小学校受験期を通して取り組んでほしい「模写」について
本日は、
小学校受験を考えて、鉛筆やクーピーを握り始めたばかりの方から、
現在、まさに受験の準備を進めている方まで、
共通して取り組んでみてほしい学習について、まとめていきます。
幼児期の学習の基本であり、小学校以降の学習にも通じる「図形模写」
先日の、新年中クラスでは、
形の学習の際に、「図形模写」にも取り組みました。
「まる」の大きさや、
「さんかく」の角の場所や辺の傾きなど、
形の特徴を捉えつつ、お手本と同じになるように、鉛筆を使って形を描いてみました。
図形模写の課題は、小学校受験の学びはじめから取り組むことができますが、
受験本番に至るまで、繰り返し、取り組んでいただきたい課題のひとつです。
なぜなら、「自分が思った通りに鉛筆を動かす」ということは、
受験本番でも必要になるからです。
たとえば、
「位置の対応」や「重ね図形」「回転図形」などの課題で、お部屋の中に形をかく場合、
思い通りに、細かく手を動かして形をかくことが必要になります。
あるいは、「模写」そのものが課題となる場合もあります。
実際に、昨年の東京学芸大学附属世田谷小学校の発育調査では、
例年の「運筆課題」に代わって「模写」が出されました。
模写は、「いちど取り組んで終わり」ではない。
模写に関しては、
「できる」……100点
「できない」……0点
の2者択一ではなく、
その出来栄えが、少しずつ、変化していきます。
同じような大きさで描けるようになったり、
斜めの直線を描くことができるようになったり、
「角」を明確に描けるようになったり、
しっかりとした、ちょうど良い筆圧で描けるようになったり、
これは、ある時期だけ取り組む学習で、身につくものではなく、
繰り返し、繰り返し、
時期をあらためて取り組むことで、
さらに上手な「模写」ができるようになります。
「模写」の取り組みは、どこにつながっているか。
模写に取り組むことは、「小学校受験のため」にとどまりません。
むしろ、小学生になってからの学習における、非常に重要な視点を、
模写を通して身につけることができます。
模写の取り組みが活かされる場面、
それは、「かきかた」の学習、
ひいては国語における漢字の学習においてです。
漢字の学習をする際に、
その漢字のバランスに気をつけながら漢字を書くか、
それとも、何も意識をしないで線を書いていくか、
この意識の差は、
きれいな字を書くことができているかどうかに、顕著に現れます。
まず第一に、「きれいな字を書こう」という意識があるかどうかが大切ですが、
模写において、「同じ大きさ、同じ形」を描こうとする意識を持つことで、
お手本を真似して書くという意識や姿勢を身につけることができます。
また、その際に、
それぞれの線の位置やバランスを意識しながら書くことを積み重ねることで、
「綺麗な字を書く」ということが、無理なくできるようになります。
「きれいな字を書く」ことができることは、
読む側の心象が良くなるほか、
テストなどでは、無用の減点を防ぐことができるなどメリットがあります。
時代の移り変わりにより、
手書きの文字を活用する機会はますます減ってきているように感じます。
パソコンやスマホで入力した字は、
同じなのだから、きれいな字を書ける必要はなくなるんじゃないの?
という視点もあるでしょう。
また、「繰り返しの漢字練習」そのものが無意味なのではないか、という意見も散見されます。
そうした声が大きくなれば、もしかしたら、学校における「書く」ことの絶対量は、今後さらに減少していくことになるかもしれません。
それゆえに、「きれいな字を書く」という意識も、ますます薄れていくかもしれません。
だからこそ、反対に、
「きれいな字が書ける」ということ自体が、希少価値へとなっていくのではないか、と勝手に予測しています。
きれいな字が書けることは、生涯を通じての財産となりえます。
そのためにもつながる、図形の「模写」には、
ぜひ、繰り返し取り組んでみてください。
図形の模写だけでなく、お絵かきをしてみることも、
形の特徴を捉えたり、運筆力を身につけるのに役立つでしょう。
私自身、
幼少期に、自宅で「お絵かき教室」をやって、楽しく絵を描くなどしていました。
遊び感覚でしたが、
「お手本をまねする」という意識は、この頃に身についていったと感じています。
ぜひ、ご家庭の中で、楽しく「描く」機会も作ってみてください。
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