小学校受験のお勉強のみならず、何かを伝える(教える)ときには「タイミング」があります。
お子さまに何かを伝える(教える)ときの「最適なタイミング」とは
今回は、お子さまの学ぶ力を高めるために、
「いつ、どこまで声をかけるか」
ということについて書いていきます。
小学校受験を考えているお子さまたちは、
お教室や園だけでなく、
ご自宅でも、どんどんお勉強に取り組んでいることかと思います。
ところが、ご自宅でのお勉強に、
お母さま、お父さまが積極的に関われば関わるほど、
「なんで、これができないのだろう。」
と、お子さまがうまくできないことに対してやきもきすることも、多くなるかもしれません。
「この前、あれだけ説明をしたはずなのに。」
「何度も言ってるはずなのに。」
お子さまが、理解をできていない。うまくできない。
この前の、あの努力はなんだったのだろう……。
と、むなしさを感じたことがある、という方もいらっしゃることでしょう。
お子さまと一緒にお勉強をしていて、
うまくできないお子さまにイライラ・モヤモヤを感じてしまいがちなお父さま、お母さまは、
少し、視点と意識を変えてみてください。
当たり前のようだけど、ついつい忘れがちな、
次の原理原則を、あらためて確かめてみましょう。
『水をあげるほどに草木が育つわけではない。』
まったく水をあげなければ、植物は枯れてしまうかもしれませんが、
洪水になるほど水をあげすぎても、植物は腐ってしまいます。
同様に、人間にも、一度に受けいれられるものの「キャパ」があります。
どんなに栄養満点のフルーツがあったとしても、
食べれば食べるほど健康になるかといったら、そうではありません。
食べすぎたら、逆にお腹をこわしてしまうでしょう。
お勉強をはじめとする「学び」においても同じです。
お子さまの両手に、
伝えようとする学びを抱えられるだけの余裕があるか。
そして、そもそも、
その手が「受け取る」準備をできているか。
ここを意識しながら伝えなければ、
すべての言葉や情報は「伝えていない」のとさほど変わりません。
熱心に教えようとすればするほど、
とかく、受け手の状況が見えなくなってしまいがちなものです。
私自身も、このことは気をつけたいと、思っています。
言葉を変えて、
お子さまに対して、何かを伝えるべきタイミングかどうかの「チェックポイント」をまとめます。
お子さまに教える「タイミング」をはかる3つのチェックポイント
①お子さまが、話を聞ける状況にあるか
・お腹がすいている
・眠そうにしている
・疲れている
お子さまがそのような状況にあるときは、
何かを教えようとしても、その効果は薄いです。
むしろ、上記のようなタイミングでは、お勉強をすべきではありません。
かけた労力のわりに、あまり効果があがらず、
「できない」感覚と徒労感が増すだけだからです。
②お子さまが、「聞きたい」「知りたい」と思っているか
お子さまの中で、
「このパズルができるようになりたい」
「この問題が解けるようになりたい」
「もっと、上手にできるようになりたい」
という気持ちが高まっていることを確かめましょう。
この確認なしに、情報だけを伝えようとしても、
お子さまは、まだ「聞く準備」ができていません。
伝えた側には「言った」「伝えた」という認識だけが残りますが、
その実、言われた側は満足に聞けていないので、
伝えたことのほとんどが伝わっていません。
「話を聞く気持ちが高まっているかなんて、なかなかわからない」と思うかもしれませんが、
これを確かめる方法は、いたってシンプルです。
「○○ができるようになる方法を知りたい?」
こう、お子さまに聞くだけです。
もし、この質問への答えが「いいえ」「知りたくない」ならば、
今は、伝えたいことを伝えるタイミングではありません。
それ以上の説得も不要です。
すぐに、その提案を取り下げましょう。
あっさり引かれると、人はかえって興味を持つこともあります。
③どうしても、「今」伝えなければならないことか
これは、①②のチェックポイントとはまったく別次元の話です。
お子さまが、自己あるいは他者を傷つけてしまう危険性がある
社会規範・公衆道徳から明らかに逸脱した言動をしている、など、
お父さま、お母さまの価値観からしても「どうしてもゆずれない」ようなことについては、
伝えることをためらう必要はありません。
ただしこれは、
「何度もやっているペーパーを間違えてしまう」
といったレベルの話には当てはまらないはずです。
以上たった3つのポイントを確かめるだけで、
「伝わる」確率が、劇的に上がります。
逆に、これらのポイントをみたしていない時は、
伝えるタイミングではありません。
お子さまの取り組みが、少々うまくいっていなくとも、
効率の悪そうな試行錯誤をしていると感じても、
それも、学びの時間のひとつだと考えて、見守ることが大切です。
少しでも聞いてくれるなら、全く言わないよりもマシ?
それでも、お母さま、お父さまの中には、
「たとえ10%でも伝わるなら、伝えないよりマシなのでは?」
と思って、
少しでも伝えようと思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、そのようにしてお子さまのキャパを超える情報を伝え続けると、
お子さまが、どんどんと「聞かない」「聞けない」状態になってしまいます。
言い方を変えると、
「聞けていない」状態がスタンダードになっていってしまいます。
「わが子が、最近自分の言うことを聞かないようになってきている」
という場合、
その前の段階で、「聞けないような伝え方」を繰り返していた、という可能性もあります。
「お話があるときは、聞くとき」
当たり前のようだけど、実践するのは難しくて、
当たり前のようだけど、大切なことです。
この、当たり前のような習慣を身につけることが、
小学校受験においても、
小学校受験以降も、
お教室でのお勉強を積み重ねる際の「基礎」となります。
ぜひ、お子さまに何かを伝える(教える)際は、
お子さまが「聞ける状況」にあり、「聞きたい」という意思を持っているかを確かめて、
タイミングを見計らって、お話をするようにしてみてください。
お話の「伝わり方」の違いを、実感できるかもしれません。
お申し込み受付中の講座
〇金生先生の行動観察講座
日程:2月18日(土)9:00~10:30
3月11日(土)9:00~10:30
対象:新年長
価格:10,000円(税込)
講師:金生先生
教室:小学校受験協会四谷教室
新宿区四谷三栄町
■お申込みは、今すぐです。
行動観察講座のお申し込みページから、必要事項をご入力の上、お申し込みください。
〇絵画制作講座
日程:2月18日(土)11:00~12:20
3月11日(土)11:00~12:20
対象:新年長
価格:9,000円(税込)
講師:清水先生
教室:小学校受験協会四谷教室
新宿区四谷三栄町
■お申込みは、今すぐです。
絵画制作講座のお申し込みページから、必要事項をご入力の上、お申し込みください。