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小学校受験対策、ペーパー学習の「学びはじめ」では、問題集の設問をそのまま使わない。

今日は、「ペーパー学習に取り組み始めたばかりのお子さま」に対して、

「お子さまが、スムーズにペーパーの課題に取り組むため」に、どのような工夫をしたら良いか、の一例をご紹介します。

 

問)○は赤、△は青、□は緑のクーピーで、それぞれ塗ってください。

この問題に取り組む上でのポイントとなる力を、大きく3つ挙げるとするならば、

・○、△、□のそれぞれの色についての指示を「記憶にとどめる」力→受験全般の指示の理解

・それぞれの形を、「はみ出さず、白いところがなくなるように」丁寧に塗る力→製作課題

・○、△、□の形を「分類」して区別する力→分類計数

の3つです。

(矢印の先は、実際に国立小受験においてそれらの力が求められる課題です。)

 

ですから、ご家庭でペーパー課題に取り組む際は、

上記のポイントとなる力のうち、「その日の学習で、どこに焦点を当てて取り組むか」もイメージしながら取り組むと良いでしょう。

(たとえば、

「今日は、塗り方に意識をしてやろう」というのであれば、どこを何色で塗ろう、というところについては、適宜、アドバイスをしながら取り組むのもありですが、

「言われた指示を理解して取り組むことを課題にしよう」というときは、正しい色で塗れることを重視して、「塗り方」については、そこまで言及しないようにする、といった感覚です。)

 

 

ただ、こうした「色を塗る課題」について、

ペーパーに取り組み出したばかりのお子さまの場合、

そもそも「言われた色を塗る」ことをやりたがらない場合があります。

 

たとえば、

「赤、青、黄色、緑を全部使って、カラフルに塗っちゃおう。」

という意識になることがあります。

(ちなみに、普段、ペーパー問題の形式がわかっている年長さんのお子さまでも、「好きな塗り方で塗っていいよ」と言われると、単色ではなく、複数の色を混ぜて塗ろうとすることは、よくあるので、おそらく「カラフルに塗りたい」というのは子どもにとっても自然な感情なのでしょう。)

 

 

そんな感覚のお子さまに対して、

前述の「問」をそのまま読み上げて、その通りにやらせよう、としたところで、

「いやだ、いろんな色でぬる!」と言いだすことは、考えられることです。

 

そこを、

「ダメ!○は赤で塗らなきゃでしょ!」などと言っても、

それで言うことを聞くわけではないばかりか、

「ペーパー学習」そのものが(親子ともに)苦痛に満ちたものになってしまうでしょう。

 

最終的には、

「わが子は、お勉強には向いていない。」

と言った結論を出してしまい、小学校受験を諦めるばかりか、

小学校に向けたご家庭での学習に取り組む環境も作れない、といった状況にいたることさえ、ひょっとしたら、ありうるかもしれません。

 

 

いかに、初動で、ペーパー学習への興味を持たせるか。

これには、

問題集が用意している「設問」の設定にとらわれず、設問の表記からいくらか逸脱をしても良いでしょう。

むしろ、そうすることがオススメですらあるかもしれません。

 

たとえば、上記の問題については、このような提示の仕方があります。

 

「お部屋の中で、マルちゃんと、サンカクちゃんと、マシカクちゃんたちが、遊んでいました。

でも、大変!!みんな、お洋服を着ていなくて、真っ白なままです。

マルちゃん、サンカクちゃん、マシカクちゃんたちに、素敵な色のお洋服を着せてあげてください。

マルちゃんが、何か言っています。

なになに?……「僕は、赤いお洋服が着たいよぉ。」

と、マルちゃんは、言っています。

この(指差しながら)、右下のマルちゃんを指差してください。まずは、このマルちゃんに、赤いクーピーで色を塗ってお洋服を着せてあげましょう。

(お子さまが、赤のクーピーで、○に色を塗りだす)

(塗っている間に)「わぁ!赤い色がついてきた!嬉しいなぁ、だんだん赤色になっていってるよ。すごい!じょうず!はみ出さないで塗ってくれたら嬉しいな。あ、まだここ(指差して)が少し白いままだから、ここも塗ってみて。—-やったー!赤くなったぞ!きれいに塗ってくれてありがとう!

マルちゃんは、無事、赤マルちゃんになりましたね。

今度は、サンカクちゃんが何か言っています。

なになに??……「私は、青いお洋服にしてよ。」って、サンカクちゃんは言っています。

赤マルちゃんの上のサンカクちゃんを指差してください。このサンカクちゃんに、青のクーピーで色を塗ってあげましょう。

(中略)

赤マルちゃん、青サンカクちゃん、緑マシカクちゃんは、とても嬉しそうにしています。

でも、まだ、お洋服を切れていないマルちゃん、サンカクちゃん、マシカクちゃんがいるよね?残っているマルちゃんには、何色を塗ったらいい?サンカクちゃんは?マシカクちゃんは?

残っている形にも、キレイな色を塗ってあげてください

(以下略)」

 

なんとなく、お分かりいただけましたでしょうか。

 

小学校受験においては、もちろん「指示は一度だけ」ですし、

問題は、淡々とした形式で出題されるわけですが、

そこに、あえてストーリー性を持たせた形で取り組んでもらうのです。

 

また、幼児期は、無生物に対しても「擬人化」をして受け止めてもらいやすい、という特徴があります。

ですから、無機質な基本図形の「まる」「さんかく」「ましかく」を、擬人化することで、感情移入をしてもらう効果を狙っています。

 

 

また、色を塗ってもらっている「マルちゃん」のセリフとして、

色の塗り方についてもアドバイスをしています。

 

これは、

「ほら、まずは縁取りをしなさい。中は白いところを残しちゃダメよ。」

といった伝え方よりも、よりすんなりと受け入れてもらいやすいです。

 

そして、これも「マルちゃん」のセリフとして、

「きれいに塗ってくれてありがとう。」

と伝えてみています。

 

そう言った、「感情のやりとり」をペーパーの中に組み込むと、

より積極的に、ペーパーの課題にも取り組むことができるようです。

 

 

 

いかがでしたでしょうか。

 

もし、お子さまが、決められた問題の形式での出題に興味を示さない場合はもちろん、

ペーパー学習に取り組み始めた時期においては、

このように、問題集の設問の表記にとらわれず、問題の形式を自由にアレンジして、ペーパー学習に取り組むようにしてください。

 

「上手に塗る」や、「形を分類して色を塗る」ことがその日のペーパー学習の目的であれば、

出題形式をアレンジしたところで、結果として、ペーパー学習の目的は達成されることになるのです。

 

 

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