【小学校受験】「数をかぞえる」問題でミスをなくす教え方|計数を3つのステップで徹底解説

小学校受験のペーパー課題において、最も基本的でありながら、実は多くの落とし穴が潜んでいるのが「計数(数をかぞえる)」問題です。
「20まで正しく数え上げられるのに、問題になると答えがズレてしまう」
「数えながら、途中でいくつだったか忘れてしまう」
このようなご相談をよくいただきます。
一見「ただ数えるだけ」に見えるこの課題ですが、
「ものの数をかぞえる」という課題に正答するためには、
じつは、いくつかのステップで、それぞれの力を複合させることが必要です。
正しい答えにたどり着かない、ということであれば、正解するためのステップの、どこかひとつ、あるいは複数で、つまずいているはずです。
どこでつまずいているのかが分かれば、対策は驚くほどシンプルです。
今回は、計数問題を3つのステップに分解し、
それぞれの弱点を克服するための具体的なトレーニング方法を解説します。
※他の単元の解き方や、ペーパー対策の全体像を知りたい方は、こちらの【ペーパー対策完全ガイド】もあわせてご覧ください。
計数問題のステップ①:設問を「聞く」
計数にかぎらず、すべてのペーパー課題、そして、制作や行動観察においても、同様に必要な手順は、
「説明を、正しく聞いて理解する」
ということです。
小学校以降の学習では、設問は、ペーパーに書いてあることが基本です。
ですから、問題の意味がよく分からなかった時は、少し前に戻って、問題を読みなおすこともできます。
ですが、小学校受験における問題は、すべて口頭の指示で行われます。
そして、その指示は、基本的に1回しかなされません。
英語のリスニングなら、2回同じ文章が読まれますが、小学校受験のペーパーの指示は、たったの1回です。聞き返すこともできません。
設問を、正しく聞けていなければ、
「何をやればいいか分からない」となります。
そうなると、正答できる可能性は、かなり低くなってしまいます。
問題に正答していない時も、まずは、問題を、「聞けているか」を確認すると良いでしょう。
1対1のご家庭での学習では、「聞いているかどうか」は、すぐにわかると思います。
もし、「ご家庭での学習では、正しく答えられているのに、講習会や模試などで、なぜか正解できない。」というような現象があった場合は、
「設問を聞けていなかった(聞いていなかった)」ことが原因のひとつである可能性があります。
お話を聞く姿勢は整っているようであれば、聞いた内容を「理解できているか」を確認します。
「聞いた内容を理解できているか」を確かめる方法は、シンプルです。
伝えたばかりの設問について、「どうやって答えればいいの?」と聞いてみることです。
お子さまが、つたない言い回しでも、正しい内容を伝えることができれば、内容は理解できている、ということになります。
反対に、「どういう問題なのか」を尋ねた時に、まったくチンプンカンプンな説明や、「わからない」となる場合は、設問の理解ができていない可能性があります。
問題の内容を理解できていないようであれば、「数える」という作業を、お母さまや、お父さまが言葉の説明とあわせて実演してみることで、理解が深まっていくでしょう。
計数の問題においては、「いくつ」という言葉の意味を理解している必要があります。
設問を聞いて理解する力をつけるためのトレーニングを3つ、ご紹介します。
・「お話の内容理解」の問題に取り組む
「聞く」力をつけるための習慣です。
・該当の分野について、実演をしながら理解を深める
お教室での学習は、ここをおこなっています。ですが、ご家庭での「繰り返し」の復習が、より理解を定着させていくことになるかもしれません。
・勉強した内容について、お子さまに(先生になってもらって)説明してもらう
お子さまが、自分の言葉で説明をしようとすることで、必要な表現を、強く意識することができます。また、「先生」の役をやってもらうことは、お勉強についての自信や、自尊心を高めることにもなるでしょう。
計数問題のステップ②:正しく「数える」
ここが、「数える」という作業のメインの部分です。
数える作業をうまくできることが、計数の問題を解くための「キモ」となります。
「ただ数えればいいんでしょう?」とあなどることなかれ。
実は、同じ「数える」にも、レベルがあります。
以下、「数える」作業をレベル別に紹介していきます。
「数える」レベル1〜指と、目と、声を連動させて〜
数える作業のレベル1は、
「指をさして、声を出しながら」かぞえる作業です。
おそらく、最初に「数える」問題に取り組む時は、指と、声を使っていることかと思います。
指と、声を使う数え方をする時に、注意して、見ていただきたいことがあります。
それは、
指の動きと、声のタイミングが一致しているかです。
指をさしながら、「1から順に数を数え上げる」だけだと、
指の動きと、声が微妙にずれていくといった現象が起こります。
そうすると、数えるものの数と、実際に数えた数が、違っている、といったことになります。
数字を数え上げるだけの時、
それぞれの数字が、「いくつ」という数(集合数)と認識されていない場合があります。
ひとつ一つの数字と、数えるものを、ひとつずつ対応させていくことが重要です。
最初は、ゆっくりでも構いません。
指をさして、ひとつものを示しながら、「1」、
また、次のものを指差しながら「2」、
と、順番に数えるようにしましょう。
動かすことができる具体物を数える時は、
ものを、動かしながら数える、ということをすることでも、
数字と物の一対一の対応が、できるようになっていきます。
(例えば、箱からリンゴを出す・入れる作業と合わせて数える。おはじきを指で少しずらしながら数える、といった風にです。)
この時も、同じように、物を動かしている手の動きと、声がリンクしているかを、注意して見てみてください。
また、数えるものも、
最初は、「横一列」や「縦一列」に、並んでいる状態にして数えるようにします。
必ず、「左端(右端)から」や「上(下)から」という風に、端から順番に、飛ばさずに数える癖をつけていきましょう。
慣れてきたら、横一列を少し歪ませたり、バラバラに置いてみて、数えるようにします。
ペーパー問題での「数える」の場合
ペーパーに描かれた物を数える場合も、最初は、指さしと声を合わせて数えます。
指さしの代わりに、鉛筆やクーピーで「チェック(あるいは斜線)」をつけながら数える、というのでも構いません。
ペーパーに描かれている物についても、「左から」などルールを決めて、数えていくようにしましょう。
指と声を連動させて数えることがうまくできるようになったら、次のレベルに進みます。
「数える」レベル2〜目と、声を連動させて〜
数える作業のレベル2では、「指を使わない」というルールで数えてみます。
より具体的には、「手をおひざ」にしたままで数える、というお約束です。
目を使って、数えるものを正しく「見る」ことができているかが、カギになってきます。
指を使わないで数えることで、「見る」ことに集中する意識が身につきます。
声に合わせて、目がリズムよく動いているかどうかを、確認してみてください。
むしろ、お顔ごと、それぞれの物に向かって小刻みに動くようになっても良いでしょう。
また、数える時は、レベル1の時と同様「左から」などお約束を決めて、順番に数えるようにします。
「数える」レベル3〜声を出さずに数える〜
数える作業のレベル3は、「声を出さないで」数える方法です。
声を出しませんが、心の中で「1、2、3、……」と、数えるようにします。
声を出さないのが、ペーパー課題における「数える」では、必要なレベルになります。
なぜなら、ペーパーに回答する際は、「お話しない」のが基本的なお約束だからです。
声を出さずに正しく数えられるようになれば、「数える」課題はほぼマスターできているはずです。
いきなり、高いレベルからやらない。
「数える」作業のレベルを、3つに分けてご紹介しましたが、
ここで注意したいのは、一気に、上のレベルでやろうとしないということです。
なぜなら、いきなりレベル3の「声を出さずに数える」で行なった場合、
数え間違いをしてしまっても、それが、「数える」という作業のミスによるものなのか、それとも、「数える」作業の前後のミスによるものなのか(詳しくは、前回の記事と次回の記事でまとめます)がハッキリしないからです。
まずは、ものを指している指の動きと、声がリンクしていることを、しっかりできているかを確認するといいと思います。
そして、もしレベル3のやり方に進んでも、うまくできないようであれば、前のレベルに戻して(つまり声を出して)数えてみることで、「数える」という作業そのものはできているかどうかを、確認してみると良いと思います。
数える数については、最初は、5つくらいまでの数を。
徐々に、10くらいまでの物を数えるようにして、
最終的に、15個くらいまでの物を、正確に数えられるようになれば良いと思います。
数え方のレベルだけでなく、数えるものの数が増えるほどに、当然ながら難易度は上がります。
お子さまが、今、どのレベルで数えられて、いくつくらいまでなら数えられるかという、「現在地」を把握しながら、日々の学習をサポートしていってください。
現在地が判っていることで、そこからのお子さまの成長が、小さなレベルでも、掴めるようになります。
ぜひ、ちょっとしたステップアップを、親子で実感して、成長を確認しながら、お勉強を積み上げていきましょう。
「数える」作業がうまくできても、計数のペーパー課題は、そこで終わりではありません。
・設問の意味を聞いて、正しく理解し、
・描かれているものの数を、もれなく、重複なく数えられた、
その次が、最終ステップです。
計数問題のステップ③:数えた数と同じだけの○を書く。
計数の問題では、絵のものを数えた後に、「その数だけ、下のお部屋に○を書く」といった作業があります。
(○以外にも、△や×を書く場合や、マス目やおはじきの絵に○をつける場合もあるでしょう。)
絵に描かれているものの数を、正しく数えられていたようなのに、
お部屋に○を書く段階で、
「○○○○○○……」と、延々と○を書き続けてしまう、
といった現象を、目の当たりにしたことがあるかもしれません。
この原因として考えられるのは、
「設問を、正しく理解できていなかった(あるいは、忘れてしまった)」という可能性と
「数えた数が、いくつだったか忘れてしまった」という可能性の、
大きく2つがあります。
前者については、ステップ①で確認した、「問題の内容を説明してもらう」方法で、確認と対策ができるので、
ここでは、後者の「数えた数を忘れてしまう」という場合について、考えていきたいと思います。
「数えた数を忘れてしまう」という場合の対処法
せっかく、いくつあるかを数えたはずなのに、その数を忘れてしまったら、
いくら数えても、答えまでたどり着かない、ということになります。
数えた数の分だけ、正確に○を書くことができるようにするためには、反対に、
「数えた数を、一時的に記憶にとどめる」ことができている必要があるのです。
数えた数を、記憶しておく(意識を高める)ためには、日常の「数える」お勉強の中で、ちょっとした工夫が必要です。
数えた数を記憶に止めるための工夫を、2つ、ご紹介します。
「数えた数を、一時的に記憶にとどめる」ための工夫①:かぞえた数を「いくつだった?」と聞くときに、少し時間をあける
ペーパーでも、具体物でも構いません。
例えば、「りんごはいくつありますか?」と問題を出して、4つのリンゴを、数えてもらったとします。
数え終わったときに、間髪いれずに、「いくつだった?」と聞くと(あるいは、聞いていなくても)、
「1、2、3、4、4つ!」といったリズムで、お返事が返ってきます。
これでは、数を、一時的に記憶にとどめるためのトレーニングにはなりません。
「いくつあるか、後で聞くから、数えてもまだ言わないでね」と前置きをしておいて、
「1、2、3、4」と、ものの数を数えてもらった後、
「じゃあ、いくつあったか聞くから教えてね。(少しの間)りんごは、いくつでしたか?」と聞くようにします。
こうすることで、
お子さまは、数えた「4つ」を、答えるまでの間、覚えておこう、とします。
数えてから、「いくつ」を答えるまでは、5〜10秒くらいの間があれば十分です。
答えるまで、少し時間をあけて答えてもらうことで、数えた数を覚えておく意識は、どんどん向上していきます。
「数えた数を、一時的に記憶にとどめる」ための工夫②:数え直せないものについて数える
数を、しっかり記憶する意識を高めるための方法、ふたつめは、
「目の前に、数えたものが残らないものを数える」という方法です。
ペーパーに描かれている絵であったり、目の前にある具体物だと、
「いくつだったか分からなくなってしまった」としても、もう一度、数えなおすことが可能です。
ですが、「もう一度、数え直すことができない」ようなものもあります。
例えば、
・手を叩いた音
や
・目の前を通り過ぎるもの(例えば、道路を走る車や、電車の車両など)
といったものです。
これらは、数えたそばから消えてしまうので、「一回で、しっかりと数えて、数を覚えてないといけない」という意識が、より強く働きます。
上記の①と②を組み合わせたトレーニングとして
「音の計数」という方法があります。
「何回、手を叩いたか数えて、答えてください。」
(パン・パン・パン・パン・パン、少しの間)「いくつ叩きましたか?」
といったように、数える問題をゲーム感覚でおこなうことで、
ペーパー問題とは違った角度から、「数える」力を身につけることができていきます。
「数える(計数)」問題について、3つのステップに分けて「つまずきポイント」をご紹介しました。
1日で、全てをマスターすることはできなくても、つまずいているポイントを意識しながら演習を繰り返すことで、より、スムーズに学びを身につけることができるはずです。
ぜひ、「どこでつまずいているか」についても確認しながら、
ご家庭での学習も、無理なく進めていってください。
※他の単元の解き方や、ペーパー対策の全体像を知りたい方は、こちらの【ペーパー対策完全ガイド】もあわせてご覧ください。
「基礎」を「武器」に変えるトレーニングを
計数の力は、単に描かれているものの数を数える問題に正解するためだけでなく、
その後の「足し算・引き算の基礎」や「数の構成(いくつといくつ)」を理解するための絶対的な土台となります。
当協会の定期教室では、今回ご紹介したようなステップをひとつずつ丁寧に伝え、
お子さまの「習慣」にまで落とし込んでいきます。
「なんとなく数える」から「論理的に、正確に数える」へ。
この変化が、自信と高得点に繋がります。
「家庭学習での教え方に悩んでいる」
「模試でケアレスミスが減らない」
という方は、ぜひ一度、四ツ谷の教室へお越しください。
お子さまの現在地を正確に把握し、着実なステップアップをサポートいたします。
※定員制のため、定員に達したクラスから順次受付を終了いたします。