国立小受験での「比較課題」や「お話の内容理解」に強くなる、「反対言葉」の学習をしてみましょう。
昨日まで、吐く息が凍りそうな冷え込みだったのに、
今日は、打って変わって、桜が咲いてもおかしくなさそうな陽気です。
季節も春へと向かっており、
これから、寒暖差が激しくなってくるかもしれません。
みなさま、体調管理には、どうぞくれぐれもお気をつけください。
さて、今日は、幼稚園で「反対言葉」の学習に取り組んでみました。
「おおきい」の反対は「ちいさい」、「ながい」の反対は「みじかい」
これらの、対立する「ようすことば(形容詞)」のセットを認識していくことは、
「大小比較」や「長短比較」などの比較の学習の理解に、そのまま繋がります。
身の回りの言葉には、様々な「反対言葉」となる組み合わせがあります。
「おおきい⇔ちいさい」、「ながい⇔みじかい」の他にも、
ひろい⇔せまい
(高さが)たかい⇔ひくい
(値段が)たかい⇔やすい
はやい⇔おそい
つよい⇔よわい
かたい⇔やわらかい
おもい⇔かるい
ふかい⇔あさい
あつい(暑い)⇔さむい
あつい(熱い)⇔つめたい
あつい(厚い)⇔うすい
あかるい⇔くらい
おおい⇔すくない
ふとい⇔ほそい
あたらしい⇔ふるい
などなど、様々な「対(つい)」になる表現があります。
それぞれのセットを、お子さまは答えられるでしょうか。
「はやい」の反対は?
「おそい」の反対は?
どちらからも、答えられるように質問をしてみると良いでしょう。
国立小受験における「反対言葉」
受験においては、
ペーパー課題などで「比較の課題」があります。
これらの問題では、比較の概念を理解することが大前提です。
他にも、
「お話の内容理解」で、上記のような表現が出てきた際に、
意味がわからないと、そこから次の内容が入ってこなくなることがあります。
様々な表現を理解できる「語彙力」を、会話の中からでもつけていってください。
反対言葉の理解ができるようになったら、
対になる反対言葉を使った「お話(文)づくり」にもチャレンジしてみましょう。
たとえば、「大きい」と「小さい」であれば、
「ぞうは大きいけど、アリは小さいです。」といった具合です。
こうやって、文を作ることで、
それぞれの形容詞が持つ意味の理解を深めていく以外にも、
名詞の語彙が増えることや、
文章の形を作ることで「主語−述語」を使ってお話をする力がついていきます。
慣れてきたら、
「ゴルフボールは小さくて硬いけど、ビーチボールは大きくて柔らかいです。」
という風に、
二つの反対言葉を使った文を作ってみると、さらにレベルアップした課題になります。
文章を考える人が多いと、色々なアイデアが出てきやすいので、
複数名での授業にもおすすめですが、
ご家庭で取り組む際は、お父さま・お母さまも「例」となるような文章を作って提示してみてください。
「比較表現」からお子さまの指導を考える
余談ですが、
この「反対言葉」を使った文を作っていると、
「大きい」「小さい」といった概念は、きわめて相対的なものであるということが見えてきます。
たとえば、
「ゾウは大きいけど、イヌは小さいです。」というと、
「イヌ」は「小さい」ということになりますが、
同じ「イヌ」が、
「イヌは大きいけど、ネズミは小さいです。」
といったように、「大きい」となることもあります。
つまり、あるものを「大きい」とか「小さい」と表現する場合、
必ず、その比較をする「何か(基準)」があるということになります。
あるものを「大きい」とか「小さい」と表現をする際に基準となるのは、
だいたい、「自分自身」が基準となるか、
あるいは、ある分類の中の一般的(平均的)な基準を考えることが多いでしょう。
前者の視点からすると、
動物園にいる「ゾウ、キリン、ライオン、ゴリラ」などは、「(自分と比べても)大きい」ということになるでしょうし、
「ウサギ、リス、ハムスター」などは、「(自分よりも)小さい」ということになるでしょう。
後者の視点で言うと、
たとえば、同じ「イヌ」という分類の中でも、
「ゴールデンレトリバー、シェパード、セントバーナード」あたりは「大型犬」で「(犬としては)大きい」となるのに対して、
「チワワ、ダックスフント、ヨークシャーテリア」あたりは「小型犬」で「(犬の中では)小さい」となります。
つまり、比較の課題については、「絶対的な基準」というものは存在せず、
同じものが「大きい」と表現されたり「小さい」と表現されることがあるのです。
これは、お子さまの発達や学力においても、当てはまります。
大人が、お子さまの「学力」を考えるときに、
「(自分自身と比べて)劣っている」と考えることは、なかなかないでしょうが、
「(同年齢のお子様と比べて)優れている・劣っている」という比較をすることは、よくありがちなことなように思います。
ですが、
そもそも、お子さまの発達には個人差がありますから、
現段階の発達の度合いで、周囲との比較をして、「優れている」「劣っている」とその能力を断ずることはできません。
むしろ「比較」をすべきなのは、
あくまで、お子さま自身の過去との「比較」、いわゆる「当社比」のみです。
自分との比較をすることで、
変化や、成長を前向きに捉えていくことが可能になるでしょう。
幼児期の学習で、「比較」の表現や概念を伝える中で、
「他者と比較しない」というのは、どこか矛盾しているようでもありますが、
お子さまが、気持ちよく力を積み上げていくためにも、
ぜひ、比較の基準を「過去の自分自身」に置いて、
お子さまが自身の変化や成長を実感していけるような声かけを、ご家庭でもしてみてください。
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