小学校受験の「模試」を活用する価値と、活用する際の留意点

単発講座、「運動講座」のお申し込み受付がスタートしています。
昨日からスタートした、5/16・5/23の「運動講座」のお申し込み受付ですが、
各日程、時間帯、着々とお申し込みのご連絡をいただいています。
「運動講座の内容は、どのような内容でしょうか。」
そんなお問い合わせもいただいてます。
今回の運動講座を企画してくださる、志道館の坂東先生にお話をうかがった、
講座の概要について、あらためてご紹介します。
今回の運動講座のテーマは「基礎体力を高める」。
基礎体力を向上させることで姿勢が良くなり、集中力が高まります。
運動講座では、様々な動きを取り入れます。
例えば、
・音に反応したダッシュ
・うつ伏せから手を使わずに立つ
・ハイハイやカエル・クマ・クモ歩き等動物を模した動き
などです。
体の使い方が上手になった子供は自信がつき、
振る舞いや顔つきも変わってきます。
そんな変化の「きっかけ」となる講座です。
運動については、
ちょっとしたコツを意識するだけで、
明らかな変化を体感することができます。
そんな「変化」をお子さま自身が実感することが、
「できる!」という自信にも繋がっていきそうです。
来月の運動講座、楽しみです。
「模試の受験は、したほうがいいですか?」
大手のお教室などが、
週末に実施する「模試」があります。
こうした「模試」について、
受験を考えている方や、迷っている方もいらっしゃることでしょう。
お教室でも、
そんな「模試」についてのご質問を、複数いただいています。
小学校受験に向けた「模試」は、
どのように活用すれば良いのでしょうか。
模試を受けることの「価値」についてまとめていきます。
模試の価値①:本番に近い緊張感を体験することができる。
模試を受ける最大のメリットは、
「模擬試験」というネーミングそのものにあります。
つまり、模試では、
・はじめての会場(場合によっては、実際の小学校を使用することも)で、
・はじめて会う先生(試験官)や、
・はじめて会うお友だち(受験者)と一緒に、
・テスト形式での問題演習に取り組むことができるということなのです。
「はじめて」づくしの環境の中で、
緊張感の中でも集中して取り組む練習になります。
模試の価値②:「テスト」までの当日の流れもシミュレーションすることができる。
模試が「練習」になるのは、
お子さまだけでなく、
会場まで付き添いをするお父さま、お母さまも同様です。
・会場に、余裕を持って到着するためには、どのくらい時間を逆算して動けば良いのか。
つまり、何時に起床し、何時に食事を摂り、何時にご自宅を出発すれば良いのか。
・トイレは、いつ、どこで済ませておけば良いのか。
・持ち物を忘れて焦るようなことはないか。
・会場に向かうまでの道中、どのように過ごすことが「適度な緊張感」を保つのに良いのか。
(「適度な緊張感」とは書いていますが、実際には「緊張を和らげる」というほうが適切かもしれません。)
・お子さまを、どのように送り出し、どのようにお迎えするのか。
などなど、
頭の中でイメージするのと、実際にやってみるのとでは違うところもあるでしょう。
「緊張感」というのは、親から子へと伝わるものです。
そのように考えたら、
本番に過剰に緊張しないように、本番を想定した経験をすることも価値があるでしょう。
模試の価値③:テスト形式での出題で、「どこが対応できなかったか」を把握する。
ご自宅で、できる問題、
お教室で、できた問題、
これらが、模試ではうまくいかない、ということもあります。
それは、慣れない環境の中で、大切な指示を聞き漏らしてしまっていたからかもしれませんし、
お子さまが、「テスト形式」の出題において対応できていない段階にあったのかもしれません。
どんなところが難しかったかな、というところを確認して、
「どうすればいいかな」という対策を立てるためにも、
模試の経験は有効にはたらきます。
模試を受ける際に、気をつけると良いこと。
上記の「価値」を考えると、
模試を受験することには、一定のメリットがあると言えそうです。
ただし、
模試を受験する上での「留意点」もあります。
以下に、模試を受ける際に気をつけると良いことを挙げます。
模試を受験する際の留意点①:得点や順位、「合格判定」などは「飾り」と心得る。
模試を受けると、
各課題について配点があり、
お子さまの得点に応じて、受験者の中での順位や、合格判定を出してくれます。
ある意味、これは中・高・大学受験における模試と同じような構成です。
(おそらく、合格判定を模試のバリューのひとつと捉えている方が多いから、というのが理由のひとつでしょう。)
ただし、
小学校受験における「合格判定」は、
中学受験以降の「得点」や「偏差値」と比べた場合、
はるかに「曖昧」なものであることを認識しておく必要があります。
一昨年、大学入試の共通テストにおいて「記述式問題」を導入しよう、という議論がありました。
ただし、「採点基準を統一することができない」ことや、
「公平な採点を実施することが難しい」ということから、
共通テストにおける記述式問題の導入は、いったん見送られています。
「模範解答(例)」が提示されている大学受験においても、そのような判断がなされているわけですが、
決して「模範解答」があるわけでもない行動観察や口頭試問において、
明確な「得点化」や「順位づけ」をすることは、それ以上に困難です。
それでも、
重要なポイントを複数あげて、
それぞれのポイントを評価項目にして評価表を作成することで、
一定の「得点」を出すことは可能です。
ただし、これは、実際の試験(本番)を実施する学校側が作成した配点や採点基準というわけではなく、
あくまでも、お教室側が設定をした配点であり、採点基準であるわけです。
つまり、これは大切なことなのですが、
模試の得点が、そのまま合否の順番になるわけではない、ということです。
小学校受験における評価は、
明確な「正解」「不正解」、「完成」「未完成」だけではなく、
「印象点」によるところも大いにあります。
いかに、客観性や公平性を持たせようとしても、
そこに、個人の主観が入ってくることは避けられません。
ここが、
小学校受験が「ご縁」の世界と呼ばれるゆえんでもあります。
模試の評価項目や得点は、
非常にわかりやすく項目化されており、
それぞれの課題において得点を出していくことは、各お教室の努力によるものではあります。
ただし、「模試で高得点を取れたら合格する」というものではなく、
あくまでも、お教室が便宜的に設定をした配点や採点であることを押さえておく必要があります。
「模試で高得点を取る」ことを目指すのは、お勉強の本筋ではない、ということを念頭に置いておくことが大切です。
模試を受験する際の留意点②:「できなかった点」をことさらにフィードバックしない
これは、①とも共通しているのですが、
模試の「得点」が、お子さまの優劣を決めるものではありません。
ですから、
模試の得点が高い・順位が上位だったから「すごいね!」というのも、
模試の得点が低い・順位が下位だったから「ダメだったね。」というのも、
どちらも、避けたい反応です。
これは、総合得点だけでなく、
課題ごとの評価についても同様です。
模試の結果を受けて、
「ペーパーはできてたけど、行動観察がよくなかったね。」
などという振り返りを親子ですることがあるかもしれませんが、
あくまでも、「その時そうだった」くらいに捉えてあげることが大切です。
「我が子は、口頭試問が苦手だ」
と、お父さまやお母さまが思うだけならば、まだしも、
「あなたは、口頭試問が苦手ね。」
とお子さまに伝えることは、
ただ単に「ぼく(わたし)、口頭試問が苦手なんだな。」という苦手意識を植え付けるだけなので、
つとめて、行わないようにしたいところです。
(これは、模試に限らず、日常の学習においても共通していることです。
「数の問題は得意だけど、図形問題が苦手だね。」とか、
「ちぎるのが上手くないね。」とか、
それを聞いて、やる気がふつふつと湧いてくる、というタイプのお子さまなら良いのですが、
多くの場合は、その「できない」状態が強化されることの方が多いです。
ネガティブ・フィードバックは、可能な限り避けるのが望ましいです。)
そして、
1回の模試の結果をもとに、
「わが子は〇〇が得意で、△△が苦手だ。」
と考えるのは早計です。
模試でうまくいかなかった箇所について、
何かしらの対策をする必要があることもありますが、
逆に、そこまで意識しなくて良いこともあります。
模試の得点などは「参考程度」にして、
深く考えすぎないのがオススメです。
模試を受験する際の留意点③:対策に悩んだら、悩みすぎる前に「相談」を。
そうは言っても、
模試の「結果」は、
普段のお教室の「評価票」などよりも、重く受け止めがちなものです。
具体的な「数字」を伴った結果なだけに、
その結果に気持ちが上がったり下がったりするのは、ごく自然なことです。
得点や順位が良ければ嬉しいですし、
結果が振るわなければ、「どうして…?」と焦ったり悩んだりするかもしれません。
悩めば、悩むほど、
余計に、不安が大きくなっていくこともあるでしょう。
ですから、
レギュラークラスの皆様は、
模試の結果についても、お困りのことがあれば、
お教室の担当講師まで、お気軽にご質問・ご相談ください。
「お教室で授業をする」だけではなく、
ご家庭での取り組みや準備についてのサポートをすることも、
お教室の果たす役割のひとつです。
お教室の皆様は、
お教室の力も「使いたおして」いただけたらと思っています。
困ったことがあれば、
どんどん、お気軽にご連絡ください。
