「ペーパー学習」ができない日でも、小学校受験を意図したお勉強だけの1日24時間を過ごすことは「可能」です。

お子さまがお勉強を「やりたくない」と言った時の対応についてまとめていっています。
お子さまが、お勉強をやりたがらない時に考えたいことについては、
前回までのブログ記事、
『お子さまが前向きに勉強するためにも、やはり「大前提」は、これです。』
『「お勉強やりたくない」というお子さまは、どちらのパターンですか?』
『お子さまにとって「適切なレベル感」でお勉強の指導をするには』
も、あわせてご参考にご覧ください。
今回は、
例えば、毎日取り組んできたペーパー学習について、
お子さまが「やりたくない。」と言った場合について考えてみます。
これまで、コンスタントにペーパー学習に取り組んできたお子さまが
ペーパーについて「やりたくない」と言うときは、
体調が悪かったり、疲れが溜まっているなど、その日のコンディションによる場合のほか、
ペーパー学習における「負担」が過剰になってきていた、という可能性が考えられる、ということはすでに触れました。
いずれの場合も、
「無理はせず、その日のペーパーを少なめに切り上げる」ことが大切です。
あるいは、思い切って、
「その日の(あるいは数日間)ペーパーをお休みする」
という判断をすることも、ありでしょう。
ところが、そうすると、
「小学校受験に向けて進めていたお勉強」の手を止めることに対して、「大丈夫なのだろうか?」という焦りが出てくるかもしれません。
そうすると、焦りから、無理にペーパー学習を継続させようとして、
さらに、状況が悪化することにもつながりかねません。
今、お子さまが勉強を嫌がっていないから大丈夫、という方も、
「転ばぬ先の杖」として、
ぜひ、この後の記事をご一読ください。
お子さまがペーパー学習に取り組まないことに焦りや不安を感じなくても済むように、
あらかじめ意識をしておきたい「視点」と「環境設定」があります。
それは、日常生活を、「無意識的お勉強」でみたしておくということです。
これは、極論すれば、
1日24時間の生活すべてに、「お勉強」の要素を持たせている、という状態です。
より正確に言いかえれば、
1日24時間の生活すべてに、「お勉強」の要素があることを(お父さまお母さまが)意図できている、という状態だとも言えるでしょう。
どういうことでしょうか?
これだけだと抽象的でよくわかりませんね。
もう少し、具体的に説明をしていきます。
まずは、普通の1日の生活を思い浮かべてみます。
毎日の生活を送る上で、お勉強のために意図できるポイントを列挙していきます。
1日の生活の中に、意図して「お勉強」ができる要素は、これだけある!
朝)
・朝起きたら、家族で「おはよう(ございます)。」のご挨拶からスタートします。
(元気な「ご挨拶」と「お返事」は、小学校受験においても、大切なポイントのひとつです。)
・パジャマを脱いだら、自分でたたむなり、洗濯物カゴに入れるなりします。
(服をたたむ、という動作自体が「生活巧緻性」の課題です。また、自分のことは自分でするのが「身辺自立」の基本です。)
・朝ごはんを食べます。お茶碗が左、お椀が右。椅子に座る姿勢やお箸の使い方も整えられているでしょうか。
(小学校受験で必要な「姿勢」は、何よりもまず日常生活の過ごし方で身についていきます。配膳やお箸の使い方も、受験で問われる大切な課題の一つです。)
登園時)
・幼稚園や保育園、こども園に行きます。毎日持っていく荷物の中身を、自分で考えて準備できているでしょうか。
(その日の荷物について「確認」する癖が、ペーパーの「見直し」の癖にもつながります。)
・もちろん、外出の際の「靴の着脱」も、自分で考えて行うようにします。
(これも「身辺自立」です。特に「脱いだ靴を揃える」ことについて習慣化ができているでしょうか。お母さまに言われてからやってないですか?あるいは、お母さまが代わりに靴を揃えてしまっていませんか?こういった一つ一つのことが、毎日の積み重ねで差がついています。)
・道を歩いているときなどに、季節を感じる会話をしてみたりします。
(たとえば「今日はとても寒いね。」ということを、どのくらいのバリエーションで伝えられているでしょうか。「一段と冷え込んでるね。」「風が冷たいね。」「こごえてしまいそうだね。(=こおってしまいそうだね。)」「まさに、冬だね。」「吐く息が白いね。」「鳥肌が立ってるよ。」「暖房(ストーブ)が欠かせないね。」……まだまだ、たくさんありそうですが、こうしたひとつひとつの「会話」から、お子さまは言葉を覚えていきます。これは、お子さまの意思に関係なく、大人の側が意図してできることです。
また、道の植物などを見て、「冬だからシクラメンの花が咲いているね。」などという会話ができても、これもまた季節の常識につながります。)
・あるいは、「しりとり」などのゲームをしながら登園します。
(これも、「言葉」の学習につながります。お子さまの語彙力が鍛えられます。)
降園〜夕食時)
・「今日どんなことがあったの?」と聞いてみましょう。
(お子さまが、「今日こんなことがあったよ。」とお話をすることが、すべて「口頭試問」や「個別課題」における説明課題の力につながります。また、お子さまにとって、その日1日にあったことを振り返ることが、良いことも悪いことも、気持ちをリセットし、ニュートラルの状態にすることにつながります。これは学ぶ上だけでなく、日々の生活を送る上でも非常に有意義なことである、と考えています。)
・ご自宅で体を動かしたり、公園で遊ぶのも良いでしょう。
(「はばとび」「その場ケンパー」「模倣体操」などならご自宅でもできます。むしろ「くま歩き」もご自宅でできます。公園の遊具で遊ぶのは体力づくりに役立ちます。体幹が鍛えられることは運動課題だけでなく「姿勢」にも繋がります。「鬼ごっこ」をやるだけでも十分な運動になります。「なわとび」や「ボールつき」などをして遊ぶのも良いですね。)
・ご自宅での自由時間(ひとりで過ごす時間)で、以下のようなことをして過ごしてみましょう。
ぬり絵…製作課題の「塗る」工程の練習にもつながります。
切り絵・貼り絵…同様に「切る」「貼る」という工程の練習につながります。
廃材を使った自由製作…お茶の水小の課題などでも出題されたことがあります。
お絵描き…筑波小、大泉小など、近年、本番で「絵画」が出ています。
積み木…立体図形の理解や、図形学習・数の学習につながります。
ジグソーパズル…「欠所補完」「図形構成」につながる遊びです。
タングラムやパターンブロック…「図形構成」「図形分割」につながる遊びです。
絵本を読む…小学校受験とは直接つながらないものの「字を読む」習慣は必要です。
図鑑を読む…身の回りの物事に興味・関心を持ち、「常識問題」の理解に繋がります。
・ご兄弟がいたり、親子で遊べる時間があれば、以下のような遊びも良いです。
トランプ…数の学習や記憶課題に強くなります。
オセロ(リバーシ)…まさに方眼の課題です。筑波小でオセロの課題が出たこともあります。
すごろく…位置の移動やサイコロを使った7の構成の理解につながります。
かるた…「聞く」ことの意識や集中力、位置の記憶に繋がります。
・夕飯時、何か「お手伝い」をしてみるのはいかがでしょう。
(お手伝いのやり方を聞いて取り組むこと自体が「指示行動」です。またお手伝いはお子さまの自己肯定感を高める上でも役立ちます。)
・食事は、バランスよく食べられているでしょうか。
(甘いものばかり食べると、イライラしやすくなります。脂分が多い食事は、頭がボーッとすることにもつながります。よく噛んで食べましょう。日々の食卓で、季節の食材について学ぶことができれば、さらに素晴らしいですね。)
夜)
・お風呂の中では、どんな会話ができるでしょうか。
(「音の計数」クイズをしたり、「数の構成」をクイズで出してみたり、「お風呂のお湯の増減」を確かめることが「逆対応」の学習につながったり、たくさんのことができます。親子でのお風呂タイムはお勉強のゴールデン帯とも言えるかもしれません。)
・寝る前に、絵本を読んだり、読み聞かせをしたりします。
(「昔話」について、お子さまはどれだけ知っているでしょうか。あらすじを話して伝えられますか。「昔話」を掘り下げて会話ができるのも、お勉強につながります。読み聞かせをすることは「お話の内容理解」の力をつけるのに役立ちます。お父さま、お母さまが自作のお話を作ってお話するのも最高です。「お話づくり」のお手本を提示することができるからです。)
・もちろん、就寝時刻は早めにして、睡眠時間はたっぷりを意識しましょう。
(「寝る子は育つ」は本当です。寝ている間に、その日の学びが定着していきます。もちろん、体も健やかに成長していきます。)
このような1日の過ごし方をしていくと、
小学校受験の視点で見ても、
もちろん、就学後の学習までを含めてみても、
1日のすべてを「意図した学びの時間」にしていくことが可能ではないでしょうか。
上記のスケジュールのなかにはペーパー学習についてを割愛していますが、
たとえペーパーに取り組めなかったとしても、それ以外の過ごし方で、充分に受験準備を進めることができます。
上記の各項目について、
ひとつひとつが、より詳しくご紹介していけそうですので、
また、順に細かく書いていきます。
「毎日のお勉強にペーパーが組み込めない」という全ての方に
ちなみに、今回の記事は、
「お子さまが、ペーパーをやりたがらない」という状況から、書いていきましたが、
「平日は忙しくて、ペーパーに取り組む時間がない」というご家庭の皆様にとっても、
1日の中に、「お子さまとのお勉強を意図できる時間」がたくさん存在していることを、発見していただく機会となれば嬉しいです。
もちろん、これは「ペーパー学習をしない方が良い」と言いたいのではなく、
「ペーパー学習ができなかったとしても、1日の中でお勉強を意図することができる時間は、たくさんある」ということをお伝えしたいのです。
小学校受験のお勉強を考えても、
就学後の計算や「書く」学習を考えても、
「短時間でも机に向かう」という習慣を身につけることは重要である、
ということは、誤解のないよう補足しておきます。
逆に言えるのは、
お子さまの学びのことを考えたら、
無意図にテレビをつけっぱなしにしたり、
インターネットの動画コンテンツを見せておいたりすることには、
「そこに割ける時間が(残されて)ない」というのが、実際のところなのではないかと、考えています。
(もちろん、意図した動画コンテンツの視聴は、学びの手段のひとつです。)
まとめ)
もし、お子さまが「ペーパーやりたくない。」と言ったら、
「そっかあ。そしたら、今日はペーパーは1枚だけにしておこうね。残った時間で、何して遊ぼうか。パズル?ぬり絵?」
という会話が、無理なくできるように、
毎日の生活が、「何をやっても学びにつながっている」という状態を、意図的に作っていってみてください。
そして、
今日、ご紹介したことは、
なにも小学校受験期のみに限定されたことではなく、
お子さまが小学生になってからも通用する、「ご家庭の学習環境づくり」における基礎であり、基本です。
そして、これまた重大な真実ですが、
この「ご家庭での学習環境づくり」については、
お子さまが小さいときから意図して環境づくりをしておく方が、
後から取り組むよりも、はるかに簡単です。
(お子さまが小学生になってから学習環境を整えようとするよりも、年長さんから意図しておくことができた方が良いです。もちろん、それよりも年中さんの頃から、そうした環境づくりに取り組むに越したことはないですし、さらに言えば、2歳・3歳の頃からの習慣づくりは、より価値があります。それを言い出したら、0歳児の頃から、いかに学びについての意図をできるかが大切ですし、極論すれば、「お子さまが生まれる前」から、ご夫婦でお子さまの学びについての意識の共有やお勉強、情報交換ができていることが理想でもあります。)
とはいえ、過去を変えることはできないわけですから、
「思い立ったが吉日」なのです。
もし、これまでに、日常生活の中で、お子さまの学びについて意図していない時間があったな、と気づいたら、
そして、その時間が、お子さまの学びにつながる時間になるよう意図することが、
無理なく、楽しくできそうだ、と思えたら、
ぜひ、今日から、
今から、
「意図的な学びの時間」をつくっていってみてください。
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