時に、お勉強へのやる気を無くしてしまうお子さまがいます。

 

うまくいかないことも、ねばり強くやり抜く力を身につけていけば、

その後の「成長体験」まで積ませてあげられるのに、

成長の前提となる「継続」を導けないことは、サポートするお父さま、お母さまとしても悩みのタネとなるでしょう。

 

 

お勉強でうまくいかないことがある時の「発想の転換」

 

お勉強を進めていて、何かしらの課題や「壁」に突き当たった時は、

この心構えを持っておくと、うまくいくことがあります。

 

 

それは、「お勉強の悩みは、お勉強以外から解決する」ということです。

 

 

今回あつかっている事例のように、

「お勉強がうまくいかないことで、お勉強のやる気を失っている」という場合、

 

問題となっているのは、

お勉強の内容の不適切さ(お子さまに合わない難易度や、過剰な分量)」

であることも多くあります。

(そんな場合は、お勉強の量を調整したり、簡単な内容の問題から理解の定着を目指すのが正解です。)

 

 

ところが、

取り組んでいるお勉強の内容そのものには無理がない(はず)なのに、

お子さまがお勉強を避けるようになっている場合があります。

 

これは、お勉強の内容面ではなく、

お勉強に向かう、お子さまの「気持ちの強さ」に課題があるとも言えるかもしれません。

 

 

お勉強以外のことを考えてみましょう。

 

うまくいかなかった時に、

すぐに癇癪を起こしたり、

途中で投げ出してしまったり、ということはないでしょうか。

 

 

このような反応は、就学前のお子さまならば、決して不思議なことではありません。

 

しかしながら、

逆に言えば、全ての未就学児が、上手くいかないことを投げ出してしまうわけではありません。

お子さまによっては、上手くいかないことについても、驚異的な「ねばり強さ」を発揮するお子さまがいます

 

お教室でも、パズルや積み木の問題に取り組むことがありますが、

難しい問題でも、ねばり強く取り組めるお子さまがいます。

ねばり強く取り組んでいると、最初は答えがわからなくても、試行錯誤の末に、正解までたどり着けてしまうことがあります。

 

あるいは、正解を出せなかったとしても、時間がくるまで諦めずにチャレンジするお子さまもいます。

こうしたねばり強く取り組む姿勢は、お茶の水小の「個別課題」などにおいても見られているのではないかと感じています。

 

 

上手くいかないことについて、腰を据えてじっくり取り組む力は、

お子さまの性格や気質によって差が生じるだけでなく、

これまでの生活における、チャレンジの積み重ねの差によるものでもあります。

 

 

そして、この「やり抜く力」については、

お勉強を始める年中さんや年長さんの頃から身につけることではなく、

もっと前から、意図的に身につけさせていけることでもあります。

 

 

例えば、

2歳ごろから取り組めるようになる、服や靴の着脱

年少さんごろからチャレンジしていける、箸を使った食事

といった生活の上での動作。

 

「時間がかかるから」と、親が手を貸してしまったり、

「汚してしまうから」と、箸を使わせることをためらったりしていないでしょうか。

 

 

あるいは、幼少期から、パズルやブロック遊びに取り組むことは図形感覚を高める上でも重要ですが、

これらの遊びでも「ねばり強さ」を高めることができます。

 

例えば、パズルに取り組む際も、

完成までにかかる時間が、何分までなら集中して完成させられるか、

お子さまの集中力の「限界値」を見極めて、その時間いっぱいまで付き合ってあげる、ということも大切です。

 

例えば、お子さまが一つの課題に集中できる時間の上限が15分だったら、

たとえパズルを作っては崩し、完成していたところを変えようとも、

失敗にはあえて口を出さず、見守るようにします。

そして反対に、成功したところには、何度でも「いいね」と声をかけてあげるのです。 

 

これは、ときに大人のほうが「忍耐力」を要することかもしれません。

普段、自らが、いかにインスタントに「正解」を求めようとしているのかに気づく、良い機会になるかもしれません。

 

お子さまが、同じ間違いを延々と繰り返していたら、

「こうしたら上手くいくよ」と教えてあげたくもなるでしょう。

 

ですが、こうした遊びの中で意図していきたいのは、

短時間で「完成」という成果を出すことではなく、

上手くいかなくても、ねばり強く取り組む姿勢を鍛えることです。

 

ですから、

お子さまの「集中力の限界値」を見極めた上で、

その時間内には、完成までいくようにサポートをすることも、同時に必要なことです。

 

同じように、親が手を貸しているかもしれませんが、

その際の意図の違いから、得られる結果は大きく異なります

 

 

集中力が続く限界近くまで、ひとつの物事にねばり強く取り組む経験を積み重ねることで、

必然的に、集中力を持続させる力も高まっていくのです。

 

そして、この「ねばり強さ」を鍛えるのは、

お勉強の時間ではなく、

それ以外の日常生活の時間の中にこそチャンスがある、ということをお伝えしました。

 

 

ぜひ、普段の生活の中に、お子さまの「ねばり強さ」を鍛えるチャンスがないか、探してみてください。

いたるところに、その機会はころがっているはずです。

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