小学校受験で出題される「運動課題」とは?──内容と対策、家庭でできる工夫

小学校受験協会|総合的な小学校受験支援を行う幼児教室(東京都新宿区四谷三栄町)
はじめに:「運動課題」って何? どう対策すればいい?
小学校受験といえば、ペーパーテストや行動観察、面接などがよく知られていますが、多くの学校では「運動課題」も出題されます。
「運動が得意な子じゃないとダメ?」「どうやって準備するの?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
今回は、これまで国立小学校受験の指導に多く携わってきた小学校受験協会が、「運動課題」の実際の内容とその背景、よくある失敗、効果的な備え方について詳しくご紹介します。
運動課題ってどんなことをするの?──実例からご紹介
受験校によって内容はさまざまですが、国立大学附属小学校では以下のような課題が出題されています。
・筑波大学附属小学校:U字型のくま歩き(ストップウォッチでタイム計測される)
・東京学芸大学附属小金井小学校:はばとび
・東京学芸大学附属世田谷小学校:模倣体操
・東京学芸大学附属大泉小学校:ダンス
これらの課題では、単なる運動能力だけではなく、姿勢・指示理解・集中力・協調性なども同時に見られていると考えられます。
なお、お茶の水女子大学附属小学校や東京学芸大学附属竹早小学校では、近年運動課題(らしい運動課題)が出題されていません(竹早小は、指示行動の中で「両足ジャンプ」の出題あり)。最新の出題傾向には注意が必要です。
なぜ「運動課題」があるの?──背景にある学校側の意図
運動課題が実施される背景には、以下のような学校側の明確な意図があると考えられます。
・長距離通学に耐えられる体力があるか
・椅子に座っていない状態でも、指示を理解して行動できるか
・身体を動かすことで気持ちが高ぶった際に、自制してルールを守れるか
・体育・発達に関する教育研究の一環
・困難な課題に対しても粘り強く取り組む姿勢があるか
つまり「運動課題」は、単なる「体操」ではなく、日常の学校生活を送る上での適応力や基礎力を見ているのです。
運動課題でよくある失敗は?──ありがちなつまずき例
これまで多くのお子さまを見てきたなかで、以下のような失敗がよく見られます。
×お手本をよく見ていないために、動作を間違える
※スタート地点の移動方法、終了後の待機姿勢なども含まれます
×順番待ちの間に、姿勢が崩れてしまう/集中が続かない
×(くま歩き)コースの線を踏んでしまう
×(模倣体操・ダンス)恥ずかしさで動作が小さくなる、ぎこちなくなる
これらのつまずきは、「身体能力」だけでなく、「環境への適応」や「精神的な落ち着き」と深く関係しています。
小学校受験協会では、どんな運動指導を行っているの?
小学校受験協会では、総合的な受験対策の一環として、運動課題への準備もサポートしています。
・単発で参加できる「運動講座」では、体育専門の講師が身体の使い方や動作の基本を丁寧に指導
・「筑波小対策講座」では、くま歩き課題をストップウォッチで計測し、本番形式での練習を実施
・「定期教室」でも、数回おきに、運動課題の練習を組み込んでいます
特に意識しているのは、技術の習得だけでなく、「指示を理解して守ること」「落ち着いて行動すること」など、小学校受験ならではの観点に基づいた指導です。
はじめて運動課題に触れる保護者の方へ──アドバイスと心構え
小学校受験の運動課題では、
①正しく・丁寧に動作をおこなう「技術的な力」
②合図や説明に耳を傾け、粘り強く取り組む「態度や姿勢の力」
この両方が求められます。
どちらの力も、小学校入学後に安心して楽しく生活を送るための基盤となる力です。
「上手にやること」だけに目を向けすぎず、「落ち着いてやり切ること」こそ大切だと考えて、「素敵な小学生になるための準備」として取り組んでいただければと思います。
また、「技術」や「体力」は教室の中だけでなく、公園など屋外での遊び・運動習慣から自然に育ちます。くま歩きやはばとびに通じるような身体の使い方も、日常の遊びの中で身につけていくことができます。
おわりに:運動課題も「成長のきっかけ」に
運動課題はあくまで受験準備の一部ではありますが、お子さまの成長を多角的に支える重要な要素であることは間違いありません。
運動課題を通して、からだもこころも育つ。
そのような視点で、今後もご家庭と一緒に歩んでまいります。
▶ 詳細・講座情報は各種講習ページよりご覧ください。