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「かぞえる」問題に正答するためのステップ②

前回に引き続き、「かぞえる(計数)」問題について、取り上げていきたいと思います。

 

今回は、「かぞえる」という作業のメインの部分です。

数える作業をうまくできることが、計数の問題を解くための「キモ」となります。

 

「ただ数えればいいんでしょう?」とあなどることなかれ。

実は、同じ「かぞえる」にも、レベルがあります

 

以下、「かぞえる」作業をレベル別に紹介していきます。

 

「かぞえる」レベル1〜指と、目と、声を連動させて〜

かぞえる作業のレベル1は、

「指をさして、声を出しながら」かぞえる作業です。

おそらく、最初に「かぞえる」問題に取り組む時は、指と、声を使っていることかと思います。

 

指と、声を使う数え方をする時に、注意して、見ていただきたいことがあります。

 

それは、

指の動きと、声のタイミングが一致しているかです。

 

指をさしながら、「1から順に数を数え上げる」だけだと、

指の動きと、声が微妙にずれていくといった現象が起こります。

そうすると、かぞえるものの数と、実際に数えた数が、違っている、といったことになります。

 

数字を数え上げるだけの時、

それぞれの数字が、「いくつ」という数(集合数)と認識されていない場合があります。

ひとつ一つの数字と、数えるものを、ひとつずつ対応させていくことが重要です。

 

最初は、ゆっくりでも構いません。

指をさして、ひとつものを示しながら、「1」、

また、次のものを指差しながら「2」、

と、順番に数えるようにしましょう。

 

 

 

動かすことができる具体物を数える時は、

ものを、動かしながら数える、ということをすることでも、

数字と物の一対一の対応が、できるようになっていきます。

(例えば、箱からリンゴを出す・入れる作業と合わせて数える。おはじきを指で少しずらしながら数える、といった風にです。)

 

この時も、同じように、物を動かしている手の動きと、声がリンクしているかを、注意して見てみてください。

 

 

また、数えるものも、

最初は、「横一列」や「縦一列」に、並んでいる状態にして数えるようにします。

必ず、「左端(右端)から」や「上(下)から」という風に、端から順番に、飛ばさずに数えるくせをつけていきましょう。

慣れてきたら、横一列を少し歪ませたり、バラバラに置いてみて、数えるようにします。

 

 

ペーパー問題での「かぞえる」の場合

ペーパーに描かれた物を数える場合も、最初は、指さしと声を合わせて数えます。

指さしの代わりに、鉛筆やクーピーで「チェック(あるいは斜線)」をつけながら数える、というのでも構いません。

 

ペーパーに描かれている物についても、「左から」などルールを決めて、数えていくようにしましょう。

 

 

指と声を連動させて数えることがうまくできるようになったら、次のレベルに進みます。

 

 

「かぞえる」レベル2〜目と、声を連動させて〜

かぞえる作業のレベル2では、「指を使わない」というルールで数えてみます。

より具体的には、「手をおひざ」にしたままで数える、というお約束です。

 

目を使って、数えるものを正しく「見る」ことができているかが、カギになってきます。

指を使わないで数えることで、「見る」ことに集中する意識が身につきます。

 

声に合わせて、目がリズムよく動いているかどうかを、確認してみてください。

むしろ、お顔ごと、それぞれの物に向かって小刻みに動くようになっても良いでしょう。

 

また、数える時は、レベル1の時と同様「左から」などお約束を決めて、順番に数えるようにします。

 

 

「かぞえる」レベル3〜声を出さずに数える〜

かぞえる作業のレベル3は、「声を出さないで」数える方法です。

声を出しませんが、心の中で「1、2、3、……」と、数えるようにします。

 

声を出さないのが、ペーパー課題における「数える」では、必要なレベルになります。

なぜなら、ペーパーに回答する際は、「お話しない」のが基本的なお約束だからです。

 

声を出さずに正しく数えられるようになれば、「数える」課題はほぼマスターできているはずです。

 

 

 

いきなり、高いレベルからやらない。

「かぞえる」作業のレベルを、3つに分けてご紹介しましたが、

ここで注意したいのは、一気に、上のレベルでやろうとしないということです。

 

なぜなら、いきなりレベル3の「声を出さずに数える」で行なった場合、

数え間違いをしてしまっても、それが、「数える」という作業のミスによるものなのか、それとも、「数える」作業の前後のミスによるものなのか(詳しくは、前回の記事と次回の記事でまとめます)がハッキリしないからです。

 

まずは、ものを指している指の動きと、声がリンクしていることを、しっかりできているかを確認するといいと思います。

そして、もしレベル3のやり方に進んでも、うまくできないようであれば、前のレベルに戻して(つまり声を出して)数えてみることで、「数える」という作業そのものはできているかどうかを、確認してみると良いと思います。

 

 

数える数については、最初は、5つくらいまでの数を。

徐々に、10くらいまでの物を数えるようにして、

最終的に、15個くらいまでの物を、正確に数えられるようになれば良いと思います。

 

数え方のレベルだけでなく、数えるものの数が増えるほどに、当然ながら難易度は上がります。

 

 

お子さまが、今、どのレベルで数えられて、いくつくらいまでなら数えられるかという、「現在地」を把握しながら、日々の学習をサポートしていっていただければと思います。

 

現在地が判っていることで、そこからのお子さまの成長が、小さなレベルでも、掴めるようになります。

ぜひ、ちょっとしたステップアップを、親子で実感して、成長を確認しながら、お勉強を積み上げていただけたらと、思っています。

 

 

「かぞえる」作業がうまくできても、計数のペーパー課題は、そこで終わりではありません。

次回も、「かぞえる」問題を、正しく回答するためのステップについて、ご紹介していきます。

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