3月の後半がスタートしました。
小学校受験協会としては、昨日レギュラークラスを終え、
幼稚園や保育園での授業も終了しているため、
28日の行動観察講座まで、しばらく授業がお休みとなります。
ちょっとした、春休み期間です。
ですが、授業が開催されない間も、
ご家庭での学習に役に立つ情報をお届けしていけたらと思います。
お子さまが、間違えた。そのとき、どんな反応をしていますか。
お勉強の際に、お子さまが間違えた時の対応の方法について、少し考えてみました。
お教室でも、
お子さまが課題に取り組む時に、心がけていることがあります。
それは、「間違っている」ことを、できる限り直接的な言葉で伝えないようにする、ということです。
学びはじめの時や、経験が足りないときは、
上手くできないことも、当然あります。
最初から、上手くできる人も、中にはいるでしょうが、
最初は上手くいかない、ということがほとんどです。
そんな、「上手くできない」ことを、
繰り返し考えて、取り組んで、
頭と身体に覚えさせていくことで、
人は、新しい技術を獲得していきます。
上達のためには、「繰り返し」がポイントになります。
繰り返し取り組むためには、そのことに、前向きに取り組めることが大切です。
ですから、上達するためには、
それに取り組むことが、好きで、楽しい、となっていくことが重要となってきます。
ある物事について、
お子さまが、それをするたびに、
「ダメだよ」
「できてないよ」
「わかってないなあ」
と言われ続けたとしたら、
そのことに、「また取り組みたい」と思うでしょうか。
少なくとも、私自身は、そのような状況で「やりたい」と思える気がしないので、
そのような対応を、極力、しないでおこうと、思っています。
(※プロスポーツの世界や、厳しい職人の世界など、
こう言った「ダメ出し」を乗り越えて一流になっていく、という世界も存在するでしょう。
ですが、それらの世界においては、取り組む側が、明確な目的意識と、燃えるような情熱を持っているからこそ、そうしたアプローチが可能だとも言えます。
逆に言えば、それらの世界では、厳しいダメ出しを乗り越えられるだけの意志がなければ、ひとかどの人物にはなりえない、という側面もあるでしょう。
ですが、こと幼児教育、小学校受験の世界について考えた時に、
まず、お子さま自身が、そう言った明確な目的意識を持てるかというと、
かりに受験という目標を持ったとしても、それは自発的に生まれた目標であることは稀で、
また、幼児期の教育それ自体が、「一握りの成功者」を生み出すためのシステムでもない、と考えています。)
そうは言っても、
子どもは、日々、間違えるものです。
(むしろ、大人となって久しい私も、いまだに日々、間違えてしまいます。)
そんな中で、「間違いを指摘しない」のは、不可能ではないか。
と、いう声が聞こえてきそうですが、
まったく、おっしゃる通りで、
学びを積み重ねていく過程の中では、
その「間違い」を伝える必要があります。
ここでお伝えしたいのは、
できる限り「間違いを直接的に伝えようとしない」ということで、
けっして、「間違いを伝えない」ということではないのです。
間違いを「直接的に」伝える、とは、
具体的に言うと、
「ちがう」
「ダメ」
「あってない」
というようなフレーズで、
言葉が短ければ短いほど、鋭い影響力があるように感じます。
こうした言葉を、ついつい、使いたくなってしまうのですが、
そこを、グッとこらえて、
間違っているところこそ、マイルドに伝えることを、意識してみると良いかもしれません。
なぜ、間違いを指摘してしまうのか?
しかも、「ついつい」やってしまうのか。
これについては、実は、「そのようにしてしまう」心のメカニズムがあるのではないかと考えています。
より、本質的なことなのですが、
この点については、記事をあらためて、まとめたいと思います。
今日からできる、「間違い」を伝えるときのひと工夫。
その代わりに、今日は、
お勉強の際に、お子さまが「間違えた」時に、
どのような言葉がけをすると良いか、
私自身も心がけていることを、まとめてみたいと思います。
お子さまが間違えた時の「声がけ」編
先ほど、お子さまが間違えた時の声がけの「NGパターン」として、
「ちがう」
「ダメ」
「あってない」
といった言葉を取り上げました。
では、それに代わる「声がけ」とは、どのようなものでしょうか。
間違えた時の声がけ①「おしい!」
これは、私自身が、かなり多用しています。
決して、おしくない答えの時にも、確信犯的に「おしい!」を使います。
お教室の後ろから見ていて、「全然おしくないじゃないか。」と感じた保護者の方々は、お一人やお二人ではないはずです。
(「おしい!」の根拠をあえて説明するなら、問題に答えようと頭をひねった時点で、9割がた正解だというロジックです。じっくり、考えてくれたお子さまに対して敬意を払いたい、と言う気持ちもあります。)
間違えた時の声がけ②「ブッブー!」
少し、くだけた雰囲気での問題や質問の時に多く使っています。
ゴールデン帯に多くのクイズ番組があることからもわかるように、
お子さまも、「クイズ」は大好きです。
「ちがう!」を「ブッブー!」に変えるだけで、
なぜか、角が取れて、「間違い」を受け止めやすくなります。
あと、選択式の問題で、
お子さまが、答えがわかっていないけど、当てずっぽうで答えを言ってくる時は、(ぜんぜん考えてないし、選択肢を全部答えたら、そのうち正解になるよね、と言うような状況です。)
お子さまの答えに食い気味で「ブッブー!」を返すと
リズムが出るからなのか、正解していないのに「楽しい」と言う空気になることが多いです。
たとえば、
「先)1から6の中で、正解はどれでしょう?(正解は5)」
「子)ん〜、1?」「先)ブッブー!」
「子)じゃあ2!」「先)ブッブー!」
「子)さn「先)ブッブー!」
「先)ブッブー!』
「先)ブッブー!」
「子)…」
「先)それそのうち当たるからね。(笑)」
「子)(笑)」
までが、一連のパッケージです。
テストや模試形式の学習の時には使えませんが、
対話学習の時には、「クイズ形式」が、積極的な参加をうながすために時に有効です。
間違えた時の声がけ③「ん〜、残念!」
不正解である事実を伝える代わりに、それを「残念」と言う感情で伝える方法です。
お子さまからしても、間違えることは残念なことでしょうから、
感情を共有する点でも有効です。
何もかもを「おしい!」と表現してしまうのも単調なので、
こうした複数のバリエーションを使います。
間違えた時の声がけ④「なるほどね、どうやって考えたの?」
解答に対して、答えに至るまでの過程を説明してもらうパターンです。
説明をしようとする中で、
・お子さまが、自ら間違いに気づくパターン
・お子さまなりに、説明しようとしてくれたものの説明も的を得ていないパターン
・お子さまが、説明に窮するパターン
の大きく3パターンに分かれます。
お子さまが間違いに気づけば、「おっ、よく気づいたね。」と褒めるきっかけにもなりますし、
説明をしてもらえたら、つまづきポイントが見つかることもありますし、
上手く説明できなくても、「おしい!」や「残念」につなげることもできます。
なお、「どうやって考えたか説明してください。」は、
答えが正解の時も、使うことができますし、
むしろ、正解の時に多用することで、理解度の確認もできます。
間違いを指摘するのは、「できていること」「あっていること」を褒める数の半分以下にとどめるようにする。
間違っている部分を伝える際に大切にしたいのは、
一度にたくさんの「間違い」を指摘しすぎない、ということです。
心がけとしては、
「間違い」を指摘する倍以上は、
「できていること」を認めていくことが大切です。
これは、単純に頻度の問題だけではなく、
1回ごとの、「言葉の重さ」についても同様です。
間違いを伝える時ほど、さらっとそれを伝えて、あらためて、次の学びに入っていきますが、
褒める時は、いちど立ち止まって、しっかりと伝えるように心がけていきたいものです。
次のお勉強の機会からでも、活用したら効果が出るかもしれない声かけのネタをご紹介しました。
ぜひ、上記のネタを参考にしていただき、
楽しい学びを企画していってみてください。
新年長さんに向けた春の特別講習として、3本立ての講習会を開催いたします。
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2020春期・口頭試問&運動講座日 時:2020年4月11日(土) 10:00〜11:30 会 場:日本児童教育専門学校 〒169-0075 新宿区高田馬場1-32-15 対 象:新年長のみなさま 講習費:8,000円(税込) |
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2020春期・制作講座日 時:2020年4月25日(土) 10:00〜11:30 会 場:日本児童教育専門学校 〒169-0075 新宿区高田馬場1-32-15 対 象:新年長のみなさま 講習費:8,000円(税込) |
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