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「かぞえる」問題に正答するためのステップ①

昨日は、年長さんとの授業をしました。

 

新年度が、もうすぐそこまできています。

4月になったら、小学校に行ったり、新しいクラスになったり、楽しいことがたくさんです。

 

同時にこの季節は、幼稚園で一緒にお勉強できるのが、残り少なくもなる時期でもあります。

「もう、あと何回しか、一緒にお勉強できる機会がないんだね。」
とお話すると、
「もっと一緒にお勉強したい。」
と言ってくれるお子さまがいたりします。

講師として、これほど嬉しいことはありません。

ですが、子どもたちには、もっともっとワクワクする、次の学びの場が、きっと待っています。

小学校で、新しい学びをしていく上で、必要な姿勢(それは、身体的な姿勢だけでなく、心がまえや考え方などもふくめて)を、少しでも、たくさんお伝えしていきたいと思って、授業を企画しています。

 

11月で終わりを迎える受験のための定期教室でも、その思いは変わりません。

 

 

さて、今日は、先日いただいた、こんなご質問について、考えていきたいと思います。

数をかぞえることが、うまくいきません。

1から順番に数えて、20まで数えることができているのに、
「りんごはいくつありますか?」という問題になると、
「1、2、3、4」と数えて、
「2つ!」と答えてしまいます
数えることと、答えが一致しないということがあるのですが、どのように教えていけばよいでしょうか?

「数をかぞえる(計数)」問題は、受験では基本問題にあたります。

実際のペーパー問題で、たびたび出題される学校もあります。
また、仮に「かぞえる」という形式の問題がなさそうでも、代わりに出題されている問題は、数える力がついていないと回答が難しい、と言っても差し支えないでしょう。

 

なぜなら、「ものの数をかぞえる」という課題に正答するためには、
じつは、いくつかのステップで、それぞれの力を複合させることが必要だからなのです。

 

今回から複数回にわけて、「かぞえる(計数)」問題について、どのようなステップで正解にたどり着くかを、「因数分解」してみたいと思います。

 

正しい答えにたどり着かない、ということであれば、正解するためのステップの、どこかひとつ、あるいは複数で、つまずいているはずです。

日常の学習でも、正答できない問題の、どこに原因があるか、を確認していくことで、より的確に弱点を克服していくことができるはずです。

 

計数問題のステップ①:設問を「聞く」

計数にかぎらず、すべてのペーパー課題、そして、制作や行動観察においても、同様に必要な手順は、
「説明を、正しく聞いて理解する」
ということです。

 

小学校以降の学習では、設問は、ペーパーに書いてあることが基本です。
ですから、問題の意味がよく分からなかった時は、少し前に戻って、問題を読みなおすこともできます。

 

ですが、小学校受験における問題は、すべて口頭の指示で行われます。

そして、その指示は、基本的に1回しかなされません。
英語のリスニングなら、2回同じ文章が読まれますが、小学校受験のペーパーの指示は、たったの1回です。聞き返すこともできません。

 

設問を、正しく聞けていなければ、
「何をやればいいか分からない」となります。
そうなると、正答できる可能性は、かなり低くなってしまいます。

 

問題に正答していない時も、まずは、問題を、「聞けているか」を確認すると良いでしょう。

 

1対1のご家庭での学習では、「聞いているかどうか」は、すぐにわかると思います。

もし、「ご家庭での学習では、正しく答えられているのに、講習会や模試などで、なぜか正解できない。」というような現象があった場合は、

「設問を聞けていなかった(聞いていなかった)」ことが原因のひとつである可能性があります。

 

お話を聞く姿勢は整っているようであれば、聞いた内容を「理解できているか」を確認します。

 

「聞いた内容を理解できているか」を確かめる方法は、シンプルです。

伝えたばかりの設問について、「どうやって答えればいいの?」と聞いてみることです。

お子さまが、つたない言い回しでも、正しい内容を伝えることができれば、内容は理解できている、ということになります。

 

反対に、「どういう問題なのか」を尋ねた時に、まったくチンプンカンプンな説明や、「わからない」となる場合は、設問の理解ができていない可能性があります。

 

問題の内容を理解できていないようであれば、「数える」という作業を、お母さまや、お父さまが言葉の説明とあわせて実演してみることで、理解が深まっていくでしょう。

計数の問題においては、「いくつ」という言葉の意味を理解している必要があります。

 

設問を聞いて理解する力をつけるためのトレーニングを3つ、ご紹介します。

・「お話の内容理解」の問題に取り組む

「聞く」力をつけるための習慣です。

 

・該当の分野について、実演をしながら理解を深める

お教室での学習は、ここをおこなっています。ですが、ご家庭での「繰り返し」の復習が、より理解を定着させていくことになるかもしれません。

 

・勉強した内容について、お子さまに(先生になってもらって)説明してもらう

お子さまが、自分の言葉で説明をしようとすることで、必要な表現を、強く意識することができます。また、「先生」の役をやってもらうことは、お勉強についての自信や、自尊心を高めることにもなるでしょう。

 

 

次回も、引き続き、「計数」の問題を例に、問題に正解するためのステップを説明します。

次回は、実際に「ものを数える」という作業について、レベル別の「数え方」をご紹介します。

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