玉石混交の受験情報。小学校受験のペーパーには「文字など書き込みをしたらダメ」?
6月がスタートしました。
2022年、上半期の最終月となる6月。
小学校受験の「本番」は、年末の11月、12月ですが、
年長さんの皆様にとっては、受験本番まで、残すところあと半年ほどとなってきております。
長いようで、短い6ヶ月。
それでも、たくさんのことに取り組んで、大きく成長することもできる6ヶ月です。
ぜひ、1日1日を大切に、無理なく学びを積み重ねてまいりましょう。
小学校受験に関する、さまざまな情報が「氾濫」しています。
小学校受験の世界は、
中学以降の受験と比べると、取り組む人口が少ない世界です。
そして、特に、国立小の受験となると、
学校側が、公式に受験情報を発信することも少ないです。
そのため、
受験に関する情報は不足しがちです。
お教室としては、そのような中で、情報を発信していくことがその存在価値のひとつ、ということにもなるのでしょうが、
「たくさんの情報を発信していることが価値」とは言え、
その情報の真偽や正確さについても、あわせて注意を払わなければなりません。
つい先ほど、
「国立小の受験については、不合格となったら検定料が返金されるって本当ですか?」
というご質問をいただきました。
とあるお教室にて伝えられていた情報だそうですが、
「根も葉もない」というレベルを通り越して、斬新な「都市伝説クラス」の情報です。
検定料に関しては、多くの募集要項にて「いかなる理由があっても返金されない」旨の明記がされています。
(そうでなくとも、出願者数が多ければ多いほど、返金手続きのための事務費用や手数料など、出願されればされるほど損失が出てしまうような規定を、小学校側が設定するはずがないことは、少し考えればわかることです。)
正確な「第1次情報」が少ないだけに、
国立小受験にまつわる「都市伝説」というのは、さまざま存在することでしょう。
厄介なのは、そうした情報が、
「有名な〇〇のお教室の先生が言っていた」とか、
「某教材メーカーの社長が言っていた」などと言う形で流布されていることです。
そのような情報を聞くと、
「いかにも!」と言うことで信じてしまいそうになりますが、
「果たして、本当にそうなのか?」は、少し冷静になって考える必要があります。
小学校受験の特徴でもありますが、
「出題は、口頭での指示を記憶する」ことになるのが基本です。
そうすると、
小学校受験の対策をするお教室で指導する側は、「口頭で伝える」ことがほとんどになってきます。
また、過去の試験の情報についても、
学校側から情報を得ることができないので、
その年の受験生の皆様から、「聞き取り」などによって情報を収集することしかできません。
これらのことから、
「聞いて覚えて」
「話して伝える」
という形式にかなり偏重しているのが、小学校受験にまつわる業界でもあるようにも思います。
「読み書き」ではなく、「会話」によって情報収集・伝達をするのが主、となっている傾向にあるかもしれません。
ですが、私は「口頭によって伝えられた情報の記憶」については懐疑的です。
やっていることが、まさに「伝言ゲーム」と同じだからです。
お子さまたちと「お話の内容理解」の学習に取り組んでいると、
お子さまたちの「記憶力」の凄さには舌を巻きます。
こうした「記憶力」については、少なくとも、私よりも、むしろ受験生であるお子さまの方が「優れている」と思うことがあります。
ですから、私自身は、
「聞いたことを覚えて、そのままに伝える」ことについて、自らの能力を過信できないと思っています。
また、話の流れではなく、
その中の断片的な情報が一人歩きすることもあるはずです。
ですから、
「〇〇すると落ちる」のような、シンプルで一見明快な情報こそ、
(仮に、実際そのような話がなされていたとしても)その話の意図からズレて伝わってきている可能性があると、疑ってかかったほうが良いでしょう。
分かりやすいフレーズに振り回されないだけの「学びに対する軸足」を。
これも、小学校受験に関して、まことしやかに語り伝えられている情報として、
「ペーパーに文字や数字の書き込みをしたら合格しない」というのがあります。
その根拠として、セットで伝えられているのが、
「ペーパーでは文字や数字を書いてはいけないから」ということなのですが、
どうやら、「小学校受験のペーパーでは、(出題形式として)文字や数字で答えさせる問題が出せない」というところから曲がっていった情報であろうかな、というところではないかと推測できます。
「りんごの数だけ、お部屋の中に○をかいてください。」の出題に対して、
「7」などと数字が書かれていたとしたら、
当然、それは不正解になる、というのはあります。
ですが、
「思考の過程として、数字や文字を書いたらいけない」
「なぜなら、それは先取り学習をしているからだ」
という根拠で、採点側が不正解にするというのであれば、
それは、学びに対する、あまりにも狭量な見解のなせるわざであると言わざるを得ません。
私個人の意見でしかありませんが、
もし、万が一、「そのような理由で受験生を不合格にする小学校」があったとして、
そのような教育方針のもとなされる授業には、正直さほど魅力を感じない、というのが正直なところです。
数字や文字を書いたからといって「先取り学習をしているから不合格」となったのであれば、むしろ「不合格でよかった」とすら思かもしれません。
小学校受験期のお勉強とは、「合格のためだけにするもの」ではなく、
あくまでも、「小・中・高・…と続く学びの土台づくり」として取り組んでいるものである。
というのが、小学校受験に対する私の価値観です。
ですから、
学びの本質からずれた「合格のためのテクニック(かもしれない)論」については、
全く興味がないですし、
そう言った細かいノウハウについてお悩みの方には、こう伝えたいと思います。
「気にしなくていいですよ。」と。
とはいえ、「都市伝説」にも根拠はある。
むしろ、この「解答用紙に文字や数字を書いたら不合格」の謎を解くとすれば、
まだまだ慣れていない文字や数字を書くことによって、本来なら解答にかけるべきであった時間を消費し「時間切れ」に陥る
というところにあるように思えます。
このような根拠なら、実際のペーパー学習の指導をしている立場としても、納得できます。
同様に、
「線結びをしたら落ちる」も、
「線結びをするだけでは正解にならない」ということや
(「線結び」によって答えを可視化していく問題には、多くのバリエーションがあるため、むやみやたらと「線結び」をするだけでは解けない、というのには一理あります。)、
「同じペーパーで複数の問題あり、線結びをしていると次の解答がうまくいかなくなる問題がある」
(難関校などの複雑なペーパー問題など。)
ということなら、
筋が通っています。
ところが、巷で言われる「線結びすると落ちる」論の根拠は、
「線結び=幼児教室でトレーニングをしている」という図式に当てはめ、
「国立小は、受験対策をしている子を嫌うから」
というのが、その根拠だったりするようです。
これは、「木を見て森を見ず」的なお話で、
ややもすると本質から外れています。
確かに、竹早小や世田谷小など、「過度の受検対策を憂慮」すると公式にメッセージを出されているのですが、
この「過度の受検対策」によってお子さまの心身の発育が阻害されている状況というのは、
何もペーパーに「線結び」をしているなどといったところで感じるようなものではなく、
むしろ、お子さまと会話をした時の様子や、あるいは親子のふとした時の様子などから、より感じられたりするものです。
合格の理由も、不合格の理由も伝えらえないのが国立小受験の特徴です。
熱心な受検対策の結果、残念ながらご縁をいただけなかったとしても、
不合格の原因を「線結び」に帰するというのは、もしかしたら、ちょっと違うかもしれません。
受験にまつわる「伝聞情報」が気になったときは
受験にまつわる、人づてに伝わってくる情報の中には、
「根拠があるもの」から、「憶測の域を脱しないもの」「曲解して伝えられたもの」まで、
さまざまのものがあります。
それらの話を聞いて、「本当かな?」と不安になったときは、
お教室などで、お気軽にご質問ください。
「気をつけるべき情報」の他に、
「気にしなくても良いもの」や、むしろ「気にしないほうが良いもの」も多くあります。
さまざまな情報の真偽に気をもむ時間があったら、
代わりにお子さまと一緒にお勉強をするか、
むしろ、早くに寝てしまったほうが有益ですから、
お困りごとは、速やかにクリアにして、
次の学びへと、意識を向けてまいりましょう。
お申し込み受付中の講座
金生先生の行動観察講座
対象:年長の皆様
日時:6月11日(土) ・7月9日(土) ・8月11日(木祝) ・9月10日(土) ・10月8日(土) ・11月12日(土) 各回9:00〜10:30
受講料:各回10,000円(税込)
講師:金生先生
会場:四ツ谷教室
お申し込みは
金生先生の行動観察講座のお申し込みページより、必要事項をご入力の上、お申込みください。
製作基礎講座
対象:年長の皆様
日時:6月11日(土)・7月9日(土) 各回11:00〜12:00
受講料:各回7,000円(税込)
講師:藤田
会場:四ツ谷教室
お申し込みは
製作基礎講座のお申し込みページより、必要事項をご入力の上、お申込みください。
国立小受験 対策 夏期講習
詳細は「夏期講習のページ」をご覧ください。
対象:年長の皆様
①筑波小対策 図形課題集中特訓:①7月18日(月祝)9:00〜10:00 ②9月24日(土)9:00〜10:00 ※2日間の講座です
②ペーパー弱点補強講座:7月30日(土)9:00〜10:30
③口頭試問講座:7月30日(土)11:00〜12:30
④金生先生の行動観察講座:8月11日(木祝)9:00〜10:30
⑤製作講座:8月11日(木祝)11:00〜12:30
⑥運動講座:8月11日(木祝)13:30〜15:00
⑦オールインワン講座:8月27日(土)8:30〜10:30
受講料:①20,000円、②③⑤⑥各回9,000円、④10,000円、⑦12,000円(いずれも税込)
講師:①②③⑤⑥⑦藤田、④金生先生
会場:いずれも四ツ谷教室
お申し込みは、夏期講習のお申し込みページより、必要事項をご入力の上、お申込みください。
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