「姿勢を整える」ために必要な力の身につけ方
今回は、「姿勢を整える力」について、書いていきます。
お教室で、保護者の皆様からいただくご質問(ご相談)のなかで、多くあるもののひとつとして、
「(授業中、わが子の)姿勢が崩れているのが気がかりです。」
といったご相談があります。
今まさに書いた通りで、
お子さまの「姿勢」について心配されている方は、決して少数ではありませんから、
時に姿勢が崩れてしまうのも「ごく自然なこと」ではあります。
だからと言って、
小学校受験を目指す上では、「そのままにしておいても良い」ということでもないでしょうから、
自然と、座った時、立った時の「姿勢」が整えられるようになることを、目指していきたいものです。
まず、大前提として、
「椅子に座った時」「床に座る時」「立つ時」の正しい姿勢を、お子さまが認識している、というところがスタートラインとなります。
「椅子に座る姿勢」は、
・背筋をピン!とのばす
・手はおひざの上に置く
・おひざとおひざは仲良しにする(脚を閉じる)
・足の裏が床につく場合は、つける。(つかない場合も、足をブラブラさせない)
「床に座る姿勢(=体操座り)」は
・おひざとおひざを仲良しにする
・両腕でおひざをかかえる
・おへその位置を高くする意識で背筋が伸びる
・足の裏は床にくっつける
「立つ姿勢(=きをつけ)」は、
・両腕は身体の横
・腕、指先を真っ直ぐに伸ばす。
・両脚をくっつける
という姿勢を、「知識として知っている」こと。
そして、「正しい姿勢をしてください」と言われた時に、姿勢を整えることができる、ということを前提にしたいと思います。
(意外と、「きをつけ」の姿勢が難しいようです。)
「言われたらできる」のに……。
授業中でも、「今、姿勢はどうするのがいいですか?」という質問や、
「(姿勢が良いお子さまについて)素敵な姿勢で座れていますね。」というお話をすると、
姿勢について意識を向けて、背筋を伸ばすことができるお子さまは、たくさんいます。
むしろ、それができるお子さまが大半ではないでしょうか。
ですが、
気がついた時には、姿勢が崩れてしまっている、ということも、
また、よくある光景でもあります。
これは、「姿勢を整える意識が薄れてしまっているからだ」と感じるかもしれません。
確かに、意識すれば姿勢を整えられるのですから、
姿勢が崩れている時には、「姿勢」についての意識がなくなってしまっているのは事実でしょう。
ですが、現実的な話として、
実際のお勉強をする時(つまり、ペーパーの設問を聞いたり、制作の工程を聞いている時など)には、
「姿勢を整える」ということに意識を分けておくこと自体が、なかなか難しいです。
逆に、姿勢について意識を向け続けながら、
設問の内容を理解することや、正しくスピーディーに作業をすることは、
「無理難題」だと言えるかもしれません。
そう考えると、
「姿勢を整える」ということについては、
最終的には、半ば無意識のレベルでできるようにすることを目指す必要があります。
つまり、日常生活の中から、「姿勢」の意識を繰り返し、習慣化レベルまで落とし込むことが大切なのです。
そうすることで、
「いつもの座り方」が、背筋をピン!と伸ばした良い姿勢の座り方になっていきます。
そして、
長時間、背筋を伸ばして座っていられるためには、
「意志の力」というよりも、
姿勢を維持する筋力が身についている必要があります。
特に、背面の筋肉を中心とした体幹部で、姿勢を整えるだけの筋力が発達する必要があります。
だからと言って、
特別な「筋トレ」をする必要まではありません。
日常的に、お外で走り回って遊んだり、
公園の「ジャングルジム」「うんてい」「鉄棒」などの遊具で、身体のバランスを取ろうとするだけでも、
自然と、姿勢を支える体幹の力が身についてきます。
ご自宅で、ペーパー学習に取り組む一方で、
ぜひ、そうした身体を使った遊びにも、取り組んでみてください。
今週末の定期教室の年長クラスでは、
運動課題のうちのひとつ、「ケンパー」にも取り組む予定です。
外遊びは、運動課題の上達にも有効ですので、
暑さ対策に気をつけながら、ぜひ、遊んでみてください。