小学校受験の「聞き取り」の力を高めるのは、日々の工夫した学習の「積み重ね」です
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する緊急事態宣言が、5月いっぱいまで延長となるようです。
特別講習に関しては、会場となる専門学校が閉館になる可能性もあります。
5月の特別講習の開催可否については、
会場の使用可否が5月7日に判明する予定ですので、
あらためて、お知らせさせてください。
今月いっぱい、ご自宅中心での生活が継続することになるかと思いますが、
小学校受験協会としても、
この時期を、できるだけ有意義に過ごせるようなサポートを目指します。
本日は、ペーパー学習における「聞き取る力」を高めるための取り組みについて紹介します。
ペーパー学習は、市販の教材が手元にないと、一切できない、というものでもありません。
取り組み方を工夫したら、
まっさらなA4用紙が1枚あれば、ペーパー学習をすることも可能です。
その一例を、ご紹介します。
・A4のコピー用紙を、横にして置きます。
・ペーパーに、できるだけ大きな「ましかく」を鉛筆で描いてください。(基本図形の作図・運筆)
・今、描いた真四角を、同じ大きさ、同じ形の真四角4つに分けるように、鉛筆で線を引いてください。(基本図形の等分)
・左上の真四角のお部屋の中に、赤のクーピーで○を2つかいてください。(右と左、数の記憶)
・右下のお部屋に、赤の○を1つ、青の○を3つクーピーで描いてください。(右と左・数の記憶)
↑あえて、普通の順番ではない「右下」を入れてみました。
・左下のお部屋に、赤の○を3つ、緑の△を2つ、青の○を1つかいてください。(数と形の記憶)
こうした、「指示を聞き取って、その通りに形をかく」という学習は、
指示の内容の理解(形の等分をイメージできているか・右や左が理解できているか)だけでなく、
聞き取った内容を、正確に記憶する力や、その記憶を、作業を行う間、維持しておく力が必要になります。
指示を理解し、記憶する力は、
すべてのペーパー課題で必要となるだけでなく、
指示制作においても、工程の記憶として必要ですし、
運動課題や行動観察などでも、「お約束」の内容を記憶する上で、必要です。
つまり、「小学校受験=聞き取りと記憶の維持」であるとも言えるくらい、
「聞き取りの力」と「記憶の維持」は大切だということです。
「指示を理解し、記憶する力」は、どのように高めることができるのでしょうか。
以下に、「聞き取り」と「記憶」の力を高めるためのトレーニングを書いていきます。
聞き取った内容を、「理解できているか」確認する。
まずは、説明の内容を、「正しく聞き取れているか」が重要です。
そのためには、ペーパー学習に取り組む際に、時々、
「今の問題は、何をしたら良いか説明して。」
と、(問題に取り組む前に)設問の内容を説明してもらいます。
「はじめ」の合図がある時点で、「何をすれば良いか」が分かっているかどうかは、
設問が読まれた後、即座に、その内容を説明(正確な復唱である必要はない)ができるかで、確認をすることができます。
内容は理解できていても、言葉で説明をすることが難しい、という場合もあるでしょう。
そういった場合は、自分が理解できている内容を、言葉で説明するというチャレンジを繰り返すことで、
口頭試問にもつながる「説明をする力」が身についていきます。
ペーパー課題に取り組む前に、
「今日は、先に問題の説明をしてもらってから答えを書くお勉強をしようね」と事前に話をしておけば、
「注意深く聞く」という意識も高まるでしょう。
(これは、「今日の授業の内容は、あとでテストします」というと覚える意識が高まるのと同じ法則を利用しています。)
この際のポイントは、
「いきなり、難しい内容から説明させようとしない」ということです。
たとえば、「左上に赤い○を2つかいてください。」くらいのレベルから取り組んで、
それがうまく説明できるようになったら、色や形のバリエーションを増やしていきます。
(あくまでも、ひとつひとつ階段を上がっていくことが重要です。いきなり難問に取り組むというのは、「地上から2階の窓に飛び込んでください」というようなものです。)
記憶を、一定時間とどめておく練習をする。
設問の内容を理解できて、自分の言葉で説明する力も身についていたら、
設問を読んでから、「問題の内容を説明してもらう」までに、1〜10秒ほど、時間をあけてから、説明をしてもらうようにします。
「問題を聞いていた瞬間は覚えていたのに、答えを書いている途中に、何をすれば良いかわからなくなってしまった。」ということは、
ペーパー学習に取り組んでいく中では、よくあることです。
(数を数える「計数」の問題などで、よく見られます。)
これは、記憶の内容を、一定期間、頭の中にとどめる力を身につけることでクリアできる課題です。
先ほどの、「設問の内容を説明する」際に、
設問から一呼吸、ふた呼吸おいて、
それから、説明できるかの練習をします。
こちらのポイントも、
「急に、長い時間を開けないようにする」ということです。
まずは、1秒の時間をあけて、
それができるようになったら、2秒、3秒、と徐々に時間を増やしていきましょう。
(秒数は、正確である必要はなく、体感の秒数で構いません。)
内容を記憶にとどめる力がついていけば、
お教室などでペーパーに取り組んでから、答え合わせをするまで10分以上の時間が空いていても、
正確に設問の内容を説明できるようになりますし、
実際の試験本番が終わった後に、
その日の課題の内容を、ひととおり説明することも、できるようになっていきます。
記憶は、「音声情報」だけでなく「イメージ」と合わせて記憶する。
今日ご紹介している記憶の練習は、
短文復唱のように、耳で聞いた「音声情報」を、そのまま言葉として記憶するのではなく、
聞いた内容をイメージしながら、聞くようにします。
(短文復唱は、意味が分かっていなくても記憶し復唱することができます。むしろ、「パンダの坊やは、パンが大好きです。」の復唱をする際に、パンを食べているパンダの子を鮮明にイメージしながら復唱している人は少ないはずです。)
たとえば、先ほどの問題の続きで、
「右上のお部屋に、青の△を2つ、赤の○を1つ、緑の×を3つ、クーピーでかいてください。」
という問題が出たとします。
その設問を聞く際に、
設問を聞きながら、指示をされた場所に、答えがかかれていくイメージをします。
今回の例で言えば、
「右上のお部屋に、
「右上のお部屋に、青の△を2つ、
「右上のお部屋に、青の△を2つ、赤の○を1つ、
「右上のお部屋に、青の△を2つ、赤の○を1つ、緑の×を3つ、
というように、
設問が読まれている時に、
ペーパーの該当の位置(右上のお部屋)に、書く形をイメージしていきます。
視覚的なイメージをしながらお話を聞くことで、
より、正確に内容を理解し、記憶に留めることが可能になってくるでしょう。
こうした「イメージする」力は、ペーパー学習でなくても身につけられます。
たとえば、毎日の「読み聞かせ」の時間などで、
お話の内容を、頭の中でイメージしながら聞くことなどでも、
「聴きながらイメージする」力は鍛えられていきます。
小学校受験での課題は、全てが口頭でなされますので、
「聞いて、イメージし、理解する」経験を、様々な学習を通して積み重ねていけば、
たとえ今、お話の聞き取りが苦手だと感じたとしても、
どんどん、力がついていくはずです。
今、「できないこと」があっても構わない。
「できないこと」は、いずれ、「できること」へと変わっていきます。
そうした、成長の1コマを実感できる日が来ることを楽しみにしながら、
日々、楽しく学習を積み重ねていってください。
年長さんに向けた春の特別講習として、3本立ての講習会を開催いたします。
新型コロナウイルス感染症に関する休業要請などを受けて、スケジュールが変更となっております。
早くからお申し込みをいただいていた皆様には、スケジュールの延期により開催をお待たせしてしまい申し訳ございません。
講座の詳細は、下記をご参照ください。
春の特別講習①「行動観察講座」
2020春期・行動観察講座日 時:2020年5月16日(土) 10:00〜11:30 会 場:日本児童教育専門学校 対 象:年長のみなさま 講習費:8,000円(税込) |
春の特別講習②「口頭試問&運動講座」
2020春期・口頭試問&運動講座日 時:2020年5月23日(土) 10:00〜11:30 会 場:日本児童教育専門学校 対 象:年長のみなさま 講習費:8,000円(税込) |
春の特別講座③「制作講座」
2020春期・制作講座日 時:2020年6月6日(土) 10:00〜11:30 会 場:日本児童教育専門学校 対 象:年長のみなさま 講習費:8,000円(税込) |
春の特別講習 お申し込みは
講習のお申し込みは、3講座とも
ホームページ上で受付中です。
お申し込み専用ページは、こちらです。
テーマを絞った特別講習で、
皆様と一緒にお勉強ができるのを、楽しみにしています。
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