小学校受験ペーパー課題「お話の内容理解」の学びはじめを、小学生の学習から考える。
国立小受験のペーパー課題で「必出」とも言える「お話の内容理解」
本日は、国立小学校受験のペーパー課題の中でも「頻出」を超えて「必出」の課題である、
「お話の内容理解」の対策についてです。
都内に6校ある国立大学付属小学校ですが、
その中で、
・筑波大学附属小学校
・東京学芸大学附属小金井小学校
・東京学芸大学附属世田谷小学校
・東京学芸大学附属大泉小学校
の4校では、試験にペーパー課題が課されます。
ペーパー課題で出題される単元は、様々にあります。
なので、受験本番に向けて対策をしていったとしても、
当日、いっさい出題されなかった、という単元も、たくさんあることでしょう。
ですが、そんな数多くのペーパー単元の中で、
唯一、圧倒的な出題率をほこっている単元があります。
それが、「お話の内容理解」です。
ペーパー課題がある学校では、必ずと言って良いほど出題されているのが「お話の内容理解」なのであれば、
ペーパー対策として最も優先度が高いのが、この「お話の内容理解」だとも言えるかもしれません。
「お話の内容理解」に強くなるために
「お話の内容理解」の対策をしようとした時に、
国立大附属小の考査の「過去問」を買ってきて取り組もう、と考えることがあります。
もちろん、「過去問」に取り組むことは、受験対策としても大切ですが、
「お話の内容理解」に強くなるために、最初に過去問に取り組むのは最適とはいえません。
なぜなら、実際の試験の問題は、かなり細かいところまで聞くような問題があり、
過去問だけの学習を進めていると、テクニカルに走ってしまう可能性があるからです。
たとえば、筑波大学附属小学校の「お話の内容理解」については、
・色
・天気
・数
・季節
・表情
など、様々な要素の質問がなされます。
もちろん、本番においては、
これらの質問に対して、意識的に記憶に留めていく必要があるのですが、
最初から「ポイントとなるような、季節や色や数が出てきたら、それを覚えておきましょう。」というスタンスで取り組むのは、あまり得策ではありません。
その理由を、「お話の内容理解」の学習が、どこに繋がるのか、について考えていきながら、説明していきます。
小学校受験の対策のための学習は、どこにつながっているのか。
小学校受験のペーパー課題の学習をしている皆様にも、ぜひ考えていただきたいのが、
「その課題の単元は、どこにつながっているのか?」という疑問についてです。
たとえば、「計数」や「一対多対応」「等分」や「包含除」といった数の課題や、
「比較の課題」における順序数の問題、
「図形構成」「図形分割」「図形の等分」といった形の学習などは、
いずれも、小学校以降の「算数」の学習の理解をするための土台になります。
また、「季節」の問題や、「常識課題」の中には、「理科」の学習につながる興味や関心を高めるためにも役立ちます。
「1音1文字」や「しりとり」といった課題、「反対言葉」や「動き言葉」についての理解をすること、
あるいはペーパー学習でなくても「口頭試問」などで自分の考えを伝えることは、
「国語」的な学習だと言えるでしょう。
では、
「お話の内容理解」の学習は、
小学校以降の学習単元としては、どの教科に、つながっていくものだと言えるでしょうか。
これは、あくまでも私個人の見解で、
私自身が「正解」・「不正解」を断じる立場にはないことを前置きした上でですが、
「お話の内容理解」についての学習は、
「国語」の読解問題、
とりわけ「物語文」「小説」の読解に、かなりつながっていくと感じています。
(大きな違いとして、「聞く」と「読む」という違いがありますが、「お話の内容を理解した上で問題に答える」という点において、両者は非常に似通っています。)
ここで、少しだけ小学校受験からそれた「未来の話」をしましょう。
近い将来、
皆様のお子さまが小学生になった後には、
「国語」の学習として、文章読解の問題に取り組みます。
それは、学校の授業において、かもしれませんし、
何かしらのテストを受ける際に、そうした問題に出くわすかもしれません。
そして最終的に、
お子さまが大学への進学を目指すのであれば、
「文章読解」には、必ず取り組むことになります。
大学受験改革が現在進行形で行われていますが、
そうであったとしても、「国語」という科目は99.9%消滅しないでしょうし、(たとえば日本の公用語が英語になる、などといった出来事があるとすれば、話は別ですが、)
「国語」という科目が存在する以上、「文章を読んで、答える」問題は、まず無くならないでしょう。
(ただでさえ、「読解力」が国際比較で落ちている、という調査結果が出ているくらいです。むしろ、より読解力を鍛えることを重視した方針に転換されたとしてもおかしくはありません。)
さて、そうなった時に、
「お話の内容理解」の学習を通して、
小学校受験の対策はもちろんのこと、
さらに、小学校へ進学した後の、国語力を高めるための準備もできていくとしたら、どうでしょうか。
単なる「受験対策」というだけではなく、
ますます意義深いお勉強の時間になっていくのではないでしょうか。
もし、この考えに同意をしていただけるのであれば、
「お話の内容理解」の学習の中に、
「国語学習」の視点を「小さじ1杯」くらい入れていくことができるでしょう。(あるいは、隠し味として「ひとつまみ」くらいの感覚でも構いません。)
さて、小学生になってからの国語学習(とくに文章読解)において、
多くのお子さまが「難解だな」と感じるのが、
文法的な課題です。
そして、この文法を軸にした文章の理解こそが、
国語の文章読解を「センス」ではなく、「理論と理屈に基づいて」進めていく上での最大のポイントのひとつになっていきます。
(具体的な例は、国語の問題を前にしないことにはイメージしづらいので、ここでは割愛して本題を急ぎましょう。)
日本語の文章の理解を考えた時に、基本となってくるのは、
ひとつひとつの「文」の骨格を抑えることです。
ここでいう、「文の骨格」というのは、
「主語」+「述語」の関係のことを指します。
日本語の文章は、
・「誰が」「どうした(うごきことば・動詞)」
・「何は」「なんだ(なまえことば・名詞)」
・「何は」「どんなだ(ようすことば・形容詞/形容動詞)」
の3タイプに大別されます。
文章を理解していく上では、
まずは、この「文の骨格」である主述の関係を理解していくことが基本中の基本です。
ところが、実際の小学校受験の問題では、
“みんながクマくんのお家に行くと、赤いエプロンをつけたクマくんのお母さんが、「あら、いらっしゃい。」といって、クマくんたちを出迎えてくれました。”
といったようなお話が出てきます。
この文の主語は「お母さんが」で、述語(の部分)は「出迎えて(くれました)」です。
しかしながら、この文について小学校受験の過去問が聞いてくるのは、
「クマくんのお母さんがつけていたエプロンの色は何色でしたか。その色で、○を塗ってください。」
となります。
クマくんのお母さんがつけていたのが「赤いエプロン」であることは、ストーリーを理解する上では、(正直なところ)特別に重要な部分ではありません。
ですが、
小学校受験の対策に特化した「お話の内容理解」の演習をすれば、
繰り返していく中で、「この色は覚えておいた方が良さそうだ」というふうに、意識をしていけるようには、なります。
子どもたちの「覚える力」というものは、素晴らしいもので、
試験直前期には、
試験対策をしている多くのお子さまが、お話の内容理解の設問の大部分を記憶に留めていくことができるようになっていきます。
ですが、
「お話の内容理解」の学習のスタート地点においては、
「誰が、どうした。」というストーリーの流れを中心に理解していくことが重要です。
そうした、ストーリーの流れを理解していけるようになった上で、
「色」「模様」「数」などの細かい部分についても、意識をしていけるようにするのが理想です。
「お話の内容理解」の設問についても、
「主語」や「述語」を聞くような問題、
具体的には、「登場人物」について聞いている問題(例えば、「すべり台で遊んでいたのは誰ですか。」など)を、まずは優先的に取り組んでいくことが良いでしょう。
「主語」「述語」の視点をもって、
「お話の内容理解」の設問を眺めてみると、
また、新たな発見があるかもしれません。
もちろん、今日お伝えしたのは、「お話の内容理解」の学びはじめに気をつけることで、
「お話を聞く上で、『色』なんて気にしなくていいですよ。」と言っているわけではありません。
「お話の内容理解」についての学習の取り組み方のポイントは、他にもいくつかありますので、
次回も「お話の内容理解」の学習について取り扱っていきたいと思います。
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2020春期・口頭試問&運動講座日 時:2020年4月11日(土) 10:00〜11:30 会 場:日本児童教育専門学校 〒169-0075 新宿区高田馬場1-32-15 対 象:新年長のみなさま 講習費:8,000円(税込) |
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2020春期・制作講座日 時:2020年4月25日(土) 10:00〜11:30 会 場:日本児童教育専門学校 〒169-0075 新宿区高田馬場1-32-15 対 象:新年長のみなさま 講習費:8,000円(税込) |
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