「かぞえる」問題に正答するためのステップ③
今日は、国立小学校受験 定期教室でした。
回を追うごとに、「お話を聞く」姿勢が、どんどんとステキになってきていたり、
素晴らしい「はい」のお返事ができていたりと、たくさん、成長を実感しました。
お教室に来るたびに、どんどん成長していくお子さまたちと、楽しいお勉強の時間をご一緒できることに、心から、感謝しております。
さて、今回も、前回に引き続き、「かぞえる(計数)」問題に正答するためのステップについてご紹介します。
設問の意味を聞いて、正しく理解して、
描かれているものの数を、もれなく、重複なく数えられた、
その次のステップが、今日のテーマです。
計数問題のステップ③:かぞえた数と同じだけの○を書く。
計数の問題では、絵のものを数えた後に、「その数だけ、下のお部屋に○をかく」といった作業があります。
(○以外にも、△や×をかく場合や、マス目やおはじきの絵に○をつける場合もあるでしょう。)
絵に描かれているものの数を、正しく数えられていたようなのに、
お部屋に○をかく段階で、
「○○○○○○……」と、延々と○を書き続けてしまう、
といった現象を、目の当たりにしたことがあるかもしれません。
この原因として考えられるのは、
「設問を、正しく理解できていなかった(あるいは、忘れてしまった)」という可能性と
「かぞえた数が、いくつだったか忘れてしまった」という可能性の、
大きく2つがあります。
前者については、ステップ①で確認した、「問題の内容を説明してもらう」方法で、確認と対策ができるので、
今回は、後者の「かぞえた数を忘れてしまう」という場合について、考えていきたいと思います。
「かぞえた数を忘れてしまう」という場合の対処法
せっかく、いくつあるかを数えたはずなのに、その数を忘れてしまったら、
何回かぞえても、答えまでたどり着かない、ということになります。
かぞえた数の分だけ、正確に○をかくことができるようにするためには、反対に、
「かぞえた数を、一時的に記憶にとどめる」ことができている必要があるのです。
かぞえた数を、記憶しておく(意識を高める)ためには、日常の「かぞえる」お勉強の中で、ちょっとした工夫が必要です。
かぞえた数を記憶に止めるための工夫を、2つ、ご紹介します。
「かぞえた数を、一時的に記憶にとどめる」ための工夫①かぞえた数を「いくつだった?」と聞くときに、少し時間をあける
ペーパーでも、具体物でも構いません。
例えば、「りんごはいくつありますか?」と問題を出して、4つのリンゴを、かぞえてもらったとします。
かぞえ終わったときに、間髪いれずに、「いくつだった?」と聞くと(あるいは、聞いていなくても)、
「1、2、3、4、4つ!」といったリズムで、お返事が返ってきます。
これでは、数を、一時的に記憶にとどめるためのトレーニングにはなりません。
「いくつあるか、後で聞くから、かぞえてもまだ言わないでね」と前置きをしておいて、
「1、2、3、4」とかぞえてもらった後、
「じゃあ、いくつあったか聞くから教えてね。(少しの間)りんごは、いくつでしたか?」と聞くようにします。
こうすることで、
お子さまは、かぞえた「4つ」を、答えるまでの間、覚えておこう、とします。
かぞえてから、「いくつ」を答えるまでは、5〜10秒くらいの間があれば十分です。
答えるまで、少し時間をあけて答えてもらうことで、かぞえた数を覚えておく意識は、どんどん向上していきます。
「かぞえた数を、一時的に記憶にとどめる」ための工夫②かぞえ直せないものについて数える
数を、しっかり記憶する意識を高めるための方法、ふたつめは、
「目の前に、かぞえるものが残らないものを数える」という方法です。
ペーパーに描かれている絵であったり、目の前にある具体物だと、
「いくつだったか分からなくなってしまった」としても、もう一度、数えなおすことが可能です。
ですが、「もう一度、かぞえ直すことができない」ようなものもあります。
具体例をあげたほうがわかりやすいですね。
それは例えば、
・手を叩いた音
や
・目の前を通り過ぎるもの(例えば、道路を走る車や、電車の車両など)
といったものです。
これらは、数えたそばから消えてしまうので、「一回で、しっかりと数えて、数を覚えてないといけない」という意識が、より強く働きます。
上記の①と②を組み合わせたトレーニングとして
「音の計数」という方法があります。
「何回、手を叩いたか数えて、答えてください。」
(パン・パン・パン・パン・パン、少しの間)「いくつ叩きましたか?」
といったように、数える問題をゲーム感覚でおこなうことで、
ペーパー問題とは違った角度から、「数える」力を身につけることができていきます。
「数える(計数)」問題について、3つのステップに分けて「つまずきポイント」をご紹介しました。
1日で、全てをマスターすることはできなくても、つまずいているポイントを意識しながら演習を繰り返すことで、より、スムーズに学びを身につけることができるはずです。
ぜひ、「どこでつまずいているか」についても確認しながら、
ご家庭での学習も、無理なく進めていってください。