ご家庭でできる「行動観察」への対策として
少し、涼しくなってきましたね。
暑さに体力を削られる日が続いてきた身としては、
気温がおだやかになってきたのは、ありがたい限りです。
体力的にもゆとりができて、「もうひとふんばり」できそうな気がします。
でも、やはり夜更かしは禁物ですね。
早めに寝て、明日の朝にそなえましょう。
小学校受験の行動観察課題の対策で、自宅でできないことはないか。
行動観察については、「お教室での立ち居振る舞い」や「お友達とのやりとり」であることを考えると、
やはり、「場慣れ」「人慣れ」「課題慣れ」が重要なところになるとは思います。
それだけに、お教室の果たすべき役割も、大きいように感じます。
ですが、「お教室はお教室」として、
「お家でも、何かできる対策はないの?」と、思う方も多いことでしょう。
やはり、日常の生活の中で、気をつけることの積み重ねは、
大きく、役に立っていきます。
そういったことを考えたら、
ご自宅の中でもできる「行動観察」対策につながる視点を持っておくことも、
意義があることでしょう。
そんな、「行動観察」対策につながる視点のひとつ。
本日は、「指示行動」についてです。
国立小学校受験の課題は、ひたすら「指示行動」です。
まず大前提として、
そもそも、調査を実施している国立小学校の先生方が、
「ここからは、行動観察の課題をしよう」などと、課題を区別しながら調査を実施しているのか、という点はありますが、
(「行動観察」「口頭試問」などとカテゴリー分けをしているのは、むしろお教室側の分類です。)
そこについては、今回は触れないこととして、
「行動観察」という視点で言うと、
国立小受験においては、
校門をくぐってから、出るまでの一連の行動が、「行動観察」の対象であるとも言えます。
その上で、重要なポイントは、
試験本番中は、行動についての「指示」や「お約束」が出される、ということです。
たとえば、
「座って、静かに待っていてください。」もしかり、
「他の人が運動するときは、応援をしてください。」もしかり、
「番号が呼ばれたら、呼ばれた方に移動してお話をしてください。」もしかり。
どのように行動すれば良いかは、事前に、口頭での指示がされることがほとんどです。
その場合、
指示を「よく聞いて」、
指示の内容を「記憶にとどめて」
出された指示を「守る」ことが大切です。
指示を聞けていない人、
言われたことを忘れてしまう人、
言われたことを守れない人は、
注意の対象となります。
ペーパー、制作、運動などの課題の出来、不出来が合否を決定づけることはないようですが、
行動面で、注意を受けてしまった場合は、
「残念ながら……」となってしまうようです。
そのように考えた場合、
ご自宅で過ごしているときも、
何かしらの「お約束」をしてみる。
その「お約束」を、覚えていて、正しく守れるかどうかも、意識してみる。
ことが大切です。
たとえば、お家で遊んでいる時、
「あと10分で、遊びの時間は終了でお片付けをしてね。」
と約束したのであれば、
時間が来た時に、たとえ、もう少し遊びたくても、気持ちを切り替えてお片付けができる。
このようなことができるのは、受験の指示行動の上で、非常に重要です。
何かに熱中していたとしても、
お約束をしたことを覚えていて、その通りに行動できた時は、
「よくお約束を覚えていたね。」
などと、伝えていけると良いでしょう。
最初は、うまくできないかもしれません。
(ついつい、遊ぶことを続けてしまうこと。「嫌だ、もっと遊びたい。」と自分の気持ちを優先してしまうことは、よくある普通のことです。)
ですが、
こんな、「少し先のことをお約束してみる」こと、
そして、そのお約束を守ろうとすることについては、
繰り返し、繰り返し、取り組んでみてください。
また、小学校受験における「指示」は、
一度に複数の指示が出されることが、ままあります。
たとえば、
「ペーパーに取り組む際のお約束を3つ伝えます。
ひとつめ、「初め」と「やめ」の合図を守ります。
ふたつめ、隣を見ずにおこないます。
みっつめ、間違えたときは、「×」をつけて直すお約束です。」
というお約束は、お教室に参加している皆様なら「おなじみ」でしょうが、
このように、いくつかのお約束が、続けて出されます。
複数の指示や、お約束を、
覚えておきながら、お約束通りに取り組むことが大切です。
ですから、
「ご飯が終わったら、お皿は台所に持っていって、水をかけるようにしてね。そのあとはバスタオルを着替えを持ってきて、お風呂に入ります。お風呂から上がったあとは、着替えと歯磨きをして、好きな本を持ってきてお布団の部屋に行っててね。」
と、複数の指示を、一度に伝えてみるようなこともおこなってみて下さい。
(もっとも、上記の例は、日常生活の「ルーティン」となっていることが多いため指示行動にはできないかもしれませんが。)
ただし、ご家庭での行動観察練習は、「ゆるやかに」
ご家庭でも取り組める、行動観察につながる「指示行動の練習」について、ご紹介しましたが、
気をつけてほしいことがあります。
それは、ご自宅での指示行動練習については、
「ゆるやかに」おこなう、ということです。
特に、年長さんのお子さまは、これから、
意識せずとも、ストレスやプレッシャーがかかりやすい時期になってきます。
そんな中で、
ご家庭こそ、最大の「憩いの場」であることは、
どうか、忘れないでください。
お教室や、他のお勉強で、
集中力を使い切っている場合も、あると思います。
ですから、
お子さまの状態を、よく見極めて、
「休むべき時は、休む」
ということも、大切にしていただけたらと思っております。
また、上記の「指示行動練習」をやるときも、
「しっかりしなくてはいけない」とプレッシャーをかけるのではなく、
「これ、難しいけどできるかな〜?」
くらいの、ゲーム感覚で提示をしてみて、
そこで、お子さまが乗ってきたなら、くらいの感覚で、取り組んでみてください。
「上手にやること」も良いですが、
それよりも、
「楽しくやること」を、大切にしながら、
ご家庭でのお勉強も、前向きに進めていきましょう。