小学校受験に向けた取り組みにおいて大切な「気持ちの切り替え」について。
今日の都内は、とても良い天気です。
こんな日は、外に出て走りだしたくなるような気もしますが、
今日は、授業もないので、室内で、今後の講座の準備などを進める日にしています。
本日は、小学校受験をする上でも、重要になってくる、「気持ちの切り替え」について書いていきます。
これは、「小学校受験」に限らず、
ともすれば、有意義な毎日を過ごす上でも、大切なことなのではないか、と思っています。
国立小受験で要求される「切り替え」
都内の国立小学校の受験は、
事前、事後の抽選などもありますが、
お子さまが取り組む、いわゆる「本番」というのは、
1日、ないしは2日で行われます。
筑波大学附属小学校
お茶の水女子大学附属小学校
東京学芸大学附属竹早小学校
東京学芸大学附属世田谷小学校
の4校が、本番が1日で行われます。
そして、
東京学芸大学附属小金井小学校
東京学芸大学附属大泉小学校
の2校については、2日連続で、本番の会場に向かうことになります。
試験の時間は、総合すると、
1時間弱〜2時間半程度です。
その、比較的みじかい時間の中で、
ペーパー課題や個別課題があったり、
制作課題があったり、
運動をしたり、
口頭試問があったり、
と、複数の課題がつめ込まれています。(学校によっては、出題されない課題もあります。)
短時間の中で、複数の課題に取り組むわけですが、
ひとつの課題が「格別にうまくいった」としても「うまくいかなかった」としても、
次の課題は、待ってくれません。
ペーパー課題、ひとつをとってもそうです。
複数の問題が出題されるペーパー課題において、
前の問題が分からなかった、上手くできなかったからといって、
それを引きずったまま、次の問題に取り組むことになると、
目の前の問題に集中することが難しくなってしまいます。
試験において、問われるのは、つねに「今、ここ」の瞬間でしかありません。
ですから、試験本番において大切なのは、
直前にどのようなことが起こったとしても、
次の瞬間に、気持ちを切り替えていく、ということです。
「切り替え」は、日常生活から。
試験本番で「切り替え」が大切なら、
それは、日常の中から意識していくことができると良いでしょう。
それは、「お勉強をするとき」だけではなく、
たとえば、「遊んでいるとき」から「お勉強をするとき」に、
「絵本を読んでいるとき」から「お風呂に入るとき」に、
といった、
活動の変わり目で、行動をスムーズに切り替えることができるか、ということもポイントになってくるでしょう。
たとえ、真剣に折り紙を折っていたとしても、
「ご飯の時間」がきたら、途中でもやめにして、ご飯の準備をする。
こういった切り替えができることは、
お子さまにとっては、とても立派なことですし、すごいことです。
そういった切り替えができることに対して、
「すぐに切り替えてくれてありがとう」などと気持ちを伝えることで、
お子さまも、「気持ちや行動を切り替えること」の大切さを、認識していくことができるでしょう。
「うまくいかなかった時」も、行動を切り替える。
たとえば、お子さまが、
何かに取り組んでいて、それが上手くいかなかった、
などということも、あるでしょう。
やろうとしたことが上手くいかなかったら、
悔しさから、泣いてしまうことだって、あるかもしれません。
それでも、次には「ご飯の時間」がありますよ、ということだったり、
お出かけをしなければなりません、ということはあるでしょう。
そんな時は、気持ちが落ち着いていなくても、次の行動を促していきます。
そうすることで、
上手くいかなかった時、嫌なことがあった時も、
次の行動を進めていく中で、気持ちが変化していくことを、体験的に学んでいくことができます。
お子さまが、悲しい思いや、つらい思いをした時、
その思いに寄り添うことも、とても大切です。
ですが、その「悲しい気持ち」に、ずっと寄り添っているばかりだと、
そこからの「立ち直り」のきっかけを作りかねてしまうことがあります。
「悲しい」「悔しい」「つらい」といった、ネガティブな感情は、
それを、いちど受け止めて、寄り添ったあとは、
また違った、次の活動へと促していくことが大切です。
他のことをやりだしたら、
先ほどの気持ちも、いつの間にか変化していくものです。
気持ちを「切り替える」メンタルの力は、心の筋肉である。
気持ちを切り替えて、次に進むことができるのは、
ひとつの「能力」とも言えるでしょう。
そして、その「能力」は、
経験によって、徐々に、身につけていくことができます。
気持ちを切り替えるメンタルの力が「心の筋肉」であれば、
「切り替え」を意識して日々を過ごしていくことは、「心の筋トレ」であるとも言えるでしょう。
「筋肉」ですから、
鍛えなければ、その力は弱いままであるのに対して、
鍛えることで、その力はついていきます。
何かに取り組んだ、
上手くいかなかった。
そんな、一見「失敗」に見える瞬間も、
そこから気持ちを切り替えることができた、という、
ひとつの「成功」のチャンスを提供しているのです。
そうやって考えると、
上手くいかないことや、表面上の「失敗」についても、
また、違った側面から、「価値」を感じることができるかもしれませんね。
お子さまの「気持ちの切り替え」の前に
先ほど、
試験において問われるのは、つねに「今、ここ」の瞬間だと、書きました。
しかし、それは、
「試験」という、限定された場のことではなく、
ひょっとしたら「人生」そのものにも、共通して言えることなのかもしれません。
そのように考えたら、
お子さまが「気持ちを切り替えること」を学ぶ上で、
いちばん身近な先生となるのは、
一緒に暮らしている、お父さま、お母さまなのかもしれません。
大人は、子どもとは違って、自分の機嫌を、自分でとっていく必要があります。
ですから、「心の筋トレ」も、お子さまのそれと比べたら、より高いレベルが求められるでしょう。
ですが、そんな身近な大人の姿から、
子どもたちも、何かを学び取っているはずです。
たとえば、お子さまが何かで失敗した。
叱られるような悪いことをした。
こうした時、
もちろん、叱るべきは叱り、フォローの言葉をかける時はかけるという「初動」は重要ですが、
そこから、いち早く気持ちを切り替えて、「次の瞬間」に向かえるようにするのが、
お父さま、お母さまにとっての「心の筋トレ」でもあるかもしれません。
お子さまの「失敗」に、長い時間、気分を落としたり、
お子さまも忘れていたようなことを、わざわざ思い起こさせるような話をすることは、
できる限り、しないようにと心がけたいものです。
上手くいかない、
言うことを聞いてくれない、
いつまで経っても変わらない、
そんなふうに感じることも、あるかもしれません。
そういった出来事と向き合いながら、「心を鍛える」ことが、
大人の側のテーマなのかな、とも思います。
もちろん、大人だって、失敗します。
上手くいかないことだって、もちろんあります。
だからこそ、
そこからの「切り替え」を意識してみることができたら、
小学校受験に向けた取り組みが、
お子さまと一緒に、ご家族でも成長をしていくことができる、
そんな、貴重な期間になっていくはずです。
私は、いつも皆様と一緒にいることはできませんが、
受験を目指した、皆様の取り組みを、
心から、応援しております。